Twitter、「Buy」ボタンを実装していよいよコマース分野に本格参入

レポートや噂にあった通り、Twitterがいよいよコマース分野への進出を果たしたようだ。

同社のコマース分野への進出は、TicketmasterのCEOであったNathan Hubbardと招き入れ、コマースチームの運用を任せたときから現実的なプランとなり始めたものと思われる。以来、この分野におけるスペシャリスト達の採用を続けてきた。さらにはBuy Nowボタンのモックアップなども出てきた。そして夏を過ぎ、いよいよホンモノの登場となったようだ。

Twitter社も公式ブログにて「Buy」ボタンのテストを開始した旨をアナウンスしている。同社によると、このテストは「ごく一部のアメリカ人利用者を対象(対象範囲は今後拡大していく予定)」としているのだそうだ。テスト対象となっている利用者は、もちろんTwitterから直接に商品の購入ができるようになっている。ツイートで何か良さそうなプロダクトが紹介されていれば、「buy」をおせば詳しい情報が表示され、そして支払い方法や商品の送り先を入力して購入することができる。この情報はもちろん暗号化されていて、再利用のために情報が記録されるようになっている。これをすべてTwitter内で完結することができ、ツイートを見ながら何度かタップをするだけで、商品購入ができるようになるわけだ。

テストはモバイルアプリケーション上でまず開始されているが、デスクトップ版にも導入予定であるとのことだ。

このBuy機能の実現にあたっては、ソーシャルショッピングのサービスを展開しているFancyや、デジタルコンテンツの販売を行なっているGumroad、エンターテインメント系のコマースサービスを展開しているMusictoday、そして支払いサービスを提供しているStripeなどと提携している。プロダクトの提供者としてはアーティスト(Demi Lovato、Eminem、Pharrell)、非営利組織(Donors Choose、Glide、RED)およびバーバリーやホームデポなどの小売サービスなどが対象となっている。

Gumroadのファウンダー兼CEOであるSahil Lavingiaは、Twitter上でのコマース機能の提供について1年以上も前から話を続けてきたのだそうだ。「実現可能性ということではなく、いつ実現するのが良いだろうかというような話をしてきした」とのこと。もちろんこのGumroadも販売を行うサービスのひとつに含まれている。Lavingia曰く、Stripeを活用した音楽販売などに非常に有効だろうと考えているとのこと(他の分野でも魅力的なコマースサービスとなるよう、いろいろと考えているところだそうだ)。購入時はすべてがTwitter自身のサービスであるように見え、レシートを見るまでは他のサービスが介在しているようには見えないものとなっている。

さらにLavingiaは、商品購入が「とてもシンプルに、かつ簡単に行えるということには非常に大きな意味があるのだ」としている。「Twitter内購入の仕組みにより、簡単かつ迅速なプロセスがさらに広まっていくだろう」と述べている。

Twitterは「ショッピングをモバイルデバイスから簡単かつ楽しみながら行うことができるようにする最初のステップです」と述べている。購入できるプロダクトは、さらに拡大していくこととなるのだろう(マーケットプレイスの提供にも興味を持っているらしいという噂もある)。

こうした動きは、直接的な収益向上のにも繋がるし、またコマース分野が育っていくことになれば、コマース関連サービスのTwitter利用頻度も上がるだろうし、また広告活動もより活発になっていくだろう。

ちなみに、Facebookの方もコマースプラットフォームの構築に動いているという話もある。

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(翻訳:Maeda, H


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TechCrunch Japan

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