Kubernetesの認証基準に36の企業が合意

Cloud Native Computing Foundation(CNCF)は本日(米国時間11月13日)、そのメンバーの中の36組織が、広く普及しているオープンソースコンテナオーケストレーションツールKubernetesの、認証基準に対して合意したことを発表した。これにより、ユーザーたちは、Kubernetes管理下のコンテナを想定範囲内で動作させながら、不安なくあるバージョンから別のバージョンへと移動させることが簡単になる。

今回36組織のグループは、メンバーたちが作成するKubernetesの各バージョンの全バージョンが、移植性を担保するために保証しなければならない、APIの基本セットに関して合意したのだ。CNCFのエグゼクティブディレクターDan Kohnは、参加しているメンバーたちが互換性テストとして扱い、サポートを保証している、既存のKubernetesプロジェクトAPIのサブセットを取り出したと語っている。実際上これが意味することは、新しいコンテナを立ち上げたときに、誰が作成したバージョンのKubernetesかに関わらず、一貫した動作を期待することができるということだ、と彼は続ける。

Kohnは、この組織が業界で最も有名な多くの企業たちを、結集することができたと言う。「私たちは素晴らしいメンバーたちを得ました。こうすることで、製品がフォークすることなく、単一のものとして発展していくと確信しています」と彼は語る。

フォークとは、オープンソースプロジェクトの中で、独自のバージョンを作る企業が現れ、互換性のない可能性のある新しいバージョンのソフトウェアを作り出すことを意味する。CNCFはこれを防ぎたいと願っており、そのためにMicrosoft、Red Hat、Alibaba、Oracle、Google、そしてIBMを含む多くの強力なメンバーを結集た。

パブリック・クラウド・コンピューティング世界での最大勢力であるAWSは、今回署名したメンバーには加わっていないが、CNSFによれば、これは単に同社がまだ、独自バージョンのKubernetesを作成していないからということだ(とはいえ、AWS上ではKubernetesクラスターは動作している)。AWSが8月にCNCFに加わったことで、CNCFとKubernetesが本格的に立ち上がったことが示された。

これだけ多様な多くのテクノロジー企業たちが、何かについて合意するのは、間違いなく素晴らしく奇跡的な出来事だ。しかしKohnによれば、大部分の企業はフォークへの懸念から極めて迅速に集まったのだという。

「Kubernetesは急激に普及していて、誰もがそれを採用しています。もし取り組みと適用のレベルが高い場合には、プロジェクトがフォークするかどうかには懸念を抱くことになります。あるバージョンで動作するアプリを持っているときに、はたして別のバージョンで動作するだろうかと心配することになりますから」とKohnはTechCrunchに語った。

Kubernetesは実際、CNCFに参加したテクノロジー企業のほぼすべての中で、昨年の段階で既にデファクトスタンダードになっていた。今日の発表は成長するプロジェクトに対してあるレベルでの規律を持ち込むものだ、そしてオープンソースプロジェクトプロジェクトとしてのKubernetesが、成熟に向かう重要な一歩なのだ。

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(翻訳:Sako)

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TechCrunch Japan

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