ファイル転送のスタートアップ、Infinitが提供する新サービスは、DevOps[開発・運用]エンジニアたちのストレージに対する考え方を変えるかもしれない。Infinitの新たなストレージプラットフォームを使うと、あらゆる種類のストレージ媒体をバーチャルドライブに統合し、どのコンピューターやサーバーからでも利用できる。シームレスで、非中央集約型のシステムだ。
「われわれはDevOpsエンジニアやシスアドが、夢のストレージソリューションを数分間で作れる答を持っている」と、共同ファウンダー・CEOのBaptiste Fradinが私に言った。「例えば、ネットワークにつながった複数ストレージが、パリを始めとする世界中のオフィスにあったとする。私はそのストレージ資源をすべて統合し、どこからでも自由に利用できるようにする」。
インストールしたら、わずかなコマンドラインだけで、ストレージ資源を集約し、巨大なバーチャルドライブを作ることができる。このサービスは、サーバーやコンピューターのハードディスクの他、AWS S3、Googleクラウドストレージ、Backblaze B2、さらにはDropboxやGoogle Driveといった消費者向けサービスにも対応している。
その後もストレージ基盤を簡単にスケールアップ/ダウンしたり、アクセス権の付与、冗長性のカスタマイズなどができる。DevOpsエンジニアはスクリプトを書けば簡単にバーチャルドライブを追加できる。Dockerに似ているが、そのストレージ版だ。嬉しいことに、同社は将来このファイルシステムの各レイヤーをオープンソース化する計画だ。
内部では、ファイルは暗号化されピアツーピアモデルを使って分散化されている。冗長性を設定すれば、システムはサーバーがダウンした時自動的に復旧する。これはファイルストレージプラットフォームでは新しいアプローチであり、既存のエンタープライズ向けソリューションよりずっと良い。
一般社員ユーザーは、GUIベースのデスクトップアプリをダウンロードして、既存のドライブを追加できる。バーチャルドライブはFinderに表示され、フォルダーをドラッグアンドドロップしたり、ファイルを開いたり保存したりできる。ネットワークドライブを使うのと全く同じ感覚であり、重要なファイルを扱う企業にとって優れたソリューションになるだろう。
Infinitのターゲットは、社員300~400名の中規模企業だ。こうした会社にとって、サーバーやクラウドのストレージを統一できることは非常に有効だ。これを使えば、社内の誰もが使える統一ストレージプラットフォームを安価に作ることができる。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)