Pandora、リスナーのデータをミュージシャンに提供


つい先ほどPandoraは、Artist Marketing Platform(AMP)を発表した。様々なリスナーデータを、同インターネットラジオサービスで曲が再生されているミュージシャンに提供するプラットフォームだ。

AMPを発表したリリース文の中でPandoraは、このプラットフォームで各曲のデータ(再生回数、サムズアップ数等)や、アーティストのステーションを作ったファンの人数、リスナーの地域年齢層別データ等を提供すると言っている。

新サービスを宣伝する共同ファウンダーのTim Westergrenは、自身のミュージシャンとしての経験を引き合いに出した ― サンフランシスコからコロラド州テルライドまで運転して公演に行ったところ15人しか観衆が来なかった ― フライヤーや招待状を作って配るために何時間もかけたのに。

「当時はそれ以上何もわからなかった」と彼は言い、もしバンドに関するデータがもっとあれば、賢い判断ができたであろうことを暗示した。

Westergrenはさらにこう続ける:

AMPを使えば、アーティスはヤマ勘を排除して日々の行動がしやすくなる。人気の曲が何かを知ってシングルを告知したり、アーティストのファンベースの場所に応じてツアーのスケジュールを組んだりできる。われわれのゴールは、あらゆる分野のアーティストが、キャリアを構築、維持していくのを手伝うことだ

長年Pandoraは、ストリーミング音楽サービスは十分なロイヤルティーを払わないとするミュージシャンらから批判されてきた(恐らく最も印象的だったのは、デビッド・バーンがSpotifyとPandoraに向けて述べた「インターネットは世界中の創造的コンテンツを吸い上げる」という彼の主張だろう)。新しいツールによってPandoraは、同サービスがミュージシャンに対して金銭の支払い以上の価値を提供できるという説得力ある主張が可能になるかもしれない。

私は、いずれこれがPandoraの新しい広告商品にも結びつくとも予想している。

同社はしかし、ミュージシャンが直接収益を上げる方法を加える様子を見せていない ― AMPのホームページが支払いに言及しているのは、既に同社が提供しているSoundExchange経由のロイヤルティーシステムに関する告知だけだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


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TechCrunch Japan

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