RivianがIPOで調達した資金のうち5650億円をジョージア新工場とバッテリー技術に投資

Rivian(リビアン)は、株式公開時に調達した137億ドル(約1兆5500億円)の一部をジョージア州の第2工場建設に回す。同工場は同社のイリノイ工場の2倍の生産能力を持つ。

米国時間12月16日に最初の決算報告の一部として発表した同社は、資金をイリノイ州ノーマル工場のEV生産能力を年間15万台から20万台に拡大するためにも使うという。第2工場はアトランタの東、モーガン郡とウォルトン郡に建設され、年間生産能力目標は40万台だ。

ジョージア工場ではバッテリーセルの生産も行う。建設は2022年夏に、生産は2024年に開始する見通しだ。同社は株主向けの書簡で、持続可能な事業運営、人材プール、サプライチェーンや物流への近さなどを総合して、この地を選んだと述べた。

「ジョージア工場は、持続可能な輸送手段の大規模な導入を加速するという当社の目標にとって、極めて重要になります」と書簡で述べた。さらに、同工場は同社の次世代車両の生産にも使われると付け加えた。

短期的には、次世代自動車の設計・開発にも資金を投入する。Rivianには現在、消費者向けのピックアップ「R1T」とSUV「R1S」、そして商用バンの3車種がある。同社の株式を20%以上保有するAmazon(アマゾン)は、Rivianにとって最初の商用バンの顧客で、まず10万台の注文を受けた。

また、Rivianは垂直統合に多額の投資を行うが、これは同社と創業者でCEOのRJ Scaringe(RJ・スカンジー)氏の過去数年間の戦略に従っている。具体的には、バッテリーセル化学の開発、原材料の調達、自社でのセル製造など、バリューチェーン全体にわたってバッテリー技術に投資するつもりだと、同社は株主向け書簡で述べている。そこに掲載された図を見てみると、こうした垂直統合の野望がよくわかる。

画像クレジット:Screenshot/Rivian

書簡によると、電気駆動システムも投資の優先順位の1つになるという。その目的は「より高い性能、改良されたパッケージング、低コストを提供する自社製の将来のドライブユニット」を進化させることだという。

売り上げの創出がTo Doリストの冒頭にくることはいうまでもない。Rivianは、顧客との関わりと体験に投資を続けることによって売り上げを増やす計画だ。その中には「体験スペース」、消費者向けのRivian会員プログラム、商用顧客向けのFleetOSというブランドのデジタル車両管理ソフトウェアなどが含まれる。

Rivianは、車両サービスと充電インフラの整備を計画していると明らかにした。2021年末までに60台以上の移動式サービスバンを稼働させ、カリフォルニア、コロラド、イリノイ、ニューヨーク、ユタ、ワシントンに8つのサービスセンターを設置する予定だという。

画像クレジット:Kirsten Korosec

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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