本の中を見てみたいけれど、ちょっと表紙に触れただけで粉々になってしまうとわかっている時はどうすればいいか? どうすることもできない。本を開くことは中に何があるかを知るために必須の手順だ。しかし、そうは考えない人たちがMITにはいる。
MITの研究者らは強力な技術を組み合わせることによってそれを可能にした。テラヘルツ波は表紙やページを透過するが、波長の長いX線等と違い、紙とインクとで異なる電磁波を反射する。
これにフェムトフォトグラフィーと呼ばれる超高速度撮影技術を組み合わせ、特定のタイプの画像を1兆分の1秒単位で取り込む。こうすることで極めて精度の高い識別が可能になり、反射から得られた画像が、注目しているページのものか、数十分の一ミリ下にある次のページのものかを区別することがてきる。
こうして生まれたテラヘルツ・フェムトフォトグラフィー技術を使って、研究者らは本の最初の20ページまでの距離を割り出し、最初の9ページからは印刷されている文字を取り出すことに成功した。1ページには1文字しか書かれていないが、〈あなた〉なら表紙の上からどれほど読めるだろうか。
「ニューヨークのメトロポリタン美術館が非常に興味を持っている。触れることすらためらわれる古書の中を見たいからだ」と論文の著者の一人である、Barmak HeshmatがMITのニュースリリースに書いている。
まだまだやるべきことはたくさんある。例えばテラヘルツ波に他の周波数を組み合わせることが考えられる。これは可視光と近可視光についてはマルチスペクトル・イメージングと呼ばれる方式で既に使われている手法であり、一世紀以上前の手書き文字インクの下に隠された秘密を暴いた。
この技術は本以外にも応用できる。例えば、有名な絵画の絵具の重なりや、考古学試料に固着した物質の分析等だ。
研究はMITのカメラカルチャー研究室で行われている。詳しい解説は このビデオおよび今日(米国時間9/10)Nature Communicationsに掲載される論文で見ることができる。
(注:言い訳めくが、[原題の]”judge a book through its cover” [見かけで判断するな]は、MIT発表の見出しを見る前から考えていた。使わずにはいられなかった!)
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)