オープンソースのツールKubernetesがコンテナオーケストレーションのデファクトスタンダードになるにつれて、当然ながらそのまわりには、さまざまな新進企業からなるエコシステムが形成されてきた。Heptioもそういう企業のひとつだが、創業者がKubernetesの協同ファウンダー(Joe BedaとCraig McLuckie)であることがとくに関心を招(よ)んでいる。そのHeptioが今日(米国時間12/7)、この夏ローンチした同社のHeptio ArkプロジェクトでMicrosoftと協働する、と発表した。
Heptio Arkはバックアップと災害復旧を管理するユーティリティで、データセンターで大きな問題が起きたときに、Kubernetesのクラスターとボリュームをバックアップする。
計画では、Arkの能力の強化で両社は協働するが、並行してKubernetesを使っているアプリケーションをオンプレミスや、当然ながらMicrosoft AzureとAzure Container Serviceへ移すためのツールも作る(Microsoftはまだ後者を、‘Azure Kubernetes Service’に改名していない)。
HeptioのCEO Craig McLuckieはこう言う: “パブリッククラウドだけで生きてるような企業は、実はほどんどいない。だからワークロードをパブリッククラウドとオンプレミスに正しく振り分けるためのツールと方法がきわめて重要だ。Microsoftが今回のようにオープンソースのコミュニティと本気で協働することは、Azureの顧客の利益になるだけでなく、Kubernetesのコミュニティも強くする”。
さらにおもしろいのは、この共同事業が、Kubernetesの協同ファウンダーたちの同窓会になることだ。HeptioのBedaとMcLuckie、そしてMicrosoftのBrendan Burnsは、共にGoogleでKubernetesプロジェクトをオープンソースで立ち上げ、その後もしばらくGoogleで、その開発とメンテを担当した。
そのBurnsは曰く、“HeptioとMicrosoftが一緒になって、Kubernetesのエコシステムが抱える未対応のニーズを満たす強力なソリューションを作っていくことは、すごくワクワクする。Heptioと共同でArkとAzureを統合すればそれは、オンプレミスのKubernetesクラスターをクラウドへバックアップするための由緒正しいソリューションに、確実になるだろう”。