Qualcomm製品を搭載した中国の複合現実スタートアップNrealが42.5億円を調達

中国で最も注目されているMR(複合現実)のスタートアップであるNrealが、高名な投資家たちのグループからシリーズBで4000万ドル(約42億5000万円)を調達した。これにより同社のポータブル拡張ヘッドセット(未訳記事)の普及が、さらに進むと期待されている。

中国版TikTokのDouyinとライバルであるKuaishouがこのラウンドをリードしたことで、既存の投資家である中国のNetflixと呼ばれるiQiyiに続きNrealとの連携を確立するビデオプラットフォームがまた1つ増えた。世界中の他の主要な動画ストリーミングサイトと同様に、KuaishouとiQiyiは拡張現実コンテンツの制作に取り組んでおり、ハードウェアパートナーの確保は彼らの初期的な実験に役立つことは間違いない。

この他にも、国有金融持株グループのShanghai International Groupや中国の大手映画スタジオであるHengdian Groupを投資家とするGP Capital、国有通信機器メーカーのChina Electronics Corporationと国有の投資銀行である中国国際金融(China International Capital Corporation)が設立したCCEIF Fund、著名なプライベートエクイティ会社のHillhouse Capitalが設立したアーリーステージファンドであるGL VenturesやSequoia Capital Chinaといった、業界の豊富な資金力を持つ企業がこのラウンドに参加している。

2019年初めにNrealはXiaomi創業者のベンチャーファンドであるShunwei CapitalからシリーズAの1500万ドル(約15億9000万円)を調達した。当時、私が書いた(未訳記事)ようにAR、VR、MR、XRは、XiaomiのIoT帝国にとって重要なピースになることは間違いない。スマートフォンの超大手企業であるXiaomiが将来的にいずれNrealにスマートグラスを求めるであろうことは、火を見るよりも明らかだ。

創業3年の企業であるNrealにとって、その他の重要なパートナーはQualcommだ。このチップメーカーはは中国における5Gの展開に積極的に貢献し、中国の大手スマートフォンメーカーの次世代ハンドセットに採用されている(Qualcommリリース)。Nrealの軽量MRグラスに対してもクアルコムはSnapdragonプロセッサーを供給し、それらが容易にAndroidスマートフォンに接続できるようにした。

ARとVRに関するコンサルタントであるSeewan Toong(シーワン・トン)氏は「クアルコムと親密になったNrealは同社の顧客ネットワークにアクセスできるようになっており、その中には通信企業もいる」と語る。

それどころかこの複合現実技術を開発するNrealはすでに日本の通信企業であるKDDIと契約(KDDIリリース)し、韓国ではLGの携帯キャリアであるLG Uplus Corp(The Korea Herald記事)と提携している。

今回の最新ラウンドで、Nrealの総調達額は7000万ドル(約74億4000万円)を超え、同社によると5G時代における複合現実技術の大量採用が加速されるという。

Nrealがどのようにしてその約束を果たし、大規模でユーザーを確保し、大手テクノロジー企業の複合現実におけるのシンボルのような役割を超えていくのかは、今後の課題となっている。

これまでのところ、大手通信企業との取引はNrealと法定で争っていた(Engadget記事)Magic Leapの取引を思い出させるが、中国の企業はまだ現金を使い果たしていないように見える。その一方で、問題を抱えた米国企業は、消費者市場の開拓に失敗した後、エンタープライズ指向へと方向を変えている(未訳記事)。

「Nrealは忍耐づよく、大量販売ができることを示すために急いでいるわけではない。現在、同社はその技術にユーザーシナリオがあることを証明しようとしている」とトン氏はいう。

カテゴリー:VR / AR / MR

タグ:中国 Nreal 資金調達

画像クレジット: Nreal

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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