今日(米国時間8/29)、Facebookはユーザー・データ利用の権利と責任に関する2つの文書の改定案を発表した。これらの文書は広告、サードパーティーのデータ利用方法を含めてユーザーデータの取り扱い方法を定めたものだ。
今回発表されたのは改定案であり、私の取材に対してFacebookは「ユーザーからのコメントや提案を受け付ける」と述べた。しかしユーザーの意見によってFacebookが案の内容を大幅に変えるとは思えない。最高プライバシー責任者のErin Eganが発表した短いプレスリリースによれば、この改定は広告に関連した訴訟の和解条件の一環だという。
改定の範囲はかなり広い。以下主要な部分を簡単に見ていく。
広告
広告に関する改定案は簡明だ。「ユーザーは氏名、プロフィール画像、コンテンツ、広告、スポンサー投稿に関連して生じる情報をFacebookが利用することを許可するものとする」
つまりFacebookは原則としてユーザーのあらゆる情報を広告システム、そのアルゴリズムの中で利用できるということだ。ただし、Facebookはユーザーのプライバシー設定を尊重するという。「ユーザーがコンテンツを特定の範囲に限って公開することを選択している場合、Facebookはその選択を尊重して使用する」。これはよいことだ。
訴訟
Facebookに対する訴訟は北カリフォルニア地区連邦裁判所またはサンマテオ郡に所在するカリフォルニア州裁判所にのみ提起することができる。従来はサンタクララ郡だったが、本社が移転したため改定となったもの。
データ利用
Facebookは新たに「ユーザーが利用しているコンピューターまたはデバイスの種類」の情報を利用できるようになる。つまりAndroidかiPhoneかというような情報を収集し、それに基づいて処理を行うことができる。以前からFacebookは「GPSその他による位置情報を利用できる」と定めている。ビッグブラザーのFacebookが「友だちが近所のバーに入った」とプッシュ通知してくる日も近いだろう。
ユーザーデータ共有
Facebookはユーザーの公開データを第三者と共有する権利を求めている。Facebookはユーザーが公開しているデータを誰とでも共有できることになるので、もう一度プライバシー設定を見なおして、あちこちに公開されて欲しくないデータが公開設定になっていないかよくよく確認することをお勧めする。
第三者のデータ保存
ユーザーがFacebookアプリにサインアップした場合、そのアプリにアクセスを許可したユーザーデータ(メール・アドレス等々)をアプリのプロバイダはサーバーに保存することができる。この場合、ユーザーがFacebookからアプリを削除した後でもプロバイダはそのユーザー・データの保存と利用を続けることができる。
つまりアプリを削除した後でもアプリのプロバイダはユーザーデータのコピー(もし作成していれば)を保管し、その後も利用できる。それを望まない場合、ユーザーはプロバイダに直接データの削除を要求する必要がある。
この改定に反発してFacebookを使うのを止めるかどうかは各自の判断だが、すくなくとも酔っ払って出会い系アプリを片っ端からインストールし、ユーザー情報全部へのアクセスを許可するのはよした方がいいだろう。
すべての改定の逐条的説明はこちら。
画像:Acid Pix
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)