Alibaba(アリババ)と中国のeコマースで覇権を争うJD.comの物流部門が、物流関連の企業と技術に投資するために15億元(約230億円)の資金調達をおこなった。Reuters(ロイター)の報道によれば、新ファンドのパートナーにはJD LogisticsやJD.com、そして非公開の上場企業や政府主導のファンドが含まれるという。
JD.comのスポークスパーソンはTechCrunchに対し、今回のファンドではスマートロジスティックスとスマートサプライチェーン技術にフォーカスするという。
2017年に独立子会社となったJD Logisticsは、堅調に推移している。同部門は昨年、Hillhouse Capital GroupやSequoia Capital、Tencentをはじめとする投資家から135億ドル(約1兆4000億円)の評価額にて初となる25億ドル(約2700億円)の外部資金調達を実施し、株式公開も視野に入れている。
しかし2カ月前、JD.comでCEOを務めるRichard Liu氏は内部メモにて、昨年JD Logisticsが28億元(約440億円)を失った後に、コストカットを実施すると伝えた。その中には宅配業者の基本給を廃止し、かわりに配達した荷物の数に応じて支払うことが含まれている。JD.comはこの事業の81.4%の株式を保有している。
JD Logisticsと競合するのはAlibabaのCainiaoで、報告評価額77億ドル(約8200億円)で非公開の資金調達を実施した。迅速で廉価な配送を保証することは、JD.comのビジネスにとって特に重要である。なぜなら、同社は独自の在庫を持ち、自社の物流と外部へのサービスの両方をおこなっているからである。
JD Logisticsはこれまで、ドローン配送のテストや物流自動化の推進、スマートモビリティ、そして東南アジア企業の支援に注力してきた。
[原文へ]
(翻訳:塚本直樹 Twitter)