6月のWWDCで発表されるiOS 7については、デザインの大変更の噂が氾濫しているが、9to5Macの背後にいる、比較的確かな情報筋によると、その新デザインではいわゆる“フラットデザイン”が強調されるだけでなく、UI全体においてB&Wの成分が多用されるらしい。
その記事は、これまでの情報も繰り返している…Jony IveはAppleのモバイルOSに対して大鉈をふるっている、とりわけiOSの視覚的な側面の改変に彼は集中している。そして新しい情報としては、Iveが全面的な廃止をねらっているスケウオモルフ的(skeuomorphic,実物の何かに似せたデザイン)*なUI成分に関する詳細と、そのほかのUI成分やアプリや一部機能の変化についてだ。〔*: skeuomorphic,たとえば、本物の機器パネル上のボタンに似せた立体的なデザインのボタン、など。〕
Iveは、これまでのiOSの重いテクスチャは永続性のないデザインだと感じている。9to5Macの情報筋によると、だから彼は真っ先に、その今や古びたルックスのリフォームに取り組む。物理的なメタファ*に基づくデジタルデザインは行き止まりの袋小路であり、個々のiOSアプリ…Notes、Maps、Game Centerなどなど…の不調和感、バラバラ感を重症化している張本人だ、と彼は考えているようだ。Windows Phoneなど最新のモバイルインタフェイスは統一感を重視しているが、しかしまだまだiOSと互角に勝負できるほどの状態ではない。フラットデザインはテクコミュニティで賞賛されていても、一般消費者のレベルで受けるとは限らない。〔*: 物理的なメタファ、たとえば“フォルダ”(ディレクトリ)を文房具のファイリングフォルダ…という物理的な物…で表す、といった流儀のデザイン。〕
人びとがこれまでのiPhoneで使い慣れているものの一つであるロック画面は、大きく変わる。9to5Macによると、それはついにアイコン主体のロック画面になり、光沢のない黒のインタフェイスになる。セキュリティコードの入力にはグリッドに代わって円形ボタンが使われ、通知はマルチタッチによる対話機能が増強されることによってより便利になる。
通知そのものも変わる。リンネルの布地のような背景は捨てられ、B&Wが支配する世界になる。Notification Centerのウィジェットが増えて、Wi-Fi、Bluetooth、Airplane Modeなどへのアクセスが加わる。
ホーム画面では、ボタンの光沢がなくなり、システムアプリはよりフラットなデザインになり、これまでほど頻繁に“ポップ”しなくなる。そしてなんと、iOS 7にはAndroidからの借り物もある: パノラマ的にスクロールできる壁紙が加わり、それがホーム画面全体…すべての画面要素…を載せる。従来のように個々の画面要素に対し一つの同じ静的な画像が使われることは、なくなる。またオンスクリーンキーボードのような共通的なインタフェイス成分はどれも、これまでのような影つきの仮想的立体感を排し、フラット化されると共に色もB&Wとグレーが主体になる。Mail、Calendar、Maps、Notesなどのコアアプリにも同様のUI変更が行われ、とりわけ、W(白)が強調された統一感のあるデザインになる。ただし、逆にボタンは色とハイライトを個々に変えることによって、全ソフトウェア共通的なデザイン基調の中で、「どのボタンが何であるか」がすぐ分かるようにする。
新しい機能としては、iPhone用のスタンドアロンのアプリとしてFaceTimeが提供され、FlickrとVimeoを統合、MapsとSiriでは車載用ハンズフリーツールがより充実する。またデベロッパ向けの変更事項も多くて、iOSのアップデートでは恒例の、公開APIの大幅増も当然ある。
9to5の記事によると、これらの変更は今秋発売の新型iPhoneと、おそらくiPadにも実装される。しかしチームはiPhoneのiOS 7バージョンを優先しているようだから、iPadはややあとになるものと思われる。そしてすべては、6月10日のWWDCのキーノートで明らかになる。本誌はもちろん、ライブで報じていくつもりだ。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))