Netflixの第3四半期の新規会員数は予想を下回る220万人、新型コロナ需要の反動で伸び鈍化

新型コロナウイルスのパンデミックによりNetflix(ネットフリックス)の会員数は2020年初めに急増したが、その成長は現実の世界に戻った。

今年第1四半期に1577万人が新たに会員となり、第2四半期は1009万人が加わった。そして第3四半期にはその数は250万人となると予想していた。

米国時間10月20日に同社が発表した四半期決算では、第3四半期の新規会員数は同社の目標に届かず220万人にとどまり、全会員数は1億9500万人となったことが明らかになった。同社は第4四半期に600万人が新たに会員となると予想している。2019年同期は880万人の増加だった。

「直近の投資家向けレターで強調したように、上半期の記録的な有料会員の増加により下半期の成長は緩やかになると考えています」と同社は株主へのレターで説明した。「目標を達成すれば、2020年は過去最多の3400万人が有料会員となり、これは2018年の2860万人を大きく上回ります」。

同社ははまた「リテンションは健全なままであり、会員世帯あたりの利用は前年をしっかり上回っています」とも説明した。

パンデミックによりNetflixのユーザー数の増加は加速したが、安全を確保するために作品の制作は止まった。これは作品公開スケジュールの後ろ倒しを意味する。ただ、多くの番組や映画が制作途上にある中で、Netflixの作品公開遅れはさほど目立つものではない。

制作が再開し、Netflixは実際には3月中旬以降、50作品の主な撮影を完了し、今年末までにさらに150作品の制作を完了させる計画だと話した。

「Stranger Things(ストレンジャー・シングス 未知の世界)」の第4シーズン、「The Witcher(ウィッチャー)」の第2シーズン、アクション映画「Red Notice(レッド・ノーティス)」(Dwayne Johnson、Gal Gadot、Ryan Reynoldsが出演)の制作も再開した。

今回の決算発表では、第3四半期にリリースされたいくつかの番組と映画の視聴者数も明らかにされた。視聴を選んだ人数は「The Umbrella Academy(アンブレラ・アカデミー)」の新しいシーズンが4300万人、「Ratched(ラチェッド)」は4800万人、「The Social Dilemma(監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影)」が3800万人、Charlize Theron(シャーリーズ・セロン)のアクション映画「The Old Guard(オールド・ガード)」は7800万人だった。Netflixの『chose to watch(視聴を選択する)』という数字は番組を最低2分視聴した会員数のことだ。

【アップデート】共同CEOのTed Sarandos(テッド・サランドス)氏は、投資家インタビューの中で最近の制作状況について語り、「世界中のほぼ全域で100%近いオペレーションを展開しています」と述べた。2021年の公開計画については、いくつかの遅延と「わずかな例外」はあるものの、ほぼスケジュール通り展開できる見込み、とも話した。

そして新型コロナ陽性者が出たためにいくつかの番組の制作を中止しなければならなかったが、サランドス氏は「大事なのはいかにすばやく安全に再開できるかです」と語り、想定の範囲内であるとの考えも示した。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Netflix決算発表

画像クレジット:Jaap Arriens/NurPhoto

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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