TwitterがAPI機能を拡張、開発者は公開された会話の追跡が可能に

Twitter(ツイッター)は、最近設計を見直したTwitter APIのアップデートにより、開発者コミュニティに新機能を提供している。拡張されたAPI v2エンドポイントのコレクションに新たに加わった機能では、自分のツイートに誰が返信できるかを指定できるなど、これまで以上にTwittterの新しい会話コントロールをアプリ開発者がサポートできるようになった。他にも開発者が、特定のアカウントのツイートやあるアカウントにメンションしたツイートを追跡したり、特定のユーザーをフォローしているアカウントのリストを取得したりできるエンドポイントが追加された。

これらの新しいエンドポイントは、2020年6月に最初に導入された(未訳記事)開発者向けAPIのバージョン2で、Twitterが行っている改良に続くものだ。このAPIは2012年以来初めて見直されたが、その目的は投票、固定ツイート表示、スパムフィルタリングなど、以前のバージョンに欠けていた機能を含めることであり、同時に検索やストリームフィルタリングなどの分野にも改善が施されている。

しかし、TwitterのAPIに関する作業はまだ進行中であり、エンドポイントの追加や階層化されたアクセスプランのさらなる細分化が行われている。

今回のリリースでは、Twitterは2020年初めに導入された新しい会話への参加方法に向けたサポートを追加した。この機能は、ユーザーが自分のツイートに返信できる人を選択できる(未訳記事)ようにするものだ。Twitterでは、ユーザーは全員に返信を許可するか、フォローしている人だけに返信を制限するか、「@アカウント」で指定した人だけに返信を制限するかを選ぶことができる。この会話コントロールが、新しいAPIでは「reply_settings」と呼ばれるTweetオブジェクトのフィールドを介して、部分的にサポートされることになった。この追加により、開発者は会話の返信設定がツイートに設定されているかどうか、設定されていれば誰が返信できるかを知ることができるようになる。しかし、Twitterはまだこれらのフィールドのサポートを記述していない。「将来的に」そうなると述べているだけだ。

最終的には、このような機能によってサードパーティ製アプリが、Twitter.comやTwitter自身のネイティブアプリによるファーストパーティのユーザー体験に近づくことができるかもしれない。それはまた、ソーシャルメディアマネージャーが返信できるツイートのみを取得するソーシャルリスニングアプリを開発するのに役立つかもしれない、とSocialOpinionsの開発者であるJamie Maguire(ジェイミー・マグワイア)氏はTwitterの投稿で指摘している。Twitterはまた、それが●公共の会話で何が起こっているかを調べている学術研究者の役に立つ可能性があることを示唆している。

この機能はv2で完全に導入されるとTwitterは述べている。

エンドポイントのもう1つのセットである、ユーザーのツイートタイムラインとユーザーのメンションタイムラインは、特定のTwitterユーザーによって投稿された、または特定のTwitterユーザーにメンションした一連のツイートを返す。これらのエンドポイントは、start_timeとend_timeのパラメーターを指定し、特定の時間帯のツイートを収集するために使用することができる。これにより、開発者や研究者が特定のアカウントを分析することが容易になるとTwitterは述べている。

Twitterの指摘によると、これらのエンドポイントは、カスタマーサポートやブランド分析、Twitterユーザーの感情を時間の経過とともに測定するツールなどの分野で利用できるため、このAPIの最初のバージョンでは最も多く利用されたエンドポイントの2つだったという。

開始時には、開発者は1回につき最大100ツイートまでリクエストすることができる。ユーザーのツイートタイムラインのエンドポイントは直近のツイート3200件に制限され、ユーザーのメンションタイムラインは直近のツイート800件に制限される。どちらも「スタンダード・ベーシック」アクセスの月間ツイート数の上限50万件にカウントされる。この制限は恒久的なものではない。Twitterは、2021年の早い時期にTwitter API v2でスタンダードのプロダクトトラックに、より高度な「Elevated」アクセスを提供する予定だと以前に述べており(Twitterブログ)、企業はここで無料のベータ版にサインアップすることができる。

これらは、Twitter API v2のアーリーアクセスで利用可能だ。

またTwitterは今週、開発者が特定の人物をフォローしているアカウントのリストを取得したり、誰かがフォローしているアカウントのリストを取得したりできる2つの新しい「フォローズルックアップ」エンドポイントをアーリーアクセスで導入した。これらは、ネットワーク分析の目的や、情報や誤報の拡散を調べるために、Twitter上のアカウントがどのようにリンクされているかを理解したい開発者がよく利用するものだ。

開発者たちは、アカウントデータを調べるために、追加の呼び出しをしなくても、アカウントの関係性に関する豊富な情報を引き出せるようにしたいとTwitterに要請してきた。これらのエンドポイントを使用することで、開発者は以前のバージョンのTwitter APIのように何度も呼び出す必要がなく、1回のリクエストでアカウントのフォローに関するプロフィール情報を取得できるようになる。

これらのエンドポイントは、アカウントのフォローやアンフォロー、アカウントのブロックやミュートを可能にするエンドポイントと一緒に使用されることが多い。しかし、この機能はまだ利用できない。

Twitterは今回、APIの変更や更新についてより透明性を高めることを約束しているが、過去のことを思えば、開発者はこのプラットフォーム上で構築することについてまだ警戒しているかもしれない。Twitterは過去数年の間に、何度もTwitterアプリを作っている開発者の支援を突然打ち切ったり(未訳記事)、パートナーへのアクセスを遮断したり(未訳記事)、開発者会議をキャンセルすることもあった。これらの動きは簡単には忘れられない。

Twitterは先週末、ツイートフォーラムでAPIの変更を発表していた。同社の長期的な開発者向けプラットフォームのロードマップはこちらでも公開されている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:TwitterAPI

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:TechCrunch Japan)