BlackBerryは中国のスマートカーXpengのOSになる

一時期は先頭を走っていたものの、スマートフォン製造ゲームからずいぶん遠ざかってしまった(未訳記事)BlackBerry(ブラックベリー)だが、カナダの拠点でネット接続機器向けのソフトウェアを提供するための移行に忙しい。その機器の中に、スマートカーがある。現在、同社はその部門を中国に移している。

今週、BlackBerryは中国で最も多くの資金を調達した電気自動車スタートアップのひとつであり、中国におけるTesla(テスラ)のライバルでもあるXpeng(小鹏、シャオペン)のレベル3自動運転ドメインコントローラー開発にソフトウェアを提供することを発表した(BlackBerryリリース)。Xpengのインテリジェントコックピットには、QNXと呼ばれるBlackBerryのオペレーティングシステムが搭載される。これで、自動車メーカーの次世代モデル開発に参入したAndroid(アンドロイド)やLinux(リナックス)に対抗することになる(GlobeNewswire記事)。

BlackBerryとXpengの提携には、Aptiv(アプティブ)のような車載システムを総合的に扱う企業Desay SV Automotive(德賽西威汽車、デゼイエスブイ・オートモーティブ)が仲介に立っている。Desay SVは1986年に創設され、Siemens(シーメンス)を含む中国とドイツのジョイントベンチャーとして輝かしい歴史を持つ。恵州を拠点とする同社は、現在は中国をはじめ世界の自動車業界のティアワンブランドに部品を供給しつつ、OEM機器も提供している。

Xpengのドメインコントローラーのカネールには、NVIDIA(エヌビディア)の自動運転車用Xavier(ゼイビア)コックピットチップが使われているため、Xpengの新型車のソフトウェアとハードウェアのかなりの部分が外国の技術に依存している。

現在注目を集めているXpengの量産モデルは、P7と銘打たれた電気スポーツセダンだ。これには、「車の運転状況」の計算を行い「周囲の環境をリアルタイムでモニターし安全な運転判断を行う360度全方位の感知システムを提供する」処理ユニットが搭載される、と同社は発表の際に伝えている。

「Desay SV Atomotiveは、インテリジェントコックピット、スマートドライビング、ネット接続機器に豊富な経験を有しています。BlackBerry QNXの安全性に関する専門技術を加味することで、私たちはともに、有意義なトランスフォーメーションを推進する自動車業界の多様なニーズに対応できるようになります」と、BlackBerry Technology Solutions(ブラックベリー・テクノロジー・ソリューションズ)の上級副社長兼共同経営者であるJohn Wall(ジョン・ウォール)氏は声明の中で述べている。

「その目標にとって、BlackBerryの技術をXpeng Motorsの革新的な新型P7システムに導入できることは、まさに特権といえます」。

Alibaba(阿里巴巴、アリババ)とXiaomi(小米科技、シャオミ)の支援を受けるXpengは、今回の提携により、ニューヨークでの初の募集で11億ドル(約1170億円)の調達を見込んでいる。Li Auto(理想汽車、リーオート)とNIO(上海蔚来汽車、ニーオ)という中国のライバルも、米国でのIPOで同等の資金を調達している。

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カテゴリー:モビリティ

タグ:BlackBerry Xpeng 自動運転 中国

画像クレジット:Xpeng P7 electric sedan

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(翻訳:金井哲夫)

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TechCrunch Japan

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