米国時間3月5日夜にMicrosoft(マイクロソフト)は、新型コロナウィルス蔓延のためのオフィス閉鎖に影響された時間給労働者への支払いを続けるという、すべての会社が追随してほしい取り組みを発表した。
どうやらFacebook(フェイスブック)も後に続くようだ。同社広報担当者のChloe Meyere(クロエ・マイエール)氏がメールに書いた内容を引用する。
我々は取引先とも密に検討を重ね、社員の健康と安全を最優先させることを確認した。Facebookは、自発的在宅勤務による業務縮小、オフィスの閉鎖、会社命令による自宅待機、あるいは病気のために働けない臨時雇用者に対して賃金の支払いを行う
マイクロソフトは、同社の決定を発表したブログで社長のBrad Smith(ブラッド・スミス)氏が次のように書いていた。
公衆の健康を守るための取組みにスピードアップが必要な一方、経済にスローダウンは許されない。我々は一企業として、公衆の健康を最優先するとともに、新型コロナウイルスによる経済と社会への影響に対して、会社としてできることを行う。大企業にとって可能なことが中小企業には必ずしも可能でないことを認識しているが、この種の取組みが可能な大企業は、実行を検討すべきだとわれわれは信じている
ワシントン州、カリフォルニア州など、新型コロナウイルスの症例が確認された地域では、いくつかのテック企業が社員に自宅勤務を促進している。Google(グーグル)、Lyft(リフト)Square(スクエア)などだ。新型コロナウイルスの影響は、Mobile World CongressやGoogle I/Oデベロッパーカンファレンスなどの大規模イベントの中止も招いている。
最近のテック企業には、22階層の労働者システムが出来上がっており、技術系や製品開発系のスタッフを自社のフルタイム社員として確保する一方、単純労働はサードパーティー企業に外注する傾向が高まっている。この階級制度とも言えるシステムはひんしゅくと怒りを買っており、テック企業の通勤バスが 公衆の面前で攻撃される事件さえ起きた。多くのあるいはすべての働き手を補償することは、広報的に有効であることも確かではあるが、素直に考えて倫理的に正しい行動だ。
おそらく今の状況は、テック企業が業務の内製化を増やす後押しになるだろう。Alphabet(アルファベット)の臨時雇用者への依存であれ、Facebookの管理業務の外注であれ、あるいは単なる運用スタッフの外部委託であれ、おそらく過剰な「インターナル・アウトソーシング」が行われている。それでも、少なくともパンデミックが起きても時間労働者への支払いはカットされない。低いバーであり、すべてのテック企業がクリアしているわけでもないが、何もしないよりはずっと良い一歩だ。
関連記事:米マイクロソフトは在宅勤務で仕事のない時給制現場労働者にも通常賃金を払い続ける
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook )