最近ポッドキャストが見やすくなるようにデザインを微調整したSpotifyは、米国時間2月27日、モバイルのエクスペリエンス全体を新しくしたと発表した。まずはiOSアプリで無料とプレミアムの両方のユーザーに対し、一貫性があって操作しやすい外観、新しいアプリ内アイコン、カバーアートの表示の変更などを提供する。
新しいアプリにはシンプルで汎用的なシャッフル再生ボタンがあり、1回タップするだけで曲をシャッフル再生できる。
「お気に入り」「再生」「ダウンロード」といったプレミアムユーザー向けのアクションボタンは、これまでインターフェイスのあちこちに散らばっていたが、これからは画面下部にまとめられる。プレミアムユーザー向けのダウンロードボタンは、ポッドキャストをダウンロードする際に使うボタンと同じデザインに変更された。
アクションが1カ所にまとめられて直感的なエクスペリエンスになり、しかもSpotifyを片手で操作できるようになった。これまではアクションが画面の両側に分かれていたり右上にメニューがあったりしたので、片手で操作するのはまったくもって難しかった。よほど親指が長くない限りは、アプリを両手で操作する必要があったのだ。
新しいアプリはブラウズもしやすい。曲のカバーアートが、アルバム表示以外のどの画面にも表示されるからだ。そのため、曲のリストをスクロールするときに、タイトルの文字をいちいち読まなくてもよくなった。カバーアートをざっと眺めていけばいい。さらに、以前にお気に入りにした曲は、曲名の横にハートのアイコンが表示されるので、これも目印になる。
一つひとつの変更はささいなことだが、全体としての目標はSpotifyのアプリを使いやすくすることだ。これは、これまでSpotifyが苦手としていることだ。パーソナライズのテクノロジーが優れているとか、幅広いプレイリストがあるといったことは称賛されても、デザインは称賛されていなかった。すっきりとしていて明快に使えるデザインのApple MusicからSpotifyに乗り換えたユーザーは、Spotifyに欠けているものに気づく。
今回の変更でこの問題が解決されるかどうかはわからない。Spotifyは依然としてダークなテーマを使い続けているし、必要以上にごちゃごちゃしている。ポッドキャストを音楽と同じアプリに押し込んだのが、その主な理由だ。Appleはポッドキャストと音楽を別のアプリに分けている。しかし今回のアップデートで、これまでよりは少し使いやすくなった。これはグローバルな市場に拡大していく際には特に重要なことだ。世界中にいるモバイルの初心者ユーザーに受け入れられるには、シンプルなエクスペリエンスが鍵となるかもしれない。
iOS版の新バージョンは米国時間2月27日から順次公開されている。Spotifyは、Android版も近日中に新しいデザインになるとしている。
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(翻訳:Kaori Koyama)