今日(米国時間5/4)、MicrosoftはGitHubを75億ドル相当の株式で買収する計画を発表した。予想どおり、この発表は依然としてMicrosoftに対して反感を抱くメンバーが残るデベロッパー・コミュニティーに衝撃を与えている。今朝のカンファレンス・コールにはMicrosoftのCEO、サティヤ・ナデラ、XamarinファウンダーでGitHubのCEOに就任するNat Friedman、GitHubの共同ファウンダーでCEOを離任する予定のChris Wanstrathが出席し、Microsoftグループの一員となってからのGitHubの未来像を説明した。
ここで出席者全員が特に強調したのは、GitHubは今後も独立の企業として運営されるという点だ。これはMicrosoftがこれまでにLinkedInを買収したときのアプローチであり、順当といえる。しかしMicrosoftとしてはGitHubを本拠と考えるデベロッパーの多くが同社にネガティブなイメージを抱いていることを暗に認めたものとも考えられる。GitHubは今後ともオープンプラットフォームであり、いかなるデベロッパーであろうと自由に利用できることをMicrosoftは約束した。GitHubはあらゆるクラウド、あらゆるデバイスをサポートしていく。
GitHubの本質はまったく変わらないとした上で、当然ながら、MicrosoftはGitHubのエンタープライズ向けサービスを拡張し、自身やパートナー企業のセールスチャンネルに乗せていくことを発表した。ナデラは「GitHubはMicrosoftのデベロッパー向けツールとサービスを新しいオーディエンスに紹介していく」と述べた。
Nat FriedmanがGitHubの CEOに就任することで、同社は尊敬されているテクノロジー専門家をリーダーに迎えることができた。Friedmanが共同ファウンダーであるXamarinのMicrosoftによる買収は(少なくともわれわれの目から見て)成功を収めている。実際、私がFriedmanと話した感触では、XamarinがNovellからMicrosoftに移った結果について好感を抱いているように思えた。GitHubの将来についてもポジティブな見通しなのだと思う。
Microsoftの買収後、Friedmanはこのデベロッパー・サービスのチームの責任者となっている。Wanstrathは前任者がハラスメント・スキャンダルで失脚した後、CEOに就いたが、1年近く前から経営者のポジションを離れてもっと直接にプロダクトを開発する仕事をしたいと語っていた。Microsoftの買収でこれが実現したことになる。WanstrathはMicrosoftのテクニカル・フェローに就任し、「戦略的ソフトウェア・イニシアティブ」に携わるという。
今日の電話記者会見でFriedmanはMicrosoftがGitHubをオープンにしておくと約束したことを強調すると同時に、「われわれはさらに多くのデベロッパーとさらに多様な機能をGitHubにもたらしたい」と述べ、GitHubのサービスとコミュニティーを拡大していく計画を発表した。
私はカンファレンス・コールの後、Friedmanにインタビューした。Friedmanは「デベロッパー・コミュニティーには常に健全な懐疑の念があるものだ。しかし、ここ数年のMicrosoftの行動を詳しく検討すれば、本当の意味でオープンソース・コミュニティーの一員に変身したことが理解できるだろう」と述べ、デベロッパーがMicrosoftをそうした事実に基づいて評価するよう求めた。もちろん本当に重要な点はMicrosoftが今日の約束をどのように守るのかにある。
プロダクトそのものに関してFriedmanは。GitHubの本質はすべてデベロッパーの努力を助けるところにあるべきだと述べた。その手始めとして、クラウドの利用をさらに容易にすることに取り組むという。【略】
もうひとつ力を入れていく分野はGitHubのマーケットプレイスだ。Microsoftは同社のすべてのデベロッパー・ツールやサービスをGitHub Marketplaceに登録する。また当然ながらMicrosoftのオープンソースのエディター、Visual Studio CodeがGitHubに統合される。【略】
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)