Pinterestは、レシピやバーチャルイベントなど外出自粛中の活動を整理しやすくする新機能を導入する。日付やメモをボードに追加できるほか、機械学習テクノロジーの助けを借りてボードのピンを自動で整理する機能もある。
Pinterestのプラットフォーム上では、外出自粛期間中に特定の種類のアクティビティが増加していると確認されている。例えば、サイト上でバーチャルイベントの計画を立てる人が50%以上増えた。バーチャルの誕生パーティー、出産祝い、教育活動などだ。
一方、自粛期間終了後の計画を立てる人々もいて、作成されたボードの数は前年の同時期と比べ60%増加している。ボードのエンゲージメントも前年比で75%近く、月ごとでは50%近く上昇している。
ボードにメモを追加できるようになったため、Pinterestユーザーは保存したものに自分用の注釈を付けられる。ピンしたレシピの材料、プロジェクトのタスク一覧、To Doリストなど、何でもメモすることができる。
また、ボードに日付も追加できるようになった。これはプロジェクトの計画だけでなく、ボードを日付で整理するためにも役立つ。日付を記録してあれば、プロジェクトが終わってアーカイブする古いボードをすぐ見つけられるようになるだろう。
さらにPinterestはボードのテクノロジーをアップグレードし、セクションの追加を提案するようになった。
例えば「子供」「アクティビティ」といった意味の広いボードがあると、Pinterestが「アートのプロジェクト」「屋外のゲーム」などとセクションを分けてピンを整理するよう提案してくることがある。新しいボードを作り、最初のピンを保存するとすぐにセクションを追加するように勧められることもある。
Pinterestによると、ピンをどのようにグループ化するかを判断するため、保存されている膨大なデータに、機械学習と同社のPinSage技術を組み合わせている。似たようなピンを正確にまとめ、ユーザーがボードをどのように整理したいかを予測しなくてはならないため難しい課題だと同社は述べている。
ボードの新機能は、米国時間5月6日から世界中でウェブ、iOS、Androidに対して公開が開始されている。
今回の新機能は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大後に変化した利用者の行動にPinterestが対応しようとするものだ。利用者は、当面は旅行や人と会うイベントの計画を立てなくなり、代わりに子供の自宅学習やバーチャルイベントなど自粛に関連するアクティビティを整理するためにボードを使っている。
この新機能の公開前日である米国時間5月5日、Pinterestは新型コロナウイルス感染拡大の中でも第1四半期は堅調だったと発表した。同社の売上は前年比35%増の2億7200万ドル(約290億3000万円)、ユーザーベースは前年比26%増の3億6700万人で、ともに予測を上回った。ただし株価は、9セント下落の予測に対し、10セント下落した。
CNBCの記事によれば、ウォールストリートはPinterestのユーザー数の伸びには満足していない。米国でのユーザー数の増加は、2019年第4四半期は前年比8%増だったのに対し、2020年第1四半期は前年比6%増だった。年間ベースで前年比26%の成長は2019年第4四半期と同じで、つまり成長の度合いは増えていない。2020年3月にPinterestが発表した新型コロナウイルス関連の利用状況や、FacebookやSnapchatといった他のソーシャルプラットフォームの成長を考えると、期待を下回っている。
Pinterestは新型コロナウイルスに関連して広告が減少していることから、今後は厳しいとの見通しも明らかにしている。
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(翻訳:Kaori Koyama)