今朝(2017年8月2日)日経新聞が報じたところによれば、KDDIはIoTスタートアップのソラコムを買収する模様。発行済全株式を8月内にも取得し、買収額は約200億円となるという。もし事実であれば、日本のスタートアップ企業の買収額としては「大型ホームラン」といって良いM&Aとなりそうだ。創業3年弱のスピードエグジットでもある。TechCrunch Japanでは現在ソラコム広報部に対して買収の事実を確認中だが、事前に先方から取材の申し入れがあり、もともと本日午後に取材を予定していた。買収に関してではないかと思われる。
ソラコムの法人設立は2014年11月。AWSのエバンジェリストだった玉川憲氏が本格始動したのは2015年のことで、WiL、インフィニティー・ベンチャーズLLPなどから7億円のシード資金を調達。2015年9月には革新的なMVNOサービスを発表し、その後はIoTプラットフォーム「SORACOM」として通信モジュールやプログラマブルな通信サービスを次々に開発して提供してきた。2016年5月にはグローバル展開を目指すとして総額24億円のシリーズB資金調達を発表している。現在は東京のほかシンガポール、パロアルト、コペンハーゲンに拠点を持ちグローバルで社員数は約40人となっている。
従来、通信キャリアなどがサービス構築のために利用している通信機器の一部をAmazonのクラウド上にソフトウェアとして実装したのがソラコムだ。価格破壊を起こしながら、ソフトウェアならではの機能や設定、きめこまかな従量課金といった柔軟性を実現しているのが特徴だ。デバイスをネットやクラウドに繋げ、管理する通信サービス部分に特化して、高度なセキュリティーやAPIベースの制御機構、低トラフィック向けの安価なサービスなどを提供している。
2016年10月からはKDDIはソラコムと「KDDI IoTコネクト Air」の共同開発を発表するなど協業を進めていた。
TechCrunch Japanでは午後に玉川CEOへのインタビューを行い、続報を掲載予定だ。