IPO直前のPalantirの参考価格は企業価値1.7兆円超相当

Palantir(パランティア)が(17年を経て)明日、米国時間9月30日のNYSE(ニューヨーク証券取引所)上場の準備をする中、本誌は同社の株価を投資家がどう判断するかに関わるデータを入手した。

NYSEは、ティッカーシンボル「PLTR」で取引されることになる同社の参考価格を1株あたり7.25ドルと発表した。Palantirはダイレクトリスティング(直接上場)を実施するため、参考価格は投資家に対するNYSEの指針に過ぎず、実際の取引価格を表すものではない。

米国時間9月29日の取引終了後にPalantirがSEC(証券取引委員会)に提出した書類によると、同社はクラスA株式11億6000万株、クラスB株式4億8500万株、クラスF株式100万株、合わせて約16億4000万株を、現時点の資本施策表に載せている。完全希薄化ベースでは計22億株、企業価値は160億ドル(約1兆6800億円)になると最新のS-1書類にPalantirに記している。2つの数値の相違は発行済株式の実績、ワラントその他の金融商品による。

同社株の取引は30日午前に開始予定であり、ダイレクトリスティングを実施することから、上場によって第一次資本が増えることはない。

TechCrunchではPalantirの株価を内部取引に基づいて追跡してきた。2019年1月初めに5ドル前後だった価格は、同社が上場に向けて目論見書の準備を始めたことで今月初めに9.17ドルまで跳ね上がった。参考価格の7.25ドルはこの最終取引価格を下回っているだけでなく、先週The Wall Street Journal が報じたPalantirの銀行筋による10ドルという価格ラインも切っている。

もちろん、参考価格はIPO価格と同じくほとんどが作られた値であり、こうした株の真の価値は、明日トレーダーがインサイダーから株を買い取った後の市場で決まる。

本日午後の申請書類でPalantirは、およそ4億7500万株が取引に出され、残りはロックアップされると書いていている。Palantirはロックアップ付きダイレクトリスティングの先駆者なので、今後株式がさらに出回ったとき、この構成が株価にどう影響を与えるかが注目される。

関連記事:In its 5th filing with the SEC, Palantir finally admits it is not a democracy(未訳記事)

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Palantir 新規上場 / IPO

原文へ

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。