NagisaがDonutsから1億円調達、多ジャンルのアプリ提供で1億ダウンロードを目指す

スマートフォンアプリを続々とリリースするNagisa。同社は5月15日、Donutsを引受先とする1億円の第三者割当増資を実施したと発表した。

かつてはLINE対抗のメッセージングサービス「Balloon」などを手がけてきたNagisaだが、現在は複数の写真を組み合わせてスライド動画を作成する「SLIDE MOVIES」や日記アプリ「Livre」、カジュアルゲーム「49人目の少女」などアプリを続々と提供。現在までに累計500万ダウンロードを達成したという。4月単月で100万ダウンロードを達成するなど、急速な成長を遂げているという。

これらのアプリ群は、1つがずば抜けてダウンロードされているというわけではないが、それぞれディレクターとエンジニアの2人といった比較的少人数な体制で開発。SLIDE MOVIESで140万ダウンロードを達成するなどスマッシュヒットを続けているとのことだ。そのアプリ上で広告や課金をすることで「すでにプロフィッタブルな状況」(Nagisa代表取締役社長の横山佳幸氏)だという。

そんなNagisaだが、収益を成長のために投資に回し、さらに資金調達をすることで、人材採用や経営基盤の強化を図り、事業を一気に加速するとしている。「今後2年以内にAppStore、Google Playの全てのカテゴリーにおける上位にランクインできるアプリを企画、開発していき、『全てのスマホにNagisaのアプリを』というポートフォリオを組んでいく。LINEがコミュニケーションアプリを1つのプラットフォーム、ユーザープールにしているが、Nagisaはたくさんのアプリをユーザープールにしていく」(横山氏)。直近にはオフィス移転を決定し、現在20人体制のスタッフを一気に40〜50人まで拡大していくことを予定するほか、SNSやCtoC、ファッションEC、ゲームなど幅広い領域でアプリをリリースしていくという。今後は2016年3月末までに合計数1億ダウンロードを目指す。

Nagisaに出資するDonutsは、「暴走列伝 単車の虎」、「Tokyo 7th シスターズ」といったゲームや、10秒動画投稿コミュニティの「MixChannel」などを展開している。ランチを軸にしたマッチングサービス(現在は就職活動する学生向けにサービスを特化させている)「ソーシャルランチ」運営のシンクランチ買収でも話題になった。

シンクランチの共同創業者でもあり、現在Donutsの経営企画室室長兼ヒューマンリソース部部長を務める上村康太氏。出資の意図について「シナジーとIPOによるキャピタルゲインを狙う」と語る。上村氏は「ブーストなどの広告施策の効果が薄れてゆく中で、Nagisaのアプリが抱えるユーザープールは今度の新作ゲーム立ち上げのタイミングで大きな威力を発揮すると判断した」と続けるが、直近ではまず、ゲームに次ぐ主力事業として注力するMixChannelにおいて、NagisaのSLIDE MOVIESとの連携や他アプリを含めての相互送客などを進める。


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TechCrunch Japan

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