Netflixの新規登録者数が業界予想、そして彼ら自身の予想を2四半期連続で大幅に超えた。
本日(現地時間7月17日)の発表によれば、2017年第2四半期の新規登録者数は520万人で、同社の予測値の320万人を大きく上回った。このニュースを受け、株価は一気に9%上昇。新規登録者のうち400万人以上は海外のユーザーとされているが、北米外への進出に力を入れている同社の動きを考えると、国内の新規登録者数が100万人以上伸びたというのも驚きだ。
そして登録者数こそ、投資家が常に気にしている数字だ。決算書は各数字の算出方法などを変化させることで、ある程度実態よりよく見せることができる一方で、将来の経営数字に影響を及ぼすのは、他でもない登録者数(Facebookで言うところのユーザー数)なのだ。さらにNetflixは現地市場をほぼ支配しているが、海外市場にはまだまだ伸びしろがある。
登録者数の伸びには、国内だけでなく海外でも人気を博しているNetflixのオリジナルコンテンツが関係しているように思える。今回発表されたレポートの中には遠回しな表現もいくつか見られたが、注目すべきは同社の総登録者数の約半数が海外ユーザーで、「2017年の年間決算では海外市場が利益に貢献するだろう」と予測している部分だ。後半は少しわかりづらいものの、とにかく海外事業が予想よりもうまくいっているということは間違いないようだ。
「コンテンツの人気を過小評価していたこともあり、第2四半期には全ての主要市場で予想よりも登録者数が伸びた」と四半期報告書には記されている。
Netflixが1月に発表した昨年の登録者数の純増は、国内が200万人、海外が500万人で、これも当時の投資家予想を大きく上回っていた。同社はコンテンツ制作にかなり力を入れているが、国内市場が飽和状態に近づくにつれて、海外ユーザー数を増やす方法を模索しなければならなかった。最近では『3%』をはじめとするオリジナルコンテンツの制作が功を奏し、海外市場での勢いも順調だと語っている。
四半期報告書によれば、第2四半期の収益は27億9000万ドル、EPS(1株あたり純利益)は15セントだった。一方、アナリストの予想は収益が27億6000万ドル、EPSが16セントだった。収益面ではほぼ予想通りだが、(繰り返しになるが)ここで重要なのは登録者数だ。
高品質なオリジナルコンテンツ制作の努力は、実際に実を結びはじめているようで、今年のエミー賞にもNetflixのオリジナル作品がいくつもノミネートされていた。しかし、エミー賞ノミネート作品をうまく活用することで、同社はまだまだ登録者数を伸ばせられるだろう。海外市場は需要過多の状態にあるため、国内外両方のユーザーにとって魅力的なコンテンツを制作している企業だという評判を確立できれば、それも難しい話ではないはずだ。ちなみにNetflixは、今年だけで60億ドルもの資金をオリジナルコンテンツ制作に投じる予定。次から次へと新しいコンテンツを求めるユーザーのことを考えると、この数字は今後さらに増えていきそうだ。
[原文へ]
(翻訳:Atsushi Yukutake)