NFTカードゲームとウォレットのHorizon Blockchain Gamesはブロックチェーンの大衆化を目指す

Horizon Blockchain Gamesは、その名のとおりブロックチェーン上にゲームを開発している企業であり、そのためのツールも提供している。

同社は米国時間7月29日、新たに450万ドル(約4億9000万円)を調達したことを発表し、調達総額は1300万ドル(約14億3000万円)強になった。

Horizonの最初のゲーム「Skyweaver」は、デジタルトレカのゲームで、ブロックチェーンを利用してプレイヤーに、バーチャルカードのリアルな所有権を与える。他のプレイヤーに勝ったら、そのカードは売ったり交換したりシステムから取り去ったり、ストレージに置いたりできる。

以前、Horizonについてこう書いたことがある。

Horizonは2つの事業に並行して取り組んでいる。1つ目は「Arcadeum」というイーサリアムベースのプラットフォームを構築してゲーム内のアイテムを扱うことだ。アイテムのインスタンスを取得したら、そのアイテムを実証できるかたちでプレイヤー間で交換、販売、贈与できるようにする。プレイヤーが所有したアイテムはそのプレイヤーのもので、使用、交換、販売をすることができる。Horizonが取り上げることはできない。ゆくゆくはこのプラットフォームを他のデベロッパーが利用できるように公開する計画だ。

もう1つは、自社でのゲーム開発だ。「SkyWeaver」というデジタルトレーディングカードゲームは、同社を成長させるものであるのと同時にプラットフォームの見本でもある。

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上の「Arcadeum」では「Sequence」と改名され、統合を簡単に行えるウォレットシステムとして、ブロックチェーンの複雑さにおさらばすることを狙っている。同社は、ユーザーがそれを使ってブロックチェーン上でデジタルグッズを買ったり保存したりすること、その際ユーザーやアプリのデベロッパーはブロックチェーンについて何も考えないことを期待している。Horizonの共同創業者であるMichael Sanders(マイケル・サンダース)氏によると、改名は全体的なフォーカスを広げるために行った。「Arcadeum」内の「Arcade」は、ゲーム関連であることを示すが、同時に、デジタルゲームのバーチャルグッズからNFTアートなど、あらゆる種類のデジタルアートの管理を助ける。

Horizonのチームは「Web3」をサポートするために開発したとよくいう。最近この言葉を何度も聞かされた。私の理解力の範囲内で手短にいうと「Web3」はオンラインでしかも分散化されたアプリやサービスやゲームがブロックチェーン(この場合はEthereum)を軸に構築され、個々のユーザーが自分のデータをより完全にコントロールできるようになる、という新しいカテゴリーのことだ。イーサリアム財団のウェブサイトに、そのコンセプトの解説がある。

Skyweaverの対戦(画像クレジット:Horizon Blockchain Games)

Horizonは当初、2020年にはSkyweaverをさらにオープンにするつもりだった。しかし、それは今朝ですら非公開ベータで、オープンになるのは2021年後期の予定だ。サンダース氏によると、現状でプレイヤーは6万6000人ほどいる。

今回のラウンド(「プレシリーズAラウンドSAFE」)には、CMT Digital、The Xchange Company、BITKRAFT Ventures、Khaled Verjee(ハレド・ヴェルジー)氏、Zyshan Kaba(ザイシャン・カバ)氏などが出資しているとのこと。

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カテゴリー:ブロックチェーン
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(文:Greg Kumparak、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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TechCrunch Japan

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