Paper、iOS版が米国向けに公開。これはFacebookアプリに代わるかもしれない

Facebookの新しいスタンドアロンアプリ、PaperのiOS版が米国で公開された。これは単なるコンテンツリーダーではない。Paperにはメッセージ、通知、検索、そして全面デザイン改訂されたプロフィールもある。

Paperのチームリーダーたちに、まだ古いアプリを使っているかと尋ねたところ、プロダクトマネージャーのMichael Reckhowは、官僚的に「えー、まあ」と答えたが、デザイナーのMike Matasは恥かしそうに笑うばかりだった。私は追い打ちをかける彼だけに同じ質問を繰り返し尋ねた。「たまにね」。彼は秘密を漏らした。PaperはFacebook[アプリ]キラーになる。

「主としてこれ[Paper]を使っている」とMatasは続けた。「これにない機能もあって、エー・・・。そうイベントが良い例で、イベントを探したい時とか」。私はさらに圧力をかけた、「しかし、それ以外はこれで十分だと?」「私の使い方では、そうだ」とMatasは答えた。

先週の木曜にFacebookは今日のPaper公開について発表した 。詳しい機能とこれが何を意味するかについては、ここに書かれているが、これは事実上、Facebookから特定目的ごとにモバイルアプリのファミリーが巣立っていくという、CEO Mark Zuckerbergが描くビジョンの次期ステップだ。

Facebookのスタンドアロンアプリへの新しい取り組みである「クリエイティブ・ラボ」の一環として作られたPaperでは、様々なコンテンツ「セクション」を選んで一種のデジタル新聞[Paper]に追加できる。そうすれば、デザイン改訂されたニュースフィードやPaperセクションで、友達や主要出版社や有名人や新進気鋭のコンテンツ作者などからの記事を、スタイリッシュなフルスクリーン・フォーマットで読むことができる。Paperには、コンテンツをシェアする際、投稿した記事が他のユーザーからどう見えるかを正確に表示するビジュアル・コンポーザーもある。

Paper for iOSはiOS 7以降を使用している米国ユーザー向けに無料公開中。Facebookは、iPadあるいはAndroid版については現時点での計画を発表していない。アプリ名はいくつかの既存アプリと重複しており、FiftyThreeが開発したドローインングアプリもその1つで、同社はFacebookに対して、新アプリの名称変更を申し入れた。[アップデート 11:15am PST:Facebookは「ノーコメント」としながらも、この名前を継続して使用する、なぜならFiftyThreeが商標登録したのは “Paper By FiftyThree” であり “Paper” ではないからだとしている。]<

先週金曜日(米国時間1/31)に1 Hacker WayへPaperのデモを見に行く時、数多くの魅力的なアニメーションや次世代のUIトリックが見られることはわかっていた。しかし私は、われわれがどうPaperを使うかよりも、これがFacebookメインアプリの使い方をどう変えるかの方に関心があった。同社経営陣の一部はFacebookアプリから完全にPaperに移行したとか、Paper開発チームのメンバーは自分のiPhoneに旧Facebookアプリを何ヶ月もイントールしていないという噂を聞いている。

Zuckerbergは間違いなくPaperを喜んでいるようだ。Reckhowが私にこう言った、「彼はすごく気に入っているし、実際使っている。ぼくらと同じようにこの公開を喜んでいる。彼とはしょっちょう会っていて・・・いつもフィードバックをくれる。彼がはっきりとわれわれに求めたのは、コンテンツをもっと広く考え、これまでのコンテンツのブラウジングの先を考えろということだった」

Reckhowはこの公開に関して控え目で、ダウンロード数や利用率に関する目標は設定していないが、みんなに愛される物を作りたかったと言った。

「人々がAppStoreに行き、このアプリが自分の生活やホームスクリーンにどうフィットするかを考え、インストールして、使ってみて、これまでの体験が影響を受けることなくFacebookの正しい使い方を知る。そんな場面を見ることができる、すはらしい機会を得られた。われわれの仕事は、『これがたった今Facebookを使うべき方法です、全員が同じやり方で使うべきです』、と言うことではない」。

しかし、MatasとReckhowは、Paperがどうやって現在のFacebookアプリに欠けている点を改善するかについては遠慮がなかった。Matasはこう言った。

「私が置かれていた状況はこうだ。グランドキャニオンで日没を見ながら、『これは今まで見た中で一番美しくと驚くべき光景だ。みんなにシェアしなければならない』。写真を撮ってFacebookにアップする。画像は超小くて粒子も粗く、作品の魂は完全に抜かれている」

Paperは、このコンテンツに本来の表現方法を与えるためにスタートした。しかしその審美感は写真以外にも浸透した。メッセージと通知はPaper画面の上に開き、元の画面を追いやらない。プロフィール、Facebookページ、イベントは完全なモバイル第一のデザインになり、画像とスワイプ可能なフルスクリーンカードを中心として最も重要な画像を見せる。不要なものはすべて取り去られた。最終的にPaperは、本格的だが簡素化されたFacebookクライアントとして、このソーシャルネットワークの美的部分に新たな焦点を当てた。

もしPaperが人気になりすぎて、みんなのデフォルトFacebookモバイル体験になったらどうするか? Reckhowはこう答えた、「それは嬉しい悩みです」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


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TechCrunch Japan

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