投稿者: volareadmin
図解で分かる”コンテンツSEO” : コンテンツ配信→リンク蓄積→流入増のサイクルを作る
[寄稿] 公開2週間で1日1万セッションを超えた、地域の祭りサイトの解析事例
先日、第38回目黒区民まつり(目黒のさんま祭)が盛大に行われました。「目黒のさんま」という小咄にあやかって始まった区民まつりなのですが、認知度も上がり、今年も3万人以上の来場者であふれました。
縁があって私は、目黒区民まつりの実行委員の事務局を務めております。その関係でWebサイトのGoogleアナリティクスの内容を見る機会があり、普段見ているサイトとやはりちょっと違うなと感じる点があるのでご紹介したいと思います。
Webサイトを制作した目的として
- (目黒)区民への広報的な意味合い
- プレスへの対応目的
- 当日のお知らせや状況はSNSで行う。
- アーカイブとして残せるような構成で行う。
まずは、こういったざっくりした内容でスタートしました。
(公開までの単語の使い方など行政機関との折衝等裏話もあるのですが・・・)
開催3週間前にティザーサイトを公開し、開催2週間前に本ローンチとなりました。
アクセス状況
大きな山が祭り当日のもの10,000セッション以上あります。
小さな山が前の週に行われた、目黒駅周辺の品川の商店街のさんま祭りの開催日です。品川のさんま祭が広報していましたので、それを見たユーザーが【さんま祭】で検索してやって来たようです。
Webで出来そうなこと
- 品川のさんま祭目当ての人たちに、来週もやってますよと一週間ほどリマケで訴求。
- さんま祭の様子の動画をTrueViewで訴求。
- デング熱の注意を促す訴求のリマケ。目黒区からも注意を促してほしいという要望がありました。
リマケの訴求はさんま祭ではなく、虫よけスプレーして来て下さいという訴求も結果がどうなるか来年はテストしてみたいところです。
デバイス
想像以上にスマホが多かったです。約60%がスマホからのアクセスでした。これは列に並んでいる際に概要を確認したり、来る途中に見る人が多いものと推測しています。
モバイルを前提としてページをレスポンシブにするなどの対応もせず、別でファイルを作ったりということもなくPCのものを見せしていましたが、こちらも要検討課題ですね。
検索キーワード数
1ページもので特にロングテールのSEOを狙った訳でもありませんが、集客キーワード数(種類)が1,000を超えています。オーガニックのセッションが25,000程度なのでかなり多いです。
実際には、not providedで隠されたキーワードが大半ですから、実際はこれよりもかなり多くの種類のロングテールキーワードでの流入があったと推測できます。
検索クエリを大別すると
- さんま祭の時間や開催日といったさんま祭り自体のことを探している人
- さんま祭の中で行われている展示物を探している人
- さんま祭の中で行われているイベントを探している人
- 雨天時の対応を探している人
- さんまの列がどのくらいの時間になるのか探している人
に分けられます。
これは来年ページを作る際に非常に参考になりますね。雨天決行とは記載があるもののもっとPRしても良いかも知れません。また待ち時間はWebサイトで告知するのはなかなか難しいので、ただいまの待ち時間はこちらとSNSにリンクさせても良いです。
気になったクエリ
中目黒さんま祭りと検索している人が結構な数います。仮説としては目黒駅徒歩10分、中目黒駅徒歩15分の記載があるので中目黒のさんま祭と検索しているユーザーがいるのかも知れません。
これだと中目黒近辺の会社も協賛してくれる可能性がありますね。
表記ゆれ
キーワードの多さの理由は表記ゆれの多さです。
目黒_さんま
目黒さんま祭り
目黒_さんま祭り
さんま祭り
目黒のさんま祭り
目黒サンマ祭り
目黒のさんま祭り2014
目黒_さんま_祭_2014
目黒さんまつり
さんま祭り_目黒
目黒区さんま祭り
目黒区_さんま祭り
これはごくごく一部です。あまりの多さにびっくりするとともに、正式名称というのは自分たちが思っているほど世の中には浸透していないものだと実感しました。
これは自社のサービスをリスティングで入稿する際にも気になるところです。
先日リスティングで完全一致の表記ゆれのオプションが廃止になるというアナウンスが出ましたが、この表記ゆれの多さを見るとどこまで対応出来るのか非常に疑問に思います。
(参考:http://sem-labo.net/blog/2014/08/18/0955/)
まとめ
企業向けのSEMの仕事に従事される方がほとんどと思いますが、こうしたサイトに関わる機会は決してそんなに多くないと思いますので、実データや考え方など参考にして頂けますと幸いです。
スマートフォン時代にGoogle検索は不要?よりコンパクト化される情報サイズと、これからの検索の課題
土居です。僕の最近の情報収集源として大活躍のNewsPicksさんで話題になっていたテーマについて書いてみようかなと。あんまり検索に関わる人たちの目には触れていなかったみたいですが。
スマホ時代はGoogle検索が激減する:「コンテンツの面白さ」だけが評価される時代に!
誤解なきようにお伝えしますと全体の傾向としての話や記事の大半については同意できることもありますので反論・否定といった意図ではなく、個人的な見解とポジショントークをふんだんに交えつつ、引用させて頂きながら補足解説を出来ればなといった意図です。
スマホでは検索されない?
パソコンを利用して仕事をする人が多いでしょうから実感は薄いかもしれませんが、移動中や自宅などでスマホを利用している時にGoogle検索(いわゆるググる)を利用することは少なくないでしょうか?
色々なサイトの流入を見ていまると感じることが出来ると思いますが、スマホの検索母数自体は減ってはいない、まだ増えているようにも思います、これはスマホ自体の普及が進んでいることに起因すると考えれば自然でしょう。
(※これ、日本とかグローバルでの検索数推移の公式データってなかったでしたっけ汗)
一方でPCの検索は既に頭打ちから微減、これも時代の流れとして必然でしょう。
全体的には検索は徐々に上限値に漸近しつつも数年は増加傾向と思います(ユーザーの母数自体が増えてますからね)。
スマホの場合はアプリが中心になりますので検索する(ググる)ことが減ります。
検索の絶対数というよりも「ネット閲覧行動全体に対する検索行動の割合」は微減傾向が進むでしょう、という観点では同意ですが、絶対数はまだまだ微増傾向でしょうね。つまり「ネット閲覧行動全体におけるGoogleへの依存度が”割合として”下がっている」というのが正しい表現でしょうね。途端につまんない主張になりますけど。
ユーザーが情報を受け取る手段が多様化しているのは確実ですが、こちらから情報を取得する、という方法についてはGoogleは依然として健在、今のところ完全な代替手段は出てきていない状態ではあると思います。
Googleとしては直近でスマホでの検索頻度をあげるためには音声検索の普及は必須の取り組みとも言えそうです。音声検索に対応できるよう”会話型の検索クエリ”への対応強化(昨年秋の”ハミングバード”とかはそれですね)も行っているのですが、音声検索の普及はまだまだ追い付いていないため、そこまでのインパクトは今のところ見えていないように思います。
閲覧デバイスの変化
スマートフォン…77%、タブレット…6%、パソコン…17%、つまり「パソコン以外が83%」になり、今後この流れはもっと加速するでしょう。ちなみに当サイトの「検索流入」はGoogle、Yahoo!合わせて約40%ですが、読者にスマホ利用者が圧倒的に多いことを考えると、占める割合としては「まだ多い方」です。
こちらは記事で指摘されている通り、全体として確実にスマホに流れています。ただしビジネス向けの商用サイトなど特殊なケースではこんな感じ(下図)で未だに大半がデスクトップだったりもします。
「(自然)検索流入は結果として得られる」ものと考える
検索流入は「結果として得られるもの」ぐらいに考え、SEOにかけていた時間、費用、思考を向けるべき先は一点だけです。
こちらも半分くらいは同意です。これは「検索エンジンを根拠にサイトを運営しない」という前回の記事で書いたことにも通じます。
ただしビジネスのジャンルによっては検索が圧倒的優位なジャンルが多々ありまして。情報特性によっては情報設計やプロモーション戦略の中でSEO要件を優先しないと大変な目に合いますというのは補足しておきます。
ストックされ、後に検索され得る情報でしたら、是非その辺りも考慮して検索しやすい状態にしておくことは、後に検索して情報を探されているユーザーにとっても、もちろんサイト運営者にとっても有益なことと思います。
この辺りは特に一般的な内容として語る内容ではないかもしれません。ネット時代に時代遅れだとはずっと言われつつも、実際にはテレアポや訪問販売という営業手法が未だ有効な業態だってあるわけですしね。
(3~4年前は「これからは検索じゃなくてソーシャルだ」ってみなさん騒いでましたが、蓋を明けてみるとソーシャルメディアを上手に活用してグロースできたというサイトのほうが逆に珍しいのではないでしょうか。)
人を呼べるコンテンツが重要
まとめ:今後は「人を呼びこめる面白いコンテンツを作れるか?」の勝負となり、メディア格差が生まれる
検索を考慮するにせよ考慮しないにせよ、コンテンツ提供側としてはこれはもう”単なる前提”でしかありません。
それを前提として、その情報はどういう人にどういう形でリーチするべきか、或いは探されるべきか、という点を主軸に考えるべきです。それがもし継続的に検索されるタイプの情報なのであれば、その導線を作っておくことビジネス上必須の課題になるでしょう。
PVが多くても検索流入が多ければ、もっとおもしろい独自のコンテンツを考えるべき
全ての情報がフロー情報として流れていくわけではありませんし受動的に発見されるコンテンツなのか能動的に探索されるコンテンツなのかの違いで優先すべきチャネルは大きく変わります。面白い面白くないだけの価値観で判断すべき問題ではありません。
どちらにせよ情報過多の時代、それでも敢えて閲覧される価値のないコンテンツはいずれインターネットの中から淘汰され埋もれていくのは間違いありません。もちろん検索結果においても同じことが言える流れになってきています。
「検索流入は結果として得られるもの」のスタンスで、全リソースをコンテンツの質に向けるべき
質を高める工夫をするはもちろんですが、コンテンツの質を高めることだけではなく、そのコンテンツをプロモーションしていくこと、どちらも重要です。良い製品があれば売れるはずです、はマーケティングとはいえません。
コンパクト化される情報サイズ
さて、ここからはこの記事独自の話として。閲覧デバイスがスマホに寄ってきている中で、今後はスマホ向けに最適化されたコンテンツが更に多く作られる時代になるのも間違いありません。
コンパクト化される情報サイズ
一つの大きな課題として、情報がPC向けに作られてPCで閲覧されるという時代が終わり、モバイル端末向けの情報サイズを前提に設計をされるコンテンツの割合が急増している時代です。この流れはもう止まらないでしょう。
例えば、冒頭で紹介したようなNewsPicksの連載記事を見ていても、確実に情報サイズはスマートデバイス向けに最適化されている用に思えます。「あっさりしすぎて物足りない」というコメントもちらほら見かけますし。
PCで3000文字の記事を読むのはさほど苦痛ではなくても、移動中にスマホで3000文字ガッツリ読みたいという人はそんなにいないのではないでしょうか。
スマホ閲覧におけるUXと検索エンジン最適化のバランス
Googleが依然としてデスクトップ向けコンテンツをもとにインデックス(検索対象のデータベース)を形成していることはご存知の方もいらっしゃると思いますが、「より信頼できる、有益な情報を提示する」という観点からすれば、多くのクエリではやはり重厚長大なコンテンツが検索結果において未だ優位です。
しかしコンパクトでスピーディな情報収集を求めているスマートフォンユーザーにとってそうした重厚長大なコンテンツは時に検索体験を損ねる要因にもなるでしょうし、このあたりはサイト運営者にとってはもちろん、Googleにとっても課題になってくるのではないかなと感じています。
生産されるコンテンツと、発見されるコンテンツが不釣り合いに成り得るからです。
今のところスマートフォン向けに最適化されたコンテンツを限定したインデックスは存在していませんしその予定があるとも思えませんが、このあたりのバランスは確かに悩ましいところですね。
少なくともコンテンツ提供者側が検索流入をある程度考慮されるのであれば、コンテンツの情報量や品質は保ちつつも、スマートデバイス向けには「コンパクトな見せ方をする」などの工夫をする必要があります。
総じて
なんか結論のない記事で申し訳ありませんが、どちらにせよ多様なデバイス、多様なチャネルでコンテンツが発見される時代になっているということは、少なくとも「検索にヒットしなければ世界に存在しないのと同じです」みたいな10年前のような時代と比べて情報発信側としては歓迎すべきなのは確かですよね。
しかし、マルチチャネル・マルチデバイスを前提とすればコンテンツを作る際にもそれぞれへの最適化を考慮しないといけないわけですし、SEOに関わる人が対応していかないといけないこともどんどん増えてしまいますね。
個人的に最近思うこととしては、アルゴリズムの変更とかそういう話は、日常的な実務においてはもちろん大きな影響ある場合もありますけど、PC→スマホ、Web→アプリ、検索→??みたいな大きな環境の変化という中で考えると結構スモールな話だなと感じることはありますね。
検索の未来としては、「わざわざ検索しなくても情報が受け取れる検索サービス」みたいな感じでしょうか??人工知能なんかも力を入れていますし。そういう時代の”SEO”は更に楽しそうです。
「SEOに優れたサイト」と、「上手なSEOを行っているサイト」は全然違うという話
土居です。今月は色々あって(ないですけど)更新が滞っておりました。
さて突然ですが、自社で運営しているApplivっていうメディアがありまして。2012年のリリースから2年もたち(マジか)、少しずつ知名度が出て参りまして、一般ユーザー以外でもアプリ業界の方々とSEOに関する方々にもたまに見てもらう機会はあるのではないかなと思います。
それなりにランキングも付いているように見えるからか「ApplivのSEO良いですね」的なことを言われるケースも出てきておりまして、それについて色々思うところを書きます。
ApplivのSEOって普通のことをやってるだけ
結論としては、自分が言うのもなんですけど、ていうかDVD売ったりしていながらアレなんですけど、そんな特別優れているわけじゃないですよ。むしろ「特別なことをやらなくてもできるSEO」を一生懸命やってきたつもりです。
もちろんその分、参考にして頂けることもそれなりにはあるとは思っておりますが「SEOに優れているサイトの代名詞」とは程遠いものという認識でいます。
誤解を生まないために:SEOは上手にできてると思います
誤解を生みそうなので予め弁解しておくと、あのサイトのSEOはうまい事やっているほうだと思っていますし、今のところ、自然検索トラフィックを中心にPVも収益も良い感じに伸びています。検索結果においても全体的には良いポジションです。
少なくともはアプリ系の検索ではおそらく国内ではかなり高いポジションにいるサイトの1つだと思いますし、日常的にアプリを検索サービスを使って探す方には高確率で見てもらえる機会があるサイトだとは思います。
SEOが上手い、とSEOに優れている、というのはちょっと違う
しかし「SEOをうまい事やってる」のと「SEOに優れている」というのは個人的には別ものだと思っておりまして、今のApplivの場合は前者という感じなのですね。
※どんな事やっているの、の詳細はこちらのDVDで語っていますので是非買って下さい。
【DVD】Web担当者のためのSEOノウハウセミナー ~広告を一切使わず1年で1000万PVのメディアを作る方法~
ApplivのSEOの核となっているもの
今のApplivのSEOの核は、「スマホアプリの情報を網羅して、探しやすいように整理して掲載する」ことです。逆に言えば大半の検索トラフィックはこれを日々繰り返しているだけで獲得しているものとも言えます。
あとはクローラビリティだとか内部リンクだとかっていうところとか、あとはテンプレート毎にどうテキスト吐くかとかそのくらいで、サイトのSEO要件のお話ですので決して”核”ではありません。
“機能”や”特徴”は何の差別化でもない
ここがけっこう勘違いされがちなのですが。
カテゴリ切り分けてる、内部リンク頑張ってるとかを挙げる方もいらっしゃるかと思いますがそれはぶっちゃけやろうと思えば誰でもできるので何の差別化でもなく、サイトの仕様です。
それらはSEOやユーザビリティといった点で良いこともあるのかもしれませんが、他に真似できない強みかと言われれば決してそうではありません。それは強みでも差別化でもありません。
ApplivのSEOにおける強みって?
現時点評価では、これまでの運用実績がほぼ全てだと思います。
- 社内のライターさんや編集スタッフが頑張ってレビューコンテンツをためてきたこと
- レビューを掲載して紹介していく中で多くのアプリ開発者さんや広告代理店さん、メディアさんとのアカウントを築けたこと
- 彼らと関係を築いていく過程で数多くのリンクをもらえてきたこと。
- 次第に一般ユーザーに知ってもらう機会も増えて、少しずつサイトの認知が広まってきたこと
- 結果として定常的に自然リンクを集められるサイトになったこと
このように、企画や運営の地道な活動に、いわゆる検索エンジン最適化の視点をアドオンしたオペレーションを取り入れることで、初めてSEOの有機的なサイクルが回っているのですね。
参考:SEOで月間1000万PVを集めたサイトの「SEOノウハウ」を公開します
これは「SEOのやり方を知っている」だけでは同じことは出来ないことだと思うのでその辺のSEO屋さんで同じことやろうとしてもそんなに簡単にはできないでしょう。
ここの部分がうちの媒体の今のところの強みというか、同じことやろうとした人が簡単にマネできない点であって、それはSEOの最新テクニックとかなんとか言われるような胡散臭いものでは決してありません。
検索エンジンの仕様を根拠にサイト運営しない
繰り返しですがSEOに強いメディア、というのを事業にしているのではなくて、事業を営む上で行われる様々な活動の中にSEOの戦略を組み込むことによって、それが結果的に検索トラフィックに転換されるように設計しているのです。インハウスSEOの基本はここにあると思います。
一昔前「SEOしないことがSEO」という禅問答のようなフレーズがちょっと流行りましたが、「検索エンジンの今の仕組みをサイト運営の根拠にしない」はやっぱり大切です。その上でもちろんSEOはちゃんとしますけど。
事業としてSEOに注力するのであればこうしたことは常に念頭においておきたいものです。
「独自の付加価値を持った情報」が重要な理由
よく言われる話ですが、「独自の情報」と「独自の付加価値を持った情報」は異なります。前者はただ独自性があるだけですが、後者はそれがどれだけ良いものなのですか、ということです。
Googleのような検索サービスはもともとユーザーが(自分にとって価値ある)情報を発見するために利用されるサービスです。
もちろん現時点では、独自の情報を持たないWebサイトこそ検索結果からおおよそ姿を消しつつありますが、一方で本当に価値のある情報を持っているWebサイトが必ずしも優先表示されるような性能では今のところありません。
しかし、Googleの性能が向上すればするほど、ユーザーは求める情報にダイレクトに辿り着ける確率が高くなるはずです。
従って「情報を見つけるためのサイト」の色が強いサイトは将来的にはGoogleの検索結果における価値を失っていくことになり、その一方で、独自の付加価値を持つ情報を多く保有するサイトこそSEOにおける優位性を獲得してくるようになるでしょう。
今すぐの話では到底なさそうですが、そう遠くない将来、ここから何もしなければApplivも他人ごとではありませんし、他の縦型検索系媒体も同じような課題に直面することになると思います。
「検索結果に優先表示される理由」を持っているサイトこそ、SEOに優れているサイトだと思う
結論というか、今回の記事で言いたいことはここで、皆さんに強く意識されたいポイントです。
今は何かしらの方法で大量のデータを集めて、それらをコンテンツとして一度にWebに公開してインデックスさせることが比較的容易にできてしまう時代です。
それを分かりやすく整理して掲載してあげることで、それらしきサイトの体裁が成り立ちます。テーマにもよりますが、その上である程度のプロモーションを行っていけばそうしたページが検索にヒットすることも出てくるでしょう。
でもそれでは決して十分ではないはずです。何故ならばそのサイトは「多くのコンテンツをWebに掲載している」だけで、「自分たちで価値ある情報を生み出している」わけではないためです。
それであれば「他のサイトで良いじゃない」とか「Googleが検索結果で直接提示してあげれば良いじゃない」ってことになってしまいますね。検索結果にそのサイトが提示されなくても困る人はほとんどいないでしょうし。
結論としては、検索結果に他のサイトより優先して表示される理由を生み出すこと、それがSEOの基本であり、同時に奥義となり得ると思っております。そういう理由をたくさん有しているサイトこそ、「SEOに優れたサイト」と言えるのではないでしょうか。
もちろんまだまだテクニカルな対処で改善させられることはたくさんあるのですけど、SEOのテクニックというのは、あくまでも保有している情報の価値が前提にあって、それを最大限活かすためのテクニックですので。
まとめ
とりあえず今後Applivはどのような施策を打つのですか、ということについては僕がここで語ることではないので割愛しますけど、まぁ色々試行錯誤しながらきちんと今よりも独自の価値を持つサービスとして成長できるように頑張っていっている感じです(多分)。
少なくとも「検索したらよく見かけるサイトを作る」をゴールにするつもりはありませんので、そのあたりは是非温かく見守っていて頂けると幸いです。
(勝手に色々話しましたけどまぁ外からみて分かる人には分かってる情報だと思いますので大丈夫でしょう。)
「クロールバジェット」という言葉について
何やら「クロールバジェット」という言葉が最近お客様の一般的に使われているのを聞くということで先週くらいに社内でちょいちょい話題になっていました。
クロールバジェット(Crawl Budget)って何ですか
簡単に言うと、「このサイトは1日あたりこれくらいクロールしますよ」という上限値(Budget)をPageRankなどの指標を元にGoogleが割り当てており、このバジェットが低いとサイトが十分にクロールされません、みたいな雰囲気で使われる言葉です。
耳慣れない方には耳慣れないと思います。かくいう自分も業務上使ったことはないですしそんなに話題になることもありません。たまに海外のフォーラムなどで話題になっていることはありますね。
で、そもそもGoogleの公式で出ている言葉でしたっけと思って英語圏の公式サイト巡ってみましたが現時点ではGoogleの公式情報では確認できていません。Googleの技術的な用語というよりも便利な造語という捉え方をした方が良いかもしれません。
諸情報によると以前行われたWeb系のイベントでGoogleの方が「(クロールバジェットという概念は)Googleには存在しない」と発言もされていたようでして。ということで、まあ言葉としてはなかなか曖昧なものとして捉えておいて良いのかなと考えています。
で、言葉の説明についてはそれくらいにしまして、ここから本題。
あろうがなかろうが、考え方としては重要
仮にクロールバジェットなるものが存在するとした場合、単純に考慮すべきポイントは以下です。
・より多くのクロールバジェットを確保するためには多くのリンク(=高いPageRankやAuthority)を得ていることが重要
・クロールリソースは無限ではないので、無駄遣いさせない工夫が必要
そしてこれはクロールバジェットなるものがあろうとなかろうと、とても大きなサイトを運営している方にとっては非常に重要なSEOの要素だと認識しています。
クロール絶対量を増やしてサイトを十分にクロールさせる
ページがクロールされるのはクローラーがリンクを辿る中でURLを発見できるからであり、ほとんどリンクを得られていないページと多くのサイトからリンクをされているページでは後者の方がクロール対象になる確率は高くなります。
全体のクロールリソースが一定だとすれば、クロール対象になる確率が高い(=クロール中にリンクURLが発見される機会が多い)ということはクロールされる絶対量が増えるということです。
つまりクロールの絶対量を増やすのであれば、より多くのリンクを獲得することがそれに直結すると考えて良いでしょう。これはクロールバジェットの考え方と相反することはありませんね。
注意:SEOにおいてリンクを軽視する傾向はダメ
話題がそれるので別途まとめようと思いますが、コンテンツ重視の流れになってきているなか、逆にリンクが軽視されつつあるように思います。これは全くもってダメな流れと思います。
誤解を恐れずに言いますと、今のGoogleはまだまだ“Link is King”を否定できない検索結果です。すなわち今のSEOにおける最重要業務の一つは以前と変わらずリンクを獲得することと断言して良いと思っています。
変わってきているのは、そのプロセスとして人工的な簡易サイトからリンクをもらって順位を上げるような旧来の施策がGoogleには淘汰されつつあり、その分なおさらコンテンツやプロモーションによってリンクを構築していくことが重要になっている、という話です。
リソースを無駄遣いさせないための工夫
仮にクロールリソースが有限だとした場合、全てのURLが確実にクロールされる保証はありません。従って、不要なページにリソースが割かれないよう、重要なページのクロールに集中させる工夫が必要です。
それは例えば無駄な重複コンテンツを発生させない仕組み、理論上URLが無限に生成される仕組みが存在するのであれば運営側でのコントロール、(本当に)クロール不要なコンテンツへのrobots.txtなどの制御、などです。
少なくとも、例えば全くリンクも得られていなくてクロールされる絶対量が十分でないのに、本来クロール不要なコンテンツばかりクローラーがたどっているといった状態は避けるべきでしょう。
注意:不適切なクロール制御は単なる逆効果
クロールを制御することはコンテンツの認識に大きく影響する施策です。テクニカルな意図でrobots.txtを乱用するとかnofollow埋め込みまくるなどは基本的にはほとんどのサイトで考えなくて良いはずです。
あくまでも「クロール不要なURL」とか「制御しきれないほどの大量の重複コンテンツや空ページ量産」などへの制御を場合によっては検討する、レベルで十分と思います。
単純な絶対量(Budget)の割り当て、というよりもクロールされる確率と優先度の問題かなと思いますがどうなんでしょうか
見出しの通りなのですが。絶対量ではなくて「URLが見つけられてクロールされる機会の多さ」「クロールされる優先度」なのかなと。優先度は、「重要な情報どうか」だけではなく「クロールに支障がないか」などによっても決められるんではないかと感じています。
- 獲得しているリンクが多ければ、その分クロールされやすくなります。
- どちらにせよサイトが無限にクロールされることはありませんのでリソースは有限です。
- 有限なリソースなら、より効率よく重要なページがクロールされる工夫をしましょう
ということに加えて、例えばサーバーサイドでエラーが頻発するとか待機時間が鬼のように長い、みたいなことがあればそれは有限なリソースを食いつぶすことにも繋がりますので、そうしたサイトは必然的にクロールの優先度を下げられると考えて良いと思っています(これは体感でめっちゃ感じるところ)。
個人的にはこの(特にサーバサイドの)速度改善もクロール優先度を上げるために必要な施策と思っております。特に新規のサイトでコンテンツ量は多いけどリンクは集まってないし速度も遅い、みたいなサイトだと本当にSEOは全く機能しないなという印象です。
なんだかとりとめないですがここまでまとめますと、
- 多くのリンクを集める
- クロール負荷をかけないよう速度改善する
- クロールを制御する(その必要があれば)
大きなサイトで重要なページのクロール絶対量を増やすために特に重要なポイントはこの3点でしょうか、と思っています。なんだか当たり前な感じになりましたけども。
以上です。ちょっとライトな話題ですが社内用メモとして書いておきました。(この辺り実務レベルでしっかり語れる方で補足頂けるようでしたら是非ご遠慮なくお願いします)
【お騒がせ?】Google大変動!ペンギン3.0来たか!? → 「ちょっと待て、そんなに動いてないじゃん」
先の8月22日(金)の深夜から週末にかけて、Googleの大規模な順位変動(?)が話題になっておりました。SEO関係者以外でもそれなりに話題になっていたようでしたので、今の時点で可能な範囲で経緯や状況をお伝えします。
8月23日(土)未明:最大級と言える検索結果の変動が話題に
ディーボさんが運営するnamaz.jpという変動記録ツールにおいて大変動を表す数値が出ている、として関係者の間でワイワイ騒がれておりました。
細かい解説は省きますが、下段の変動グラフが高い値を示していれば「変動が大きい」という意味を持ちます。
その他でも、晴錬雨読さんが公開している順位変動ウォッチャーにおいても、通常時よりも遥かに大規模な順位入替えが発生していることが記録されています。
実際に検索結果を確認してみると、確かに今まで見ていたものとは明らかに違う検索結果が返されていました。SEOに関わる仕事をされている方は、これはただごとではない、と多くの人が感じたことと思います。
しかし、検索結果を見ていても、「気持ち悪い」というか明らかにバグとか不具合なんじゃないですかと言いたくなるような結果であったことも印象としてはありました。
騒いでいたのは実は日本だけ?
さて、ここで、海外のGoogle検索結果変動を示すツールMOZCASTの変動データを見てみます。
※棒グラフでは最後の2列が22日~23日の変動を示しています。
米国時刻では日本で「大変動」が発生していたのは22日午前~23日午後くらいだと思いますが、両日とも「やや不安定」くらいのレベルで、日常の変動の幅を大きく超えるものではありませんね。
先ほどのnamazとの比較をしてみますと、8月13日~14日にかけて、通常時よりもやや大きめの変動が確認されていることは一致していますが、先週末の異常と思える変動についてはMOZCASTでは記録されていません。
かなり大規模な変動であったため、やんわりと予告されていた「ペンギンアップデート3.0」が導入されたのかという話も出ておりました。
しかし、ペンギンのようなアップデート(”言語”などのローカルな要因に左右されにくいアップデート)はこれまでも世界共通で実施され、日本でのみ大きな変動が発生することはあまり考えにくいと言えます。
ですので今のところ、「ペンギンじゃないと思います」と一旦結論付けておきます。(まだ分からないですけどね)
実際に、検索結果はどのように動いたか(8/25時点)
計測対象キーワードのうち10000キーワードをサンプルとしてランダム抽出、集計しました。分析というにはほど遠い代物ですがおおよその動向をつかむには問題ないと思います。
「前日対比」での集計結果
各日の「前日対比」のランキングの変動幅(絶対値)の平均を見てみます。やはり平時(変動前)の変動幅に比べて大きく動いているように見えます。
同じく、ランキングの入れ替わり率(掲載されていたポジションから大きく入れ替わったキーワードの率)はこちらです。全体の約15~20%のキーワードで、検索結果上のポジションが連日大きく入れ替わっていることがわかります。
同じく、検索結果に表示されていたURLの変更率について(もともとTOPページだったのに下層ページが表示された、などのキーワードの率)も調べてみました。
※ちょっとこれはわかりづらいデータでしたね。。
何にせよ、各種ツールが提示しているような大きな変動があったことは間違いないように思えます。しかし、これはあくまでも「前日からどれくらい動いたか」の集計ですので、ちょっと異なる集計として「(変動前の)22日(金)と比較して」でも行ってみました。
「大変動前(22日)対比」での集計結果
変動前と比較したランキングの変動幅(絶対値)の平均を見てみます。金曜日対比では、平均値で「1.3位程度」しか変動していないですね。
同じく、ランキングの入れ替わり率はこちら。こちらも、金曜日対比では全キーワードのうち「3%程度」しか入れ替わりが発生していないことがわかります。
同じく、検索結果に表示されていたURLの変更率はこちら。表示されているURLも、金曜日対比ではほとんど変化ありません。
つまり、土日は激しく変動していたが、本日時点では変動前の状態と大差ない検索結果に戻っていることがここから伺えます。
結論:「日常の変動に比べ、やや動きが大きかったかも」程度?
