SamsungがIoTのための専用ネットワークSigfoxの巨額資金調達に参加…自らのARTIKプラットホームのベースに

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Sigfoxの1億1500万ドル(1億ユーロ)という巨額なラウンドは、まだ終わっていない。今日(米国時間6/15)はSamsungも記者会見で、このフランスのスタートアップへの投資を発表した。同社による追加投資の額は公表されていないが、情報筋によると、さらに二社が、Sigfoxの現在のラウンドで投資をしている。うち一社は、Samusungクラスの大手テク企業だそうだ。そこからの発表も、いずれあるだろう。

今日の記者会見は、Samsungが同社の新しいプラットホームARTIKを紹介するビッグツアーの一環だ。ARTIKは、インターネットに接続されるオブジェクトのためのハードウェア+ソフトウェアのソリューションで、そんなオブジェクトの専門企業を顧客としてねらっている。汎用ボード製品やセンサ、関連チップなどでSamsungは、IntelやQualcommと競合することになる。

Samsungの社長でCSO(Chief Strategy Officer)のYoung Sohnはこう述べる: “Sigfoxに投資をしたが、より重要なのは同社が弊社のパートナーであることだ。すなわち、ARTIKのデベロッパキットにはSigfox互換のハードウェアチップが含まれていて、そのまますぐに、Sigfoxのネットワークを使って仕事ができる”。

フランスのスタートアップであるSigfoxは、インターネットに接続されるオブジェクトのため専用の、ローコストなセルラネットワークを作っている。このネットワークを介して小さなオブジェクトがSigfoxのサーバと会話する…その電池はとても小さく、そしてハードウェアは安い。たとえばSigfoxのネットワークのユーザであるWeenatは、ライブのデータファーミングのためのセンサを作っている。それらの、電池効率が良くて長時間稼働するデバイスを、今の(主に携帯電話用の)セルネットワークで実効的に使用することはできない。

10年間Arevaを統率してきたAnne Lauvergeonが、2014年に同社の取締役会に加わった。今回の資金調達は彼女の手腕、という噂もある。たしかにそれは、Sigfoxの従来の資金調達のやり方と違う。同社はVCに頼るというよりも、キャリアや大手上場企業に直接働きかけて、彼らに投資機会を提供してきた。現在のラウンドの投資家にも、スペインや韓国、日本などのキャリアの名が見える(Telefonica、SK Telecom、NTT DOCOMO)し、またフランスの大企業GDF Suez(今はEngie)、Air Liquide、Eutelsatなども加わっている。

Samsungは今日、クラウドサービスやそのほかのソフトウェアサービスの拠点として、パリにイノベーションセンターを開く、と発表した。“実はわが社は、フランスにおけるテクノロジ産業への取り組みがとても活発だと考えている。Samsungとしても、そのお仲間に加わらないという選択肢はありえない。今後も、フランスにおける投資を継続していきたい”、とSohnは語った。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa