SoftBank Groupはやっと不動産事業でテクノロジーに投資する気になったようだ。
44億ドルをWeWorkに投資したSoftBankだが、この会社は本質的にオフィス・スペースの短期賃貸業務だ。4億5000万ドルを投じた Compassは金持ちのためのZillowだろう。しかし日本の巨大投資会社が今回リード1億2000万ドルの投資ラウンドをリードした対象はLemonadeだ。これは家屋の賃貸者と居住者の双方に保険を提供するスタートアップだ。
既存投資家、Alphabetの投資会社GV、有力ベンチャーキャピタリストのGeneral CatalystとSequoia Capitalも今回のラウンドに参加した。
損保業務というのは非常に難しいビジネスで、データサイエンスのための広汎なデータ、業務を成り立たせる顧客数を必要とする。Lemonadeはスマートフォン時代の新しいテクノロジーと市場の状況を利用してゼロから新らたに損保業務に参入する企業のパイオニアの1つだ。
Lemonadeの保険約款策定業務の大部分はチャットボットを利用したコンピューター処理によって自動化が図られている(AI利用かどうかについては明言できない。なるほど複雑な業務であるが、単に効率的なアルゴリズムかもしれない)。
まずこの点で大幅なコストダウンが図られている。しかしLemonadeはまた保険契約者が損害請求を当って正直に申告することを動機づける興味あるビジネスモデルも採用している。ユーザーはアプリから保険契約を行う際、まずお気に入りのチャリティー団体を選定する。保険請求を行わなかったことによって生じた期末の利益の一部はこチャリティー団体に寄付されるという仕組みだ。
つまりユーザーは保険契約から生じた利益が、どこかの顔のない企業役員のボーナスを増やすのに消えるわけではなく、自分の支持するチャリティーを後押しするために使われると知っていれば、苦労して請求額を水増ししようとしなくなるだろう、というわけだ。
Lemonadeによれば、同社は今回調達した資金を「史上初の消費者の方を向いた保険会社として、こうした業務を世界に拡大するために利用する」ということだ。また2018年には新たな保険商品を開発して顧客に提供していくという。ただしLemonadeが進出を予定していない分野の一つは自動車保険だという。CEOのDaniel Schreiberによれば「確かに巨大な興味ある市場だが、条件が厳しすぎる」とのことだ。
「Lemonadeはすでに9万件の保険契約を持っており、保険の対象の物件の総額は数十億ドルに達する」とSchreiberは述べた。
長年無風だった損保市場にTrōv、Cover、Hippo、Swyfftなど、最近多数のスタートアップが参入を試みている。
SoftBank Groupの上級投資専門家、David Thevenonは「ビッグデータとAIをシームレスに結合して新たなユーザー体験を創出することによってLemonadeは損保業界に本当の革命を起こそうとしている」と声明に書いている。
ただしSoftBankの広報担当者は、「投資が完了するまで大部分の質問に対する回答を保留する。また当社の投資専門家は出張中のため現在コメントできない」と述べた。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook <A