さまざまなサーバで構成されるデータセンターを単一のエンティティとして扱えるためのサービスを提供しているMesosphereが、重要な結実期を迎えた。今日(米国時間4/29)同社は、Microsoft AzureとAmazon Web Services(AWS)の両クラウド上で、同社のDatacenter Operating System(DCOS)の公開ベータをローンチした。オープンソースのApache Mesosをベースとする同社の技術にとって、これは大きな前進だ。
デベロッパはDCOSを使ってHadoopやCassandra、Jenkins、Googleのコンテナ管理サービスKubernetesなどのLinuxアプリケーションをクラスタ上で容易に動かすことができ、処理需要の増減に応じてのスケーリング、そのためのリソースプロビジョニングは、DCOSが自動的に行う。Mesosの基本機能により、これらのアプリケーションにとってデータセンターは、共有リソースの単一のプールになる。〔データセンター全体を一台のPCのように操作/管理できる。〕
TwitterやYelp、NetflixはすでにMesosを使っており、AppleもSiriのバックエンドをMesosの上で動かしている。
今日行われたMicrosoftのデベロッパカンファレンスBuildで、AzureのCTO Mark Russinovichが、Mesosphereを使ってAzure上でクラスタをローンチするやり方を見せた。彼はその、200のノードから成るクラスタを素早く始動し、その上で2000のDockerコンテナをローンチした。Azureは今日、ややカスタムなデモを見せたが、AWSを使っているデベロッパもそれと同じ機能を同プラットホーム上で利用できる。
これまでMesosphereという名前だったはずのプロダクトがなぜ今日から急にDCOSになるのかというと、それまで同社はそのサービスを、Mesosの“スタック”に焦点を当てて語っていたのに対し、昨年の終わりごろからはそれらの関連サービスのすべてをDCOSへとパッケージングして、選ばれた少数のデベロッパにアーリーアクセスを提供し始めていたからだ。そして今日からは、すべてのデベロッパがここを窓口として、公開ベータにサインアップできる。