Google Play Musicが9月から段階的閉鎖、12月には完全消滅へ

Google Play Musicを段階的に縮小して新しいサービスであるYouTube Musicに置き換えるというGoogle(グーグル)の計画は、かなり前から知られていた。しかし同社は今週、その締め切りをユーザーに示した。同社によると、12月はGoogle Play Musicアプリからエクスポートできる最終締め切りだが、Google Play Musicアプリからのストリーミングはそれより前に終わる。

2020年9月には、ニュージーランドと南アフリカのユーザーが最初に、ストリーミングまたはGoogle Play Musicアプリの利用ができなくなる。そのほかの国々では10月にアクセスできなくなる。

ただし、12月いっぱいまではコンテンツのエクスポートは可能だ。5月にリリースされた転送ツール(未訳記事)を使えば、自分のプレイリストやアップロード、購入、いいねなどをYouTube Musicへエクスポートできる。グーグルのTakeoutサービスを使えば、データをエクスポートし、自分が購入またはアップロードした音楽をダウンロードすることも可能だ。

Spotifyのようなライバルのストリーミングサービスへの移行を考えている人向けの公式のツールは用意されていないが、SoundiizTuneMyMusicMusConvなどのサードパーティのアプリを使える。

同社によると、Google PlayストアとMusic Managerにも変更が加えられる。今月以降、ユーザーはMusic Managerを使ってGoogle Play Musicから音楽の購入や予約ができなくなり、また音楽のアップロードとダウンロードもできない。

YouTube Musicそのものはこのような変更の前から準備を進めていたが、Google Play Musicの初期のバージョンではユーザーからの不平が多いので、その対策として変更を導入した。今年同社はプレイリストを1000曲から5000曲に拡張し、最大10万曲までのアップロードをサポートした。これは従来のGoogle Play Musicよりも5万曲多い。さらにオフラインの聴取や歌詞、Exploreタブによる発見機能、ポッドキャストのサブスクリプションを転送するツール、Google Podcastsのエピソードプログレスなども加わった。

YouTube Musicにも今後はさまざまプレイリストのオプションが提供される。友だちとプレイリストを共作したり、エディターでプレイリストをプログラミングすることもできる。プレイリストを作っているとき選曲に迷ったら、パーソナライズ提案ももらえる。

YouTube Musicは提供されるプラットホームが増え、今ではAndroid TVやGoogle Maps(ナビのBGM)、Googleアシスタントなどもサポートしている。同社によると、YouTube Musicへ移行しない人は、そのうちアカウントが自動的にキャンセルされるとのこと。

音楽に関するグーグルの戦略は、メッセージングやコミュニケーションアプリでもそうだったよ(Engadget US記事)ように、このところ過度に複雑だった。ユーザーがYouTube Premium(元YouTube Red)にサインアップすると、自動的にGoogle Play Musicにもアクセスできた。その逆もありだった。しかもグーグルは一貫して、YouTube MusicをPlay Musicなどとは別のサブスクリプションとして売ろうとしてきた。つまり同社は、Apple MusicやSpotify、そしてPandoraのような大手ストリーミングサービスと競合するだけでなく自分自身とも競合していたのだ。

しかしこれからは、音楽ストリーミングのユーザーを全員YouTube Musicに移し、ストリーミングアプリも一本化する気だ。なんといってもYouTubeは長年無料の音楽にアクセスできる方法だったし、正式にライセンスされた音楽ビデオやライブのパフォーマンスなどのコンテンツも豊富だった。そこで、YouTubeで音楽を無料で聴いている音楽ファンに、広告のない高級な音楽体験を提案したほうが早道ではないか?と同社は考えた。その戦略はある程度有効だったが、最近では競合も激しい。先週は、Facebookがレコード会社との契約により音楽ビデオを無料にした(未訳記事)。その結果ユーザーの動きが変わるようなら、無料の音楽ファンを有料サービスへ移行させるYouTubeの能力も影響を受けるだろう。

画像クレジット: Google

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa