SamsungのGalaxy S5がはされた。5.1インチ、1920×1080ディスプレイを備えサイズはファブレットのジャンルに近いた。ホームボタン上に指紋センサー、裏側のフラッシュの近くに心拍モニターがあり、おそらくこれがもっとも実用的に効果が大きい改良点だろうが、防塵防水仕様〔IP67準拠・訳注参照〕となった。
このAndroid 4.4 Kitkat搭載フラグシップモデルは筐体デザインの面では現行モデルをほぼ踏襲している。やや大きなスクリーンを収容するために若干サイズが増加しているが、依然プラスティックのボディーだ(金属採用の高級版も存在する)。指紋スキャナー、心拍モニターはハードウェア上の大きな新機能だ。Galaxy S5はヘルスとフィットネスに大きな重点を置いているようだ。AppleのiOSの次世代版もこの方向だと噂されている。またS5ではカメラの能力も大きくアップした。
心拍モニター
alaxy S5では、モニターで計測した心拍情報をSamsungのフィットネス・アプリS Health 3.0に転送する。このアプリは歩数と消費カロリーのモニターもできる。また指先に取り付ける光学式心拍モニターも今回同時に発表されたSamsung Galaxy Gear 2スマートウォッチに用意されている。
指紋スワイプで支払い
もう一つの重要な新機能は指紋スキャナーだ。またしてもSamsungがAppleをコピーしたと非難する声も出そうだが、このスキャナーはiPhone 5のものとはまったく異なる。3種類の指紋を登録することができ、登録には8回のスワイプが必要だ(Appleのスキャナが指を押し付ける方式なのと異なり、Galaxy S5のものは指をボタンの上で滑らせるタイプ)。指紋認証は画面ロックの解除はもちろん、PayPalでのオンライン支払にも使える。
指紋認証でPayPalが利用できるということはオンラインでの購入だけでなく、リアル店舗での支払にも使えるということだ。Samsungはモバイル支払サービスを大幅な拡大できる可能性がある。もちろんそのためには使いやすいサービスの構築が必要だし、偽造その他の不正に対する耐性が十分かどうか検証されねばならないだろう。
またスワイプによる指紋認証でプライベート・モードを起動することができる。Galaxy Sのプライベート・モードでは、自分専用のファイル、フォルダーにアクセスできる。子供や他人に見せたくないコンテンツをモバイル・デバイスに保存しておけるようになったのはたいへん便利だ。
4Kビデオ、撮影後に焦点変更可能
カメラにも大幅な改良が加えられた。リアカメラは1600万画素で動画の録画解像度は4K対応だ(デバイスに搭載されているディスプレイは1080pなので解像度としては約4分の1)。Galaxy S5は最初の4Kビデオカメラ搭載モデルではないが、少数のアーリーアダプターの一つであることは間違いない。4Kテレビが普及期を迎えており、4Kコンテンツへの消費者の需要が高まっている現在、これは大きなセールスポイントになる。この調子だとホームビデオの画質が放送番組の画質を上回ることになりそうだ。
新カメラにはiPhone 5のようなスローモーションが備えられた。また高価でかさばるLytroのような撮影後に焦点を変更する新機能が追加された。モバイル撮影マニアを大いに喜ばせそうだ。撮影後後の焦点変更も今年の新機種のトレンドになりそうだが、メジャーブランドとしてはSamsungが一番乗りしたことになる。
オートフォーカスは高級デジタル一眼で標準となっているコントラスト検出と位相差検出の双方を用いるハイブリッド方式になった。Samsungによれば、合焦にわずか0.3秒しかかからず、スマートフォンのカメラとして過去最速だという
その他の仕様
その他S5のmicroSDスロットは、最新の128GBのSDカードをサポートする。またLTEとWi-Fiの双方を利用して高速でダウンロードができるダウンロード・ブースターも搭載された。
2.5GHzのSnapdragon 800、クオドコア・プロセッサー、2GBのRAM、NFC、LTE、Bluetooth 4.0、16GBまたは32GBのストレージなどは標準的だ。その他画面表示をモノクロにする省電力モードが用意されているのが面白い。4月11日に世界150か国で同時発売を予定しているという。
〔訳注:IP67とは国際規格で防塵6等級、防水7等級を意味する。防水能力としてJIS規格7等級相当となる。日本では通常「完全防水」と表示される。〕
[原文へ]
(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)