IPOを延期した米フードデリバリー大手のDoorDash、シリーズHで約430億円の資金調達を認める

DoorDash(ドアダッシュ)はシリーズHの資金調達ラウンドで、約4億ドル(約430億円)を調達したことを認めた。

米国時間6月18日、資金調達後のDoorDashの評価額が160億ドル(約1兆7000億円)で、約4億ドルのラウンドを予定している(Axios記事)と報じた。DoorDashはTechCrunchに対して、評価額が160億ドルをわずかに下回っていることを明らかにした。今回のラウンドは予想されていたが、取引の最終的な評価額は以前の報道から10億ドル(約1100億円)高くなった。

米国の人気フードデリバリー企業であるDoorDashは、2019年後半に130億ドル(約1兆4000億円)近くの評価額をつけた巨大なシリーズGを含め、これまで積極的に資金調達を進めてきた。同社によると、「T. Rowe Price Associatesの助言による投資家やファンド、アカウント」として説明されている新たな投資家であるDurable Capital PartnersとFidelityが、今回のラウンドを主導した。

DoorDashが個人投資家からさらに資金を調達したことは、2020年においては思いがけない動きだ。同社は今年に入って株式公開を非公開で申請(未訳記事)していたが、計画は新型コロナウイルス(COVID-19)と、それに続く経済不安のために延期された。DoorDashは資本不足というわけではないが、個人投資家からIPO規模の資金を調達することはブランドだけではなく、同社の事業の性質上不可欠だ。

国内のフードデリバリー大手となるDoorDashは、UberのUber Eats、Postmatesのデリバリーサービス、Grubhub-Just Eat Takeawayのハイブリッドサービスと争っている。このような競争の激しい市場は、高い資本要件が要求される。

DoorDashが実際に資金を調達する必要があったのか、また上場を延期する必要があったのかははっきりしない。Vroomのような他の企業は、コアビジネスの収益性が低いようにみえたにもかかわらず、株式公開に踏み切った。もしかすると、DoorDashも近々株式を公開するかもしれない。しかし、新しい資金を使って株式公開を延期した場合、市場はDoorDashをどのように評価するだろうか?

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

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TechCrunch Japan

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