Apple株価引き続き下落、90日で38%――主因は米中貿易戦争

Appleの株価は一晩で9%以上ダウンした。実際、同社の株価は昨年の10月以来、トータルで38%も下落している。昨日(米国時間1/2)、Appleが収入の低下を警告する異例のガイダンス修正を発表する際、.株式売買は一時中断された。iPhoneをアップグレードする需要が失速したことが同社の収入、ひいては株価に大きな影響を与えたものとみられる。

10月3日の株価は232.07ドルだった。その後市場は乱調で全体として下落傾向だ。Appple株もここ数ヶ月ダウンを続け10月の高値と比べて87ドルも値下がりしている。

 

昨日の午後、Appleはガイダンスの下方修正による混乱を避けるため株式売買を一時停止したが、このときの株価は157.92ドルだった。今朝、この記事の執筆時点の株価は8.19%ダウンの144.981ドルだ。.

D.A. Davidsonのシニア・アナリスト、Tom Forteは昨日のガイダンス修正について、「Appleの経営は盤石と思われていた。なるほどiPhoneの売上台数は軟化していたが、これほど深刻だったことには驚かされた」と述べた。

Forteは昨日の発表でいちばん重要だったのはAppleが売上の20%を得ていた中国市場の問題だと考えている。長期化が予想される米中貿易戦争は売上に大きな影響を与えるだろう。貿易戦争は中国経済を全体として減速させるし、愛国心の高まりからiPhoneに代えて中国製スマートフォンを買う動きも起きるはずだ。

しかもすでにApple自身がインド、ロシア、ブラジル、トルコなど中国を除く市場でもiPhone売上が低下することを予想していた。しかしForteはやはり中国市場の問題がいちばん大きいと考えている。

Forteは「iPhoneのパフォーマンスが低下している一方、他のプロダクトは19%も成長していることは将来に向けて明るいニュースだ」という。しかもAppleの資金は潤沢であり、株式買い戻しのために1000億ドルを用意している。「株式買い戻しプログラムもあるし、決算は好調でキャッシュフローも巨額だ。つまり市場で投資家が株を買わないのならApple自身が買えばよい」とForteは説明した。

Canaccord Genuityの今朝発表してレポートでアナリストは、「昨日のガイダンス修正にもかかわらず、Appleのファンダメンタルズは良好であり、引き続きわれわれはApple株式についてBUY格付けを維持する」としている。

Forteは「ただし米中貿易戦争の将来は大きな疑問符だ。他のプロダクトの販売は好調であるものの、貿易戦争の状況が流動的である間は収入予想を上方修正することはないだろう」とみている。

〔日本版〕日本時間1月4日7:40AMにおけるApple株式は上の記事からさらに2ドルダウンして142.50ドル(時間外取引)。前日からほぼ10%のダウンとなっている。

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滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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