Y Combinatorの最新スタートアップ学期を卒業したInterviewedは、雇用者が適切な採用判断を下す手助けをする。
雇用者が候補者の面接スキルに心を奪われて、後になって現場スキルのないことに気付くことは珍しくない。Interviewedは、営業、カスタマーサポート、管理部門等の非技術職に応募してきた候補者のための、高度なシミュレーションを作成することでその問題を解決する。
Interviewedのシミュレーションは驚くほどリアルで、メールや電話等を模倣するツールもある。例えば、3つの部分からなる営業シミュレーションは、最初にコールドメール(突然の営業メール)を1通書き、次に顧客の問い合わせに返信し、最後に潜在顧客に対して(自分の本物の携帯電話を使って)コールドコールを行う。
電話シミュレーションには様々な反応経路があり、候補者が何を言ったかに基づいて異なる反応が返ってくる。同社によると、候補者がかけるたびに、秘書が留守電につないだり、購入担当マネージャーと話をさせる等、8種類の反応を返す。
シミュレーションにはFAQも入っていて、候補者が働く仮想会社に関する必要な予備知識(価格、機能等)を与えてくれる。それ以外、候補者は単独で振舞う。
Interviewedは、スキルよりも候補者の持つ知識に関心のある採用担当マネージャーのために、不動産法や財務会計等のテストも行う。
42 Floors(YC 2012年冬卒)の初期メンバーらが立ち上げた同サービスは、商業不動産スタートアップとして会社が急速に採用を進めていた時期に着想された。同社は採用した社員の実際の能力が、履歴書や資格が示すものと異なっていることに気付かされていた。
Inteviewedの共同ファウンダー、Darren Nixによると、一部の企業では独自に面接シミュレーションを実施しているが、プロセスに時間がかかりすぎるため採用直前の段階で使用されることが多い。
シミュレーションを自動化することによって、Interviewdのプラットフォームでは企業がこうしたシミュレーションを大規模に実施することが可能になり、必要なスキルに恐ろしく長けた人物を見逃がす危険を減らせる。
同サービスはシミュレーションごとに1~5(0.5刻み)のスコアを付ける。自動スコアリングプロセスの精度について聞かれたNixは、テスト結果の数値は広く分散しており(1つの数値のまわりに集中していない)、これはシミュレーションがうまくいっている兆候だと言った。
Nixは、サービスが機械学習を用いて、候補者の判定方法を継続的に改善していくことも説明した。
同社は、小さな会社向けのパッケージ版に加え、大企業向けにカスタマイズ可能なシミュレーションを提供する計画だ。行く行くはInterviewedが集中雇用センターを作り、ユーザーがそこでシミュレーションを体験すると、結果はそのスキルを持つ候補者を雇いたい企業に直接送られるようにすることを考えている、とNixは語った。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)