iOS 7、古いiPhoneやiPadは取り残される

iOS 7はこの秋iPhoneにやってくる。しかし、WWDCで発表された機能のすべてを使えるのはiPhone 5とiPod touchだけだ。iPhone 4と4Sユーザーが手にするのは新しいルックスと機能の一部だけだ。iPhone 3GS以前の旧モデルのことは忘れること。そこではiOS 6のスキューモーフィックな世界が永遠に続く。

下の表にある通り、AirDropはiPad 4、iPad miniを含む最新機種だけが利用できる。iPhone 4Sはカメラのフィルターを欠いているが、iPhone 4共々、写真アプリではフィルターが使える。

今日発表された中で唯一Appleに収益をもたらす機能であるiTunes Radioは、iOS 7互換の全機種で利用できる。

これらの機能の一部はiPadでも利用できる ― ただし初代iPadを除く。これはiOS 6のままだ[*]。iPad 2はSiriのアップデートとiTunes Radioだけ。写真のフィルターはiPad 3以降で使える。しかし、iPad 4とiPad miniですら、カメラのパノラマやフィルター機能はない。
[* 訳注:初代iPadはiOS 5までなのでiOS 6さえも使えない。iPhone 3GはiOS 4まで]

もちろんこれは、進化における残念な副作用であり、取り残される機種が出るのは当然だ。

AppleとGoogleは、最新OSで旧機種をサポートすることに関して、称賛すべき行動をとっている。iOS 7を含め、殆どの場合制限の理由はハードウェアに直結している。ハードウェアが新機能に全く対応していないか、ユーザー体験の質を維持できる水準にない場合だけだ。

とりわけAppleは、他社以上にユーザー体験を損わない場合にのみ機能を提供することにこだわる。Siriが登場した時、AppleはiPhone 4Sよりハード性能の低い1年前のiPhone 4に音声入力を提供しなかった。

Microsoftは、Windows Phone 8が当時の現行端末を サポートしないと発表して人気を下げた。旧ユーザーはWindows Phone 8のUI要素の一部を使用できたが、性能改善を支える新機能群は提供されなかった。しかし、新OSは当時の機種にないハードウェアを必要としていた。進歩は時に痛みを伴う。

iOS 7が今年の秋に公開される時、ハッカーやプログラマーたちは、欠けている機能を旧機種に移植すべく最大の努力を払うに違いない。もっとも、それが起こらなくても、あなたのiPhoneにない機能を持つアプリが存在する可能性は高い・・・なぜなら、元々Appleが盗んだものなのだから。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)