爆発、リコール、および数ヵ月に渡るマスコミでの悪評を経て、SamsungはあのGalaxy Note 7物語の幕引きをはかるべく、約束していた内部調査の結果をようやく公表した。
Samsungのモバイル事業責任者、DJ Kohはソウルで行われた満員の記者会見で、顧客とビジネスパートナーに対して「深く」謝罪した後、300万台販売されたNote 7端末の約96%が既に回収されたという、多少明るい情報も発表した。
続いてKohは同社の内部テスト方法について説明した。Samsungは爆発の原因を切り分けるために専用のテスト設備を作り、有線、無線のテスト、瞳孔スキャン、およびUSB-Cコネクターのテストを行った。いずれの方法によっても原因を特定することはできなかったが、同社は今後の安全対策を特に慎重にすると語った。
テストによると、事故の原因はバッテリーにあり、数週間前から出回っていたリーク情報の通りだった。Kohによると、「事故の主要な原因は陰電極のゆがみ」が初期ロットのバッテリーに見られたほか、第二期ロットからは、溶接の際に起きたショートによる融けた銅も発見された。
ちなみにSamsungは700人を越える社内テスト担当者を動員したと言っている。さらに「バッテリー諮問グループ」のメンバーとして外部テスト要員も加わった。認証機関であるULの消費者事業部門責任者、Sajeev Jesudasaも同じ結論に達したと見られ、バッテリーセルの上部に欠陥があることを指適した。
Jesudasは、回路のショートにつながる設計ミスの可能性をいくつか挙げた。高いバッテリー密度、稚拙な溶接、絶縁漏れ、鋭利な刃物等が考えられる。「引き続き調査を続ける必要があるというのがULの結論」と付け加え、原因の根幹は設計と製造にあると指摘した。
続いてExponentの主任研究員、Kevin Whiteが説明した。その中でWhiteは、Samsung自身の発見と同じく陰電極の問題を指摘した。結局、製造上の問題から複数の陰電極間に十分な間隔がなく、折り曲げる結果となりその際に正負の電極が接触してショートおよび発熱につながった。
「電子回路は、いずれのメーカーのバッテリー欠陥の原因でもなかった」とWhiteは付け加えた。
最後に、ドイツの客観的独立テスト組織、TUV Rheinland AGの製品担当執行副社長、Holger Kunzが壇上で説明した。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)