Windows RTは失敗作だ。われわれは最初からそう言っていた。本誌だけではなかった。Windows RT、より具体的には生後9ヵ月のMicrosoft Surface RTに好意的なレビューを探すのは非常に困難だ。そして今Microsoftは、自社の最新収支報告で、ついにわれわれが正しかったことを公に認めた。
同社は前四半期に9億ドルという巨額の減損処理を、売り残ったSurface RTのために行った。もっと多くを物語るのは、Microsoftがこの損失を公表したという事実だ。それほど膨大だった。同社は投資家に向けて、なぜウォール街の予測を達成できなかったかを説明する必要があった。
悲しいかな、悪いのはSurface RTのハードウェアではない。むしろタブレットそのものは美しいマシンだ。スマートで堅牢でまさしく素晴らしい。これを手に取って感心せずにはいられない。Surface RTのデザイナーとエンジニアたちは自分たちの作品に誇りを持つべきだ。彼らの責任ではない。
Windows RTは消費者向け製品として存在すべきではなかった。それは、iPadや市場に溢れる数多のAndroidタブレットに対する反射的行動の産物だ。それは、Microsoftが立ち去るるべきだった戦場に放った一撃だった。Intelが、ARMチップの長所の大部分を迅速に同社のx86ラインに導入しているのに対し、Microsoftは、Windows最大の利点である従来アプリとの互換性を捨てた製品を作るのを我慢できなかった。Surface RTは、この失敗が約束されたエコシステムの不幸な部分だった。
Surface製品群はMicrosoftにとって大きなリスク要因だった。同社にとってオールインワンPCは全く初めての試みだ。そしてある意味で、それは成功した。Surface RTおよびProは、Windows 8タブレットに多くの注目を集めた ― HP、Dell、あるいはSamsungがやるよにもずっと多く。この強力な製品ラインは、多くの消費者向けエレクトロニクス企業に対してメッセージを放った。なにしろMicrosoft ― 歴史的にソフトウェア第一の集団 ― が自身で第一級ハードウェアの製作に取り組んだのだから。
Surface ProとRTがなければ、Windows 8タブレットの世界は陳腐で生気のないものになっていただろう ― Windows 8ノートPCのように。
あらゆる兆候が近々発表される新しいSurface製品ラインを指している。そして今日のニュースにもかかわらず、Microsoftが第2世代のSurface RTをさらに大きく価格を下げて発売する可能性は十分にある。結局Microsoftは、たとえ誰も買いたいと思わない製品であっても、やりたいことは何でもやる会社なのである。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi)