VPNアプリHotspot ShieldがiOS, Android計で1000万ダウンロードを達成–でも何のためにVPNを?

仮想プライベートネットワーク(virtual private network, VPN)は、秘密の保持、マルウェアの防止、コンテンツのオーディエンスの制限(地理的制限など)回避など、いろんな目的に役に立つ。だからモバイル全盛の今日でも、VPNの人気は衰えるどころか、ますます盛んだ。

AnchorFreeが無料で提供しているVPNアプリHotspot Shieldはこのほど、AndroidとiOSの計で1000万ダウンロードを達成し、その間の月間ダウンロード数は約150万であった。Hotspot ShieldはiOSの生産性カテゴリーではトップ、そしてAndroidでは、昨年のローンチ以来今やiOSを上回るはやさで成長している。今では、新規ユーザの約2/3がAndroidからだ。

とりわけ最近の伸びが著しく、2013年の初頭と今を比べるとアクティブユーザ数は倍増している。同社によると、同アプリはデビュー以来今日まで286億回のマルウェア攻撃を撃退している。またその圧縮アルゴリズムにより1億200万バイトあまりのデータを節約している。心配性の人や節約家が旅をするときには、空港などの公開WiFiスポットでセキュリティを確保したり、データ圧縮により高価なローミング代金を節約したりできる。

今日の同社からの発表声明の中には、これまであまりおおっぴらに語られてこなかったことも、指摘されている:

Hotspot Shieldは海外にいる旅行者が合衆国のコンテンツにアクセスするためにも利用されている。

VPNのセキュリティとデータの節約を強調するたくさんのテキストの中に、この話が場違い的にぽつんとあるのが、なんともおかしい。上記はもちろん、コンテンツのアクセスに対する地理的制約を回避することが第一の目的だが、コンテンツのプロバイダにとっては、あまり気づかなかった盲点でもある。

たとえばSpotifyやNetflixなどなどを視聴できない国が世界中にあるが、VPNを使えばあなたのIPはVPNサービスが提供する合衆国のIPアドレスになる。今実際にいる国は、どこでもかまわない。海外を旅行中の合衆国国民がそれを利用するのは別に問題ないが、実際には、たとえばHuluを見れない国の人が“不法に”Huluを見るためにこのテクニックを使っていることも多い。

AnchorFreeとしてはなるべく知らん顔をしたいところだが、ダウンロード数1000万の中には、その“動機”もけっこうあるにちがいない。コンテンツの視聴に地理的な制約があるかぎり、VPNアプリの急成長は今後も続くだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))