Instagramはポートレート撮影でAppleの上を行こうとしている。iOSだけでなく多数のモバイル・デバイスで洗練されたポートレート写真とビデオが撮影できるようになった。先月、TechCrunchは高度な人物写真が撮れる機能をInstagramが開発中だと報じた。今日(米国時間4/10)、この機能がFocusとして公開が開始された。
Focusは人物に鮮明にピントを合わせたまま背景にボケを加えるというプロ級のテクニックを誰でも使えるようにする。Instagramの広報担当は私の取材に答えて、「Focusモードは顔認識と背景の分離を行うテクノロジーを用いている。 そのためデュアル・カメラを用いる必要がない」と説明した。
FocusはInstagramストーリーズのオプションとしてBoomerang、Superzoomなどと並んで表示される。メインカメラ、セルフィーカメラ両方で有効だ。iPhone 6s、 6s Plus、 7、 7 Plus、 8、 8 Plus、Xの各機種、また一部Androidデバイスで世界的に公開された。機能としてはAppleのポートレート・モードに近いが、Appleの場合はiPhone 7 Plus、8 Plus、Xのみでサポートされる。Androidでこうしたポートレート・モードが使えるのはこれまでPixel 2、Pixel 2 XLだけだった。その他、Magic Portrait Mode、FabFocus、LightX、Point Blurなどがポートレートに「準ボケ」加工ができるアプリとして人気を集めていた。しかしInstagram自体にシングルカメラでボケを加えるポートレート・モードが公開されたため、こうしたアプリに対する関心は薄れるかもしれない。
Instagram Focusによる背景ボケは読者のGenady OkrainからTechCrunchに提供された実例で確認することができる。背景は非常に巧みにボケさせてあるが、よく観察すると顔の輪郭はいくぶんにじんでいる。デュアルカメラを装備した最新のiPhoneでポートレート・モードはこれよりいくぶん良い結果を出せるようだ。ただしもちろんシングルカメラのモデルでは利用できないし、ビデオも撮影できない。
FocusはリアルタイムSNSとしてSnapchatよりInstagramを選ぶ理由を増やした。なんといっても別アプリを開かず、Instagramアプリ内部で処理が完結するのは便利だ。水平線沈む夕陽や料理写真でまず有名になったInstagramだが、8年後の現在もセルフィーを含む人物写真は十分に人気がある。こうして常に機能をアップデートし魅力を加えていけば、Instagramが10億ユーザーに到達することは可能だろう。
またInstagramはメンションにステッカーを追加した。これまでのように@マークに続いてテキストでユーザー名を入力するだけでなく、画像で友達をメンションすることができるようになる。Instagramでは先月からこの機能のテストを始めていたが、今回のアップデートですべてのiOSで利用可能になる。【略】Instagramでは2016年にストーリーズを公開した直後にテキストによるメンションもスタートさせている。Snapchatがこの機能を追加したのは先月だった。
Facebookがスキャンダルに揺れる中、Instagramにはほとんど影響が及んでいない。 リンク共有をサポートしてないためフェイクニュースの影響を受けにくく、Facebookの苦闘の原因となった政治的な動きの標的ならなかったのが幸いした。Focusに加えてInstagramアプリのコード中には音声とビデオによる通話機能が隠されていることをわれわれは報じた。またSnapchatのQRコードに似た画像をスキャンしてフォローできるInstagram Nametagsもベータ・テスト中だ。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)