iPad向け新ブラウザ、Opera Coastが登場―すべてスワイプとタップで操作するタブレット最適化UI

半年前からOperaでは小チームでタブレット向けブラウザの開発を進めていた。 そしてついにOpera Coast for iPadが発表された。Chromeを無用のものにするかもしれない画期的な新ブラウザだ。

先週、Coastプロジェクトの責任者、Huib Kleinhoutは私の取材に対して「われわれがCoastを開発することに決めた動機は、現在のブラウザのUIがMosaicの時代から実質的に変わっていないことに我慢がならなくなったからだ。マルチタッチ・スクリーンがこれだけ普及したというのに、それがブラウザではほとんど生かされていない」と述べた。Coastはタブレットに最適化されたブラウザを世界で初めて作ろうとしたOperaの試みだという。

Kleinhoutは「タブレットのブラウザはそもそも生産性ツールとして使われるわけではない」と指摘する。Coastはこの基本的考えに基づいて、現在のブラウザに満載されている複雑でかつほとんどの場合に不必要な機能をすべて削除し、UI要素を大きくシンプルなものにしてタッチによる操作性の大幅な向上を図っている。

実際、Coastには画面下部のホームボタンと画面右下の最近訪問したサイトの履歴を表示するボタン以外に目に見える操作部分はない。ほとんどすべての操作はジェスチャーで行われる。たとえば 「進む」、「戻る」は左右のスワイプになる(もっともMicrosoftもGoogleもこのジェスチャーを採用している)。

Coastではブックマークに代わってよく訪問するサイトはiOSのホームスクリーン風の大きなアイコンで表示される。Coastはユーザーが最近訪問したサイトをすべて自動的に記録しており、ホームスクリーンの右下のボタンからリストとして呼び出せる。そこからブックマーク・アイコンを追加できる。ホームスクリーンには検索バーが用意されている。Operaのバックエンドがユーザーの入力をモニタして、インクリメンタルに3つの候補を表示する。

この極めて簡潔なデザインについてKleinhoutは「サイトに代わって勝手に共有ボタンを表示するのがブラウザの役目ではない」と語った(最近のMozillaのプロダクトへの遠回しな批判)。Kleinhoutは「ユーザーとどのように会話するかを決めるのは全面的にサイトの役割だ。われわれはユーザーのセキュリティの強化にも力を注いでいる。ユーザーがHTTPSや認証手続きについて知らなくても、ユーザーが危険なサイトにアクセスしようとした場合にはCoastが警告する」という。

Opera独自のサーバサイドのレンダリング・エンジンを利用していたOpera Miniや以前のiOSブラウザとは異なり、CoastはAppleの内蔵レンダリング・エンジンを利用する。

KleinhoutはAndroid版Coastについては開発しているかどうか明らかにしなかったが、iOS以外のプラットフォームへの拡張を計画していることは間違いないだろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。