Uberは商品配達サービスの提供を計画している。オンラインショッパーは購入した商品を、UberRush[自転車便]の配達員またはUberドライバー経由でその日のうちに受け取ることがてきる。TechCrunchは、パイロットプログラムに参加するUberドライバーおよび配達員向けの教育資料を入手した。
情報筋によると、ニーマンマーカス、ルイヴィトン、ティファニー、コーエン、ヒューゴ・ボス等のブランドが、既にUberの商品配達プログラムに関する交渉を開始しており、ある筋によると、400以上のマーチャントが同日配達サービスをUberと協議中(あるいは既にテスト中)だという(コーエンおよびヒューゴ・ボスは教育用プレゼン資料の例に使用されている)。
本誌はさらに、David Tischのモバイルショッピングアプリ、Springが一部のブランドと共にプラットフォームの初期テストに参加していることを確認した。同社は昨日、Sprint + UberRushを期間限定で、illestevva、Bing Bang Jewelry、P`hyllis + Rosie、Mack Weldon、Jinsoon、Indsutry Standard、Outdoor Voices、およびNegative Underwearらのブランド向けに提供する旨のメールを発送した。
Springは、この種のサービスにとって興味深いテスト環境だ。それは同サービスのバックエンドが、Springプラットフォーム上でどの商品がいくつ在庫されているかを常に正確に把握しているからだ。Uberの配達プログラムと組み合わせることによって、店は今まで通り毎日の在庫を登録するだけでよい。
ニーマンマーカスやティファニーといった伝統的小売店は、店頭在庫データを常に必要とするシステムに移行するには時間がかかるかもしれない。
Uber広報にコメントを求めたところ以下の声明が送られてきた:「Uberアプリの新しい創造的な使い方を実験し発見することは、われわれのライダーおよびドライバーパートナーに今より大きな価値を与えるだろう。弊社はUberRUSHでこの一年間複数の小売業と共にテストを行ってきた」
それは真実だろう。昨年夏Uberは実験結果の一部を公表している。しかし、本誌が入手したマニュアルには同社のさらなる野望が描かれている。同社は商品配達ドライバー専用のアプリも作っているようだ。
マニュアルによると、Uberのドライバーおよび配達員は、通常のUberRUSH注文を受けるのとは別のアプリ(場合によっては別のスマホ)を通じて、商品の注文を受ける。しかし最終的にUberドライバーは、人間の乗客とUber Merchantの注文を、高度なルーティングシステムから同時に一つのドライバー用アプリ経由で受け取るようになる。
最近Uberは配達業界に深く侵入しつつあり、生鮮食品配達のUberFreshへの投資、昼食や夕食の注文を受けて配達を代行するUberEatsのシカゴおよびニューヨークへの展開(ロサンゼルスとバルセロナでは既に営業中)等を行っている。
さらに同社はUberEssentialsという、日用品をオンデマンドで家庭に配達するサービスも開始したが、限定的なテストとして実施され最終的に中止された。
Uber Merchantは、ネット小売でも知られる高級ブランドをターゲットとして、ネット注文に応じて地域にある在庫を同日配達するようだ。
ある情報源がTechCrunchに伝えたところによると、当初の計画ではAmazon、eBay等の大規模Eコマースサイトに焦点を当てていたが、倉庫にある在庫からの配達は努力に値しないと判断した。地元店舗の在庫品を配達することは、店が一日分の在庫の数量と種類を管理できてさえいれば可能だ。
運送ビジネスには困難がともなうが、Uberにはドライバーと配達員数千人からなるインフラがあり、この種のサービスを店舗に、最終的には消費者に提供するための準備は既にできている。
Uberが、生鮮食品、レストランの料理、日用品、オンライン注文、等の分野を一つにまとめて、数千人のドライバーや配達員に割り当てる運送フレームワークを作ることは容易に想像できる。理論的にドライバーは、前部座席にピザを、トランクにルイヴィトンのバッグを、そして後部座席にあなたを乗せることができる。
以下に入手したマニュアルを載せる:
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)