今日(米国時間11/21)、Googleは企業向けの新しいファイル共有プロダクト、Team Drivesの受付を開始した。このアプリケーションはこの秋に入ってすぐ予告されていた。Team Drivesの主たる目的は企業における組織横断的なファイル共有を助けると同時に、共有フォルダのコンテンツに応じたきめ細かいアクセス権が設定できるようにするところにある。
これ以前、GoogleはGoogle DriveでDropboxに対抗していたが、このプロダクトはどちらかと言えば個人の生産性ツールだった。企業の場合はファイル共有の範囲は多数の組織にまたがるため、アクセス・コントロールにはさらに高い機能が必要とされる。
たとえば、ある文書について、一部のユーザーには編集権を与え、別のユーザーには閲覧だけを許して故意、偶然を問わず、削除や変更ができないようにする必要があるかもしれない。
Googleが最初にTeam Drivesを発表したとき、同社ではGoogle Driveのテクノロジーを再構築してこうしたアクセス制御を導入するとしていた。Team Drivesはバグを潰している段階で、現在のところアーリー・アダプターを対象とするEAプログラムのメンバーのみベータテストの申し込みができる。
Team Drivesは間もなく稼働するという。ただし申し込みの受付にあたってはいくつかの制限がある。まず申込者は G Suite Business and Educationプログラムのメンバーである必要がある(G SuiteはGoogleのGoogle Apps for Workの新しい名称)。
またG Suiteの管理者はTeam Drivesにサインアップし、プライマリー・ドメイン全体をTeam Drivesに登録しなければならない(今のところセコンダリー・ドメインの登録はできない)。
Googleによれば、管理者はTeam Drives内の個別コンテンツについてはアクセス制限が可能だが、 Team Drivesそのものは全ユーザーから認識、アクセスが可能だという。言い換えれば、Team Drivesに参加するには会社のトップの承認が必要ということになる。IT部門が一部のユーザーだけを対象に内密にテストするということはできない。
Team Drivesの最大のメリットは企業として重要なファイルを中央で一括管理できることだろう。Team Drivesを使えば、「囲い込み問題」、つまり企業にとって決定的な情報を含むファイルが一部のユーザーの個人フォルダ内にあって共有されていないという問題を避けることができる。Team Drivesであれば、他のユーザーもこうした情報にアクセス可能だし、何よりもファイルのオーナーであった社員が異動したり退社したりした後でもファイルを従来どおり利用できる。
Googleではこれまでも少数のユーザーを対象にTeam Drivesのテストを行ってきた。しかし今日の発表で Early Adopter Program参加者という従来より広い範囲のユーザーがテストに参加できることになった。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)