2ヵ月ほど前、NFLはチームによるゲーム中のソーシャルメディア投稿を厳しく制限するルールを定めた。当然のことながら、反対意見が相次いだ。チームはもちろんファンも、ソーシャルメディアの有効性を否定するかのような決定に不満をつのらせていた。NFLとしては、視聴率の低迷をなんとかしたいという判断で行ったものだった。
しかしどうやら、NFLは制限を緩和する方向に転換することとしたようだ。Yahoo Financeが入手した各チーム宛のメモには、ファンとの交流にソーシャルメディアを使うことを制限付きで認める旨が記されている。
以下にNFLのソーシャルメディア・ポリシーの変更点を記しておこう。これも先述のYahoo Financeが入手した情報によるものだ。
- 各チームは試合中にも「non-highlight」ビデオをソーシャルメディアに投稿することができる。これまでは、試合中にはいかなるビデオ投稿も行うことができなかった。「non-highlight」とは、プレイの様子を映したものはNGであるという意味だ。ただ、ハーフタイムショーの様子や、ファンの姿などは投稿できるようになったわけだ。
- 試合中に投稿できるビデオは、各ソーシャルメディア・プラットフォーム毎に16件ずつとなった。これまでは最大8投稿までとなっていたのが倍増したことになる。
- 試合中であっても、独自のGIF画像を投稿できるようになった(プレイの様子を映したものは投稿できない)。これまではゲーム中の様子を示すいかなるGIFも投稿することができなかった。どうしてもGIFを投稿したい場合には、特定の試合に関連しないGIFを投稿することになっていた。
- Snapchatへの投稿は、試合中5件まで認められることとなった。これまでは、ゲーム中の投稿は一切認められていなかったのが緩和されることとなる。これにどのような意味があるのかはまだわからないが、テレビおよびNFLの公式投稿以外では、Snapchatが唯一ゲームの様子を見られるメディアということになる。
- ルール違反に対する巨額の罰金は継続される。すなわちプレイの様子をライブでソーシャルメディアに投稿するようなケースでは、10万ドルもの罰金を課される可能性がある。
なお、Yahoo Financeが入手したというメモにはGiphyとの「試験運用の同意」についても触れられている。NFLゲームの公式や、過去の名シーンのGIFなどを提供していく予定なのだとのこと。
この件についてはGiphyに詳細を確認しているところだ。NFLが制作したGIFを公開するプラットフォームとなるようで、新たにゲーム中の様子をGIF化して公開/保存するというわけではないようだ。
今回の新しいルールでも、各チームは試合中の様子をGIF化して公開するようなことはできない。ゲームの様子をソーシャルメディアに投稿するには、NFLが制作したものを投稿するしかない。NFLが「公式」コンテンツを投稿するまで各チームは何のアクションも取れないわけで、これは依然としてチームの不満をよぶ要素ではある。
NFLも1試合しかないような場合には、即座にゲームの様子をGIF化する努力を行なってはいる。しかし試合が8つも重なるような場合にはGIF動画をつくるのにも時間がかかる。また、チームが公開したいと思う場面が、NFLの意向と一致しないケースも多い。そのような場合には、NFLに依頼して作ってもらう必要がある。当然ながら時間がかかることとなるわけだ。
とにもかくにも、ルール変更により各チームはこれまでより多くの情報をソーシャルメディアに投稿できるようになった。今後の話し合い次第では、プレイの様子を投稿できるようにもなるのかもしれない。
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(翻訳:Maeda, H)