MicrosoftがOffice for Android phoneの公式リリースをアナウンスした。プレビュー版のリリースから5週間で正式版に進化した形だ。このたびリリースされたのはWord、Excel、およびPowerPointのAndroid Phone版だ。これによりiOSデバイス、Windows、OS X、そしてAndroidタブレットに続いてOfficeを正式に利用できる環境が整ったことになる。
リリースされたオフィスアプリケーションでは、オフィスドキュメントを閲覧するのはもちろん、編集することもできる。またスマートフォン上のPowerPointでプレゼンテーションを行うこともできよう。さらに保存場所にGoogle Drive、Dropbox、あるいはBoxなどもサポートされている。プレビュー版投入時にも言われていたことだが、今回リリースされたWord、Excel、PowerPointの各アプリケーションは、以前から投入されていたOffice Mobileに代わるものだ。新しいアプリケーションの動作には1GBのRAMと、Android KitKat(4.4.x)以上が必要となる。Android Mはまだサポートされていない。
無料のMicrosoftのアカウントをもっていれば、アプリケーションも無料で利用できる。ただし一部の高度な機能を利用するにはOffice 365の申し込みが必要となる。
このアプリケーションは、Samsung、LG、Sony、その他、30社以上の端末にプレインストールされる予定となっている。プレインストールされたモデルは今年の後半に市場に並ぶことになる。
もちろん、アプリケーションを利用するのにプレインストールモデルのリリースを待つ必要などない。すでに誰でもダウンロードできるように公開されているのだ。たとえばGoogle PlayにもWord for Android、Excel for Android、PowerPoint for Androidが登録されている。また中国ではTencent、Baidu、Xiaomi、およびCMCCといったアプリケーションストアからもダウンロードできるようになっている。Samsungの自社アプリケーションストアからダウンロードできるようにしているようだ。
Microsoftによれば、Android Phone版オフィスのプレビュー版は1900種類以上の端末にて、83ヵ国でテストされたのだとのこと。そうしたユーザーからのフィードバックも、正式版に反映しているとのことだ。対応したフィードバックには、バグについての報告だけでなく、新機能の要望なども含まれる。Google DriveやBoxなどのサードパーティーのオンラインストレージに対応したのも、利用者からの要望があったからであるようだ。メニューの配置などについての修正も行われたとのこと。
今回のリリースでも明らかなように、ソフトウェアについてMicrosoftは全方位的なクロスプラットフォーム戦略をおしすすめていくつもりであるらしい。その昔、Officeを使いたいならWindows PCを使えばいいともいうような姿勢であった頃からは隔世の感がある。自社のフラッグシッププロダクトを、ライバルOSの利用者も含めた、より広い層に利用してもらいたいという気持ちが現れているわけだ。Microsoftのこの作戦は、少なくともいまのところはとても順調に機能している様子。Microsoftによれば、iOSおよびAndroid版アプリケーションのダウンロード総数は1億件を超えているとのことだ。
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(翻訳:Maeda, H)