ゲームのライブストリーミング・プラットフォームTwitch(Amazonの子会社)は業界で有名なゲームコミュニティーを運営するCurseを買収することで攻勢をかける。買収の詳細は公開されておらず、Twitchは公式発表以上のコメントは差し控えた。
Curseは多様なウェブサイトとサービスを運営している。その内のいくつかはここ数年内に自社開発したもので、その他のものは買収で獲得したものだ。2006年、CurseはWorld of WarcraftのMOD(改造データ)を提供するウェブサイトとして始まった。
World of Warcraftの全盛期は過ぎ去ったが、Curseは最新ゲームでも巨大なオーディエンスを惹きつけ、新たなコミュニティーを構築することができた。例えば、CurseにはLeague of Legends、World of Warcraft、NFLのゲームなどのデータベース、ガイドとなるウェブサイト、ゲームのニュースサイト、高いトラフィックを誇るMinecraft、ポケモン、Diablo III、Hearthstoneなどのゲームフォーラム、ゲーム版ウィキぺディアのGamePediaなどを運営している。Curseはさらに様々なゲームのMODのデータベースも要している。これは結構な分量になる。Curseのサイトには毎月3000万人以上が訪れている。
それに加え、最近同社はシンプルに「Curse」と名付けたコンピューター向けのプロダクトをローンチした。これはTeamSpeakの競合サービスで、オンラインの友人と待ち合わせ、一緒にゲームを楽しむためサービスだ。これにはチーム内でやりとりできるIRCに似たチャット機能やゲームをしながらチームメイトと作戦を立てるVoIP機能、TwitchやYouTube Gamingなどでストリーム配信を助けるストリームツールなどがある。
Twitchは自社のゲーム動画配信ソリューションにおいて、これらのアプリを活用することができるかもしれない。現時点でTwitchは ユーザーに対してサード・パーティー製のソフトウェアをインストールすることを薦めている。
また、この買収にはもちろんTwitchは巨大なゲームコミュニティーとともに活発なコミュニティーを育てる方法を知っている人たちも含まれている。本質的にTwitchの生死は、ゲームのストリーミング配信をする人と視聴者のコミュニティーにかかっていると言える。興味深いことにCurseとTwitchは同じニッチなユーザーを共有しているのだ。
Curseはメインストリームにあるゲームのニュースサイトとは競合しない。Curseは、慎重に競争力の出せるオンラインゲームのみに事業を集中してきた。また、Twitchの上位ゲームを見てみると、その多くはCurseのコミュニティーと一致していることがわかる。 League of Legends、Hearthstone、Dota 2、Counter Strike、Overwatchなどだ。TwitchのCEO、Emmett Shearは来月のTechCrunch Disrupt SFに登壇するので、その時に買収について詳しく聞きたいと思う。
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(翻訳:Nozomi Okuma /Website)