HuluとAmazon PrimeがNetflixの牙城に挑む

Netflixは、eMarketerの最新レポートによると今もサブスクリプション型ストリーミングサービスのナンバー1だが、Amazon Prime、Huluなどのライバルもシェアに食い込み始めている。

同社のアナリストは、今年中に1億8250万人の米国消費者がストリーミングビデオサービスを定期購読すると予測している。これは人口の53.3%に相当する。Netflixは2019年に1億5880万人の視聴者を得てトップの座を守りなお成長を続けているが、定期購入者の総数が増加する中で市場シェアは減少するだろうとレポートに書かれている。

Netflixは、Q2の米国ユーザー数が10年近くぶりに 減少した発表したが、その後も順調な成長(前年比7.6%)を続けるだろうとeMarketerは言っている。これは「Orange Is the New Black」や「Stranger Things」などの人気番組の新シリーズ、アカデミー賞受賞監督マーティン・スコセッシ監督の新作「The Irishman」などが後押ししているのだろう。

しかしもはやNetflixはストリーミングビデオで唯一の選択肢ではない。2014年に90%だった市場シェアは、2019年に87%に減少する見込みだ。

1 1市場シェアの減少は、HuluやPrime Videoといったライバルの進出が理由だ。

例えば、Huluは今年米国内視聴者数が7580万人(シェア41.5%)に達した。視聴者数は2019年に17.5%増加したが、2018年の49.6%という成長率には及ばなかった。

AmazonのPrime Videoは、今も米国第2位のストリーミングビデオサービスであり、2019年の視聴者数は9650万人(シェア52.9%)、前年比8.8%増だった。

eMarketerは、Prime Videoの利用者が2021年に米国人口の3分の1に達すると予測している。

2Netflixの市場シェア独占は、新たな脅威にも直面している。中でも DisneyとHulu、ESPNのセットは、Netflixの米国標準価格と同じ料金で提供されている。

「Netflixはここ数年強力なライバルと視聴者を奪いあっており、ストリーミングビデオプラットフォームだけでなく、有料テレビやビデオゲームからの挑戦もある」とeMarketerの予測アナリスト Eric Haggstrom(エリック・ハグストローム)氏は「真の『Netflixキラー』は存在しないが、Disneyの『Disney+、Hulu、ESPN+』のセットはそれに近いところまで来ている。現在のNetflixの答えは、同サービスを市場リーダーに押し上げた戦略を続けること。すなわちライセンス、オリジナルのコンテンツに他社よりも多くつぎ込み、競争力のある価格を消費者に提供することだ」と語る。

新たなライバルはDisneyだけでもない。

Apple TV+は今年中のサービス開始を見込んでおり、コンテンツに60億ドル費やすと言われている。当初報じられた10億ドルをはるかに上回る金額だ。月額使用料も9.99ドルという競争力ある価格帯になるらしい。

NBC UniversalとAT&T Warner Mediaも市場参入を目指している。後者はHBO Maxと組む。また、CBSとViacomの合併に続き、新会社は自社プラットフォームであるCBS All Accessと広告支援型サービスのPluto TV に新たに獲得したコンテンツを加えて強化しようとしている。

「ストリーミングビデオの市場は、ハイエンドのオリジナルコンテンツと従来の有料TVに比べて安い月額使用料によって爆発的に広がった」とハグストローム氏は指摘する。「新しい番組や映画に対する視聴者の強い欲求が、NetflixやHulu、Amazon Prime Videoなどの視聴者を拡大し、市場全体を広げた」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook