GoogleがAlphabetに改編された直後にGoogleからスピンアウトしたゲーム・スタートアップのNiantic Labsは、今日(米国時間5/25)、開発中の位置情報を利用した新ゲーム、Pokémon GOのベータ版をアメリカ向けにリリースすると発表した。
今月に入って熱心なゲームファンはNianticの最新ベータ版にアクセスするための登録ができるようになった。登録したフィールド・テスターは一般公開に先立ってNianticにさまざまなフィードバックを送信することが期待されている。
ベータテストはすでに日本、オーストラリア、ニュージーランドで実施されているが、いよいよアメリカでもベータ版が公開されるということは一般公開が近づいていることを意味するのだろう。
Nianticは2015年に株式会社ポケモン、 Google、任天堂の各社から シリーズAのラウンドで2000万ドルの資金を調達したのと前後してPokémon GOの開発を始めている。NianticチームはGoogleの組織再編にともないAlphabetの傘下で活動するより、外部の独立したスタートアップとして起業する道を選んだ。NiantiのCEO、John Hankeは以前、TechCrunchのインタビューに対して、「独立企業であれば意思決定がより迅速なる。また外部の企業やチームとの協力の方法もスムーズになる」という意味のことを語っている。
しかし独立企業であることの裏側は当初から成功が必要だということでもある。期待の高いモバイル版のPokémonタイトルはなんとしても成功し、固定したファンをつかまねばならない。これまでPokémonゲームにタッチしたことのない層を新たに取り込むのが理想だ。
今日の公式ブログでNianticはゲーム自体についてもいくつかの情報を明かした。Nianticの前作、Ingressは現実世界とゲームを緊密に結びつけることで大ヒットとなったが、Pokémon GOも現実世界における場所移動をテーマとしている。
プレイヤーはゲーム内でPokémonの進化を助けるだけでなく、 家の外に出ていわゆるPokémonエッグを探したり成長したPokémonを見つけたりしなければならない。Niantecの説明によると、卵を孵すまでどんなPokémonが出てくるかわからない。また卵を孵すには一定の距離を歩く必要があるという。
またプレイヤーはPokémonジムという現実世界の一定の場所Pokémonの能力を競わせるバトルを楽しむことができる。勝者となってジムの支配権を得るのは3組のチームのうちの一つで、プレイヤーはこのバトルをするためにどれかのチームに所属する必要がある。
スマートフォンの各種センサーと位置情報を用いて現実世界とゲーム世界を結びつけるのはNianticゲームの最大のセールスポイントだ。これにゲーム世界のアイコンともいうべき高い知名度を誇るPokémonが加わるのはIngressの場合よりはるかに広い層にアピールできるだろう。
現実世界では100匹以上のPokémonが発見を待っているという。プレイヤーがこうしたPokémonに近づくとスマートフォンのプッシュ通知がそのことを教えてくれる。ゲームの詳しい情報―PokéボールでPokémonを捕まえる方法とかPokéStopsの使い方とか―はこちらで発表されている。
ベータ・テストに加わっていない場合でも、まだ登録を受け付けているようなので試してみるとよい。ただしプレイを許可されるベータ・テスターの総数は明らかではない。ゲームはiOS版とAndroid版が用意され、今年中に一般公開される予定だ。
〔日本版〕 記事中のスライドショーのインポートが一時的に不調なため、とりあえず最初の画像のみ掲載。 Pokémon GOについてはポケモン・カンパニーのサイトに日本語で詳しい説明があり、紹介動画もアップされている。なお、Nianticはゴールドラッシュ時代にサンフランシスコに入港した船の名前で「ナイアンティック」と発音する。Hankeのビデオで2:30あたりから。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook