Netflixがテレビ向け高音質オーディオの配信を発表

米国時間5月1日、Netflixはストリーミングサービスの音質を向上させる新機能を発表した。同社が「高音質オーディオ」のサービスを開始したことで、5.1chまたはドルビーアトモスのいずれかに対応しているテレビデバイスでより高いビットレートのオーディオを体験できる。高音質オーディオはテレビデバイスの視聴者向けに同日から提供開始となっている。

5.1chでは192kbps(良い)から640kbps(優れている)まで、ドルビーアトモスでは448kbpsから768kbpsまでのオーディオを提供する。ただしドルビーアトモスを利用できるのはプレミアムプランのメンバーのみ。

Netflixは、今後も引き続きエンコーディング技術の効率を高め、ビットレートを進化させていくとしている。

Netflixのテクニカルブログではこの機能を詳しく解説している。それによれば、高音質オーディオはロスレスではないが「知覚的に透明」、すなわちオーディオは圧縮されてはいるもののオリジナルの音源と区別がつかないとしている。

Netflixは高音質オーディオが登場した背景も紹介している。2017年に「ストレンジャー・シングス 未知の世界2」で音質の問題があり、カーチェイスのシーンが鮮明に聴こえなかった。そこで同社の音響の専門家とエンジニアが向上に取り組み、オーディオのビットレートを上げることで問題を解決した。それ以来、改善された音声をより広く提供するよう取り組んできたという。

同社は発表の中で「なかなか気づかれない音の微妙な違いは、シーンの雰囲気に大きな影響を与え、視聴者の反応を根本的に変える力を持っています。クリエイティブパートナーのビジョンをサポートし、実現することはNetflixにとって非常に重要であり、その中でも音声に非常に注力しています」と述べている。

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(翻訳:Kaori Koyama)