もう2年以上前にも思えるが、AmazonがAlexaのAndroidアプリに音声によるコントロールを持ち込んだのは実はやっと今年の初めだ。これによってサードパーティのモバイルデバイスにも、Amazonが進出していけるか、と思われた。そしてそのときは、同じ機能性を“もうすぐ”iPhoneにも導入する、と発表された。そして、そのもうすぐが今日(米国時間6/26)になった。
iOS上にAmazonのスマートアシスタントをダウンロードした者は今日から、そのアプリに訊いたり頼んだりできるようになる。もちろんそれはネイティブアプリではない(Appleは自分のスマートアシスタントをとても愛しているのだ)。そこで対話は、ボタンをタップしないと始まらない。
そしてそれ以降は、Alexaに質問をしたり、音楽を聴いたり、スキルにアクセスしたり、スマートデバイスをコントロールしたりなど、Alexaの‘芸’を楽しめる。天気予報やスポーツ、カレンダーなどの問い合わせに対しては、ビジュアルな表示も出る。このアップデートは“数日後から”、無料でダウンロードでき、利用できる。
スマートアシスタントの競争でAmazonには不利な一面がある。ビッグスリーの中でAmazonだけは、独自の、そしてメジャーな、モバイルOSを持っていない。MotorolaやHuaweiなどAndroidのハードウェア開発者とパートナーして、なんとか入り込んでいるが、でもGoogleとAppleは彼ら独自のスマートアシスタントのエコシステムを育てる気だ。
今後モバイル市場で何か大きな策を打ち出さないかぎり、Amazonにとってはアプリをできるだけ多くのiOSとAndroidハンドセットに載せていくことが、モバイル進出の最良の手だ。音声コントロールが加わったことによって、モバイル上のAlexaは突然、Echoデバイスをセットアップするだけのアプリではなくなったのだ。