日本のGumiが北アメリカ市場参入を発表―ゲームスタジオを世界4箇所で立ち上げ中

北米ゲーム市場は118億ドルという巨大な規模だが、最近、ZyngaやCandy CrushのメーカーKingのような有力ゲーム企業でさえ躓いたことでもわかるように、非常にタフな環境だ。

しかし日本のゲーム企業、gumiは北米市場に挑戦することを決めた。 今日(米国時間8/21)、gumiは北米市場向けのゲームの開発拠点として4つのスタジオを立ち上げることを発表した。gumiによれば、今後北米で新たに100人を採用していくという。

gumiはSegaLineGreeなどの有力なパートナーと提携しており、最近、シリコンバレーのベンチャー・キャピタル、World Innovation Lab (WiL)がリードしたラウンドで5000万ドルの資金を調達している。

gumiのアメリカ本社兼スタジオはテキサス州オースティンに置かれる予定だ。これに加えてバンクーバー、ストックホルム、キエフでもスタジオを立ち上げ中だ。これらのスタジオはアメリカを中心とする英語圏市場向けのゲーム開発を専門に行う。また近くサンフランシスコに事業開発とPRのためのオフィスを開設する。

gumiはまた、ゲーム企業WeMadeの前CEOで、 Microsoftのアジア・ゲーム・スタジオのゼネラル・マネージャーだったA.J. Redmerを北米事業の責任者として採用したことを発表した。RedmerはMicrosoftでXboxを創設したチームの1人であり、任天堂ソフトウェアのゲームデザイン担当ディレクターを務めたこともある。

gumiは今年中に10億ドル規模の株式上場を予定しているとされる。ただしRedmerは「現時点ではこの問題についてのコメントは控える」と述べた。

同社は800人の社員を擁し、この2年で300%の成長を遂げたという。シンガポール、韓国、中国、台湾、インドネシア、フィリピンで事業を行っており、売上の半分以上は海外からのものだという。

Redmerはgumiの北米参入について「ブレイブフロンティアがアメリカ市場で大きな成功を収めたことが、われわれが西欧市場で十分な競争力を持つという確信を強めた。またブレイブフロンティアを売り込んだ体験がアメリカのモバイルゲーム市場に関して多くの貴重なノウハウと知見を与えてくれた。他のゲームを販売していく上でこれらは大きな財産となるものと信じている」と述べた。

またゲーム開発については「われわれは世界各地でスタジオを運営しており、それぞれの地域市場に深く根ざしたゲーム開発を行っている。われわれの新しいスタジオも北米地域の特性を十分に理解して開発を行う。また西欧市場でこれまで見過ごされてきたジャンルのゲームを開発していく」と述べた。

Gumiの最大のパートナーはSegaとLineだ。Segaはまた5000万ドルのベンチャー資金の出資者の1人でもある。またgumiの戦略的パートナーのLineも出資およびゲーム流通の両面で協力するという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


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TechCrunch Japan

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