今回の変動は何だったのでしょうね。今のところGoogle関係者から正式な情報は出ておりませんが、何かのテストを行っていたのか、マイナーアップデートかデータリフレッシュの際に変な不具合が混入したのか、ちょっと不明です。
ただ体感として、「あれ、大きく動いたのに今日になったら戻ってる」というのは皆さん感じられているところかなとも思います。
もちろん何か大きな変更の予兆なのかもしれませんのでしばらく様子見は必要と思いますが、「今回の変動を機に具体的なアクションを起こす」根拠はちょっと今のところ見えてこない状況です。
最後に:世間の皆さんの反応
個人的には、こうしたニュースが出た際に、検索結果がどう動くか、ということももちろんなのですが、一般の(=SEO関係者以外の)方々の反応も同様にウォッチの対象としています。
最近NewsPicksというサービスを使っており、普段あまりSEOなどの話題は出ないのですが、週末にはこの変動の話題がピックアップされていました。
- Googleに依存するビジネスは危険。きちんと流入のポートフォリオを組まないと。
- こういう変動に振り回されるのが分かってるんだから、最初からSEOなんて無駄。
- もう時代はコンテンツの時代。良い記事を書くことだけ考えれば良い。
- SEOなんてもう不要な技術。そこにコストかけるのは無駄。
などなど、色んなことを言われているわけですね。もちろん皆さんSEOについて專門で仕事をされているわけではないし、日常的に何百とかのWebサイトを見ているわけでもありませんので仕方ないですけれども。
ということで、次回はこうした方向けにSEOの事情を少しは理解して頂けるよう、何かしらの形で自分の解説をまとめて書いてみようかと思います。
【初心者向け】 アクセス解析を売上につなげるカギは「目標設定」と「現状分析」
スタビライザー小松氏による寄稿5記事目。今でこそアクセス解析を行っていないWebサイト自体少なくなりましたが、一方でツールを導入していてもなんとなく数字を眺めているだけ、、というケースも少なくないのでは。基本に立ち返り、なぜアクセス解析が必要なのか?改めて見直してみてはいかがでしょうか。
「アクセス解析って、何のために行うんですか?」
さて、この質問、あなたならどう答えますか?
これは、最近私のクライアントの方から立て続けに聞かれた質問です。この記事を見られている方の多くはアクセス解析をしてる人のほうが多いかもしれませんね。
Webサイトじゃなくて、自分の体でまずは考えてみましょう。
「アクセス解析って必要なの?」という質問は「健康診断って受けないといけないの?」によく似てます。
ちなみに、会社の健康診断は安全衛生法により定められている為、会社は健康診断を受けさせなければなりません。
では、皆さんは、法律で決まっていなかった場合、健康診断は受けますか?受けませんか??
「悪いところあったらやだから、受けようかな・・・」という人、「体調悪くないし別に受けなくてもいいや」と思う人など、様々かと思います。ただ、あくまで「現状確認」にすぎないと思います。
今の自分のカラダがどうなっているのかな?というのを知りたい、そしてなにかしら対策をするべきなのか?それを知りたい方が多いかと思います。
「Webサイトのアクセス解析、よくわからないけどちゃんとやった方が良いのかな?」という方は、この状況に近しい方が多いです。
アクセス解析して悪いところを直そうと思う人もいますが、見たって別に修正しないし、修正すると費用かかるし…。
そういうことであれば、売上や問い合わせが増えない、急激に落ちたと体感した時に原因を探る一つとして参考程度に見ればよいのです。まさに、自分のカラダの健康診断と一緒ですね。
売上をWebサイトであげよう!と思っている場合はどうするか?
一般的なサラリーマンの健康診断に例えると上記のような話ではあるのですが、Webを活用して売上を上げよう!と考えている場合はまた少し違います。つまり多くの場合はこちらの話です。
この場合はアスリートの体力測定です。
皆さんがアスリートとして大会に向けて例えば背筋力、持久力、肺活量Upの為にトレーニングに励んでいた場合、体力測定って受けますか?受けませんか?
この場合はおそらく積極的に受けるはずです。
トレーナーの方がつく場合もありますが、まずは、トレーニング前に一度は体力測定を行い、一定期間トレーニングを行った後、改めて同じ項目を測定します。そして、数値を測った結果、
- もっとここの筋肉をつけたほうが良い
- このトレーニングをもっと増やしたほうがいい
- こっちは達成しているから別のトレーニングにしよう
と、まず
- 現状を分析し、
- 結果をもとに差異を測り、
- 今後の計画をたてる
といったようなことをされるのが普通ではないでしょうか。そして、Webで売上をあげるためのアクセス解析は、このアスリートの体力測定と同じです。
大事なことは目標設定と現状分析
CV(コンバージョン)目標を決めて、まずは現状分析を行います。その上で、例えば
- アクセスを増やす施策を行った、広告出してみた、SEOに取り組んだ
- サイトの改善を行って直帰率の高いページを改善した
- CVRが1%だったので、エントリーフォームを改善することで1.2%を目指したetc
など、あくまで【現状】を元に【目標】を設定し【計画】を立てる。
アクセス解析は【現状(結果)】しか分かりません。大事なのは目標を目指して何かをした結果をどう捉えて、どう次のアクションに結びつけるか?ということです。
アクセス解析で改善点を見つけ、手を打つ。また、アクセス解析して打った手がどうだったか検証する。この繰り返しです。
アクセス解析に必要なのはGoogleアナリティクスのテクニカルな使い方とか、タグマネージャーの高度な使い方を細かく知ることではありません。
アクセス解析をすることは、Webサイトの目標設定と目標を達成する為の手法です。目標設定なしにアクセス解析のデータをいじくり回しても何の価値もありません。
理想と現実のギャップを埋めるのがアクセス解析のやり方の一つですから、まずは現状分析から初めて、その上で、目標設定してみることが大事だと言えます。
目標なしにWebサイトを運営するのはただ、その辺をうろうろと散歩しているのと同じです。決して目的地に着くことはありません。登る山(目標)が決まれば必要な装備(施策)も決まってきます。
まとめ:目標なしにアクセス解析をしても無意味
とはいえ、下記のような方も多くいらっしゃるのが現実です。
- 現状Webサイトはあるが、何となく運営していて目標が明確でない
- Webサイトを全面リニューアルしたいが、どのような戦略で進めていいのか分からない。
- アクセス解析は実施しているが、何を見ていいか良く分からない
そのような方は、お気軽にご相談ください。
『HTTPSをSEOで優遇』 SSL化を推奨するアルゴリズム導入をGoogleが公式発表
昨日、SEOやWeb周りの方々が少しざわめいておりました。話題となっているのがこちらです。
Google ウェブマスター向け公式ブログ: HTTPS をランキング シグナルに使用します
本件につきましてはきっと多くの方からお問い合わせを頂くことが増えるでしょう、ということが明確ですので、あらかじめ記事にまとめさせて頂く次第でございます。
Q: まず、これは一体何の話ですか?
