Uber、アプリで酔っ払い乗客を識別する特許を申請

Uberの登場は、多くの人の交通に対する考え方に変化をもたらし、そして酔っ払った人が夜帰宅する方法も変えた。手当たり次第タクシーを大声で呼び止めたり、酔った状態で車を運転したりするより、Uberを使った方がかなり安全にA地点からB地点へと移動できる。

Uberは酔っ払いのユーザーに非常に関心を持ち続けていたようだ。機械学習を使って乗客の“状態”を判断するシステムの特許を米国特許商標庁に申請した。

特許そのものは“ユーザーの状態”という不毛の議論に限定される一方で、Uberの本当の関心は、素面の人と酒が入っている人との違いを感知することにある。

この特許についてはCNNが最初に報道したが、位置情報、入力の精度やスピード、操作状況、端末を持つ角度、そして歩くスピードといったデータを使って、正常な行動と比較しながらユーザーの行動を見極める手法、と形容している。

この特許にはまた、乗客の状態をドライバーに知らせるシステムも含まれていて、理論的にはこのシステムによりドライバーは、厄介な客かもしれないと心の準備をしておくことができる。

また特許では、かなり酔った客には特別な訓練を受けたドライバーまたは専門のドライバーをあてたり、あるいは乗車サービスそのものを提供しないこともあるとしている。

多くの場合において、酔っ払った人が帰宅するのにUberを呼ぶのが最も安全な方法の一つだ。一方で、Uberでは、ドライバーが乗客に性的暴行を加えるという事件もあった。CNNは、過去4年間に米国で少なくとも103人のUberドライバーが乗客に性的暴行または暴力を加えたとして告発された、としている。警察の発表では、それらのほとんどのケースで乗客は酔わされたり、乗車する前に飲酒していたという指摘はない。

乗客が酔っているかどうかをドライバーに知らせるというのは、どうしようもない客を乗せてあちこち走らされるということからドライバーを救うことになる。あるいは、往々にして料金の争いにつながる、車内での嘔吐などをあらかじめ回避することにもつながる。しかし、特許にあるこのシステムでは、タチの悪いドライバーに略奪行為を許してしまうことにもなる。

また、酔っているかどうかをUberに把握されるというのは広範に関係してくる。ユーザーデータに関してUberは信頼される存在ではない。 Uberは“God View”を使って客の行動を監視していたとして2万ドルを支払わなければならず、また大量のデータ漏えいについての口止め料を支払っていたともされる。

もちろん、企業が出願した特許が最終的に商品化されるのはごくわずかだ。乗客を監視するという今回のUberのアイデアがアプリ内にとどまるのかどうかは今後明らかになる。

イメージクレジット:Jaap Arriens/NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)