概要としては、SSL化されたWebサイトをSEOの評価として優遇します(=HTTPSであることが、SEO上のプラスになります)、といったものです。
こうした方針を検討している、という旨をGoogleが初めて発表したのが2014年の初頭に行われたイベントにおいてでした。( 参考:Google、安全なSSL導入サイトの検索順位を優遇したい? 実現は難しそうだが・・・ SMX West 2014 )
関係者の間では、当時から変わらず導入の賛否は分かれているように見えます。どちらかというとサイト全体へのSSL対応についても慎重派がマジョリティな印象です。
Q: 影響度はどれくらいあるのですか?
冒頭のGoogleの公式記事をそのまま拝借しますが、
全体的に見ると、このシグナルは良質なコンテンツであるといった、その他のシグナルほどウェイトは大きくありません。HTTPS は、優れたユーザー エクスペリエンスを生み出す多くの要素のうちの 1 つです。
ということですのでそこまで大げさなものではなく、実際に公式にも検索の全体のうち1%未満にしか影響しません、と言っていますので、数字だけ見れば、決して日常的な変動に比べて「とても大きな変動」という規模ではありません。ですが、
これから長い期間をかけて強化していきます。
とあるように、これからどの程度この流れが加速していくかについては不明です。今すぐに導入せずとも、いずれどこかのタイミングで検討するかもしれない、ということは頭の片隅に置いておいて良いでしょう。
Q: この件について、何か懸念事項はありますか?
例えば、規模にもよりますが導入コストはもちろんですが、SEO的な課題では、URLが変更する問題(全て正しくHTTPSに評価を引き継げるか?とか正規化処理ミスは発生しないか?など)が一般的な問題でしょう。そのほかにも、関係者の皆さんの意見として色々あがっておりまして、
refererを渡す事に意味があるメディアサイト等は、世の中の多くのサイトがSSL化するまではSSL化は難しいですねえ…… このことと、サーバリソース関連と、若干のコストと、移行で失敗したら逆効果、ということ以外にマイナスはあるかな?
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2014, 8月 7
とか、同じくリファラー関連の話では
httpsのサイトが増えると自分もhttpsにしておかないとGoogle アナリティクスでdirectが増えるってことになるのが面倒な感じです。 #fb
— 森野誠之 (@uneidou) 2014, 8月 7
などの懸念も早速上がっていたり。direct増えるというのは確かに解析を専門としている人にとっては結構厄介な話でしょうね。また、
Googleさんの発表を受けて、予算もないし全ページ共用SSLに入れましょう!って話がでてきそうで怖い・・・。 #fb
— 森野誠之 (@uneidou) 2014, 8月 7
とか、同じような切り口で
SSLがSEOに効きますという営業トークに乗っかったのにURL処理が適切にできてなくて、むしろトラフィック下がるというトラブルが頻発しそう
— Tomohiko Kezuka (@tomohiko11) 2014, 8月 7
とかっていう、無責任な提案も増えそうで(しかもそのとおりになってしまう事案が本当に多そうで)怖いなというのも思います。更に、
SEOのためにSSL証明販売されるのか
— Takahiro Watanabe (@takahwata) 2014, 8月 7
これはもう過去にもありましたし本当に色々想像に難くないのですが、「Googleも公認、SEOに絶大な効果」的な宣伝文句でSSL証明書が販売されるということが絶対にあるでしょうね。
結果としてセキュアなWebサイトが増えるというのは悪いことではないのかもしれませんが、きちんとした意味や背景を理解した上で導入するのと、間違った認識で導入するのではやはり意味は違うかなと思います。
Q: なぜGoogleがSSL化されたHTTPSを優遇するのですか?
基本的に、Googleは「ユーザーがより良質なコンテンツに到達できるように」を基本として検索アルゴリズムを改良しています。
しかし、HTTPSであるかどうかはコンテンツの内容そのものの改善ではなく、通信環境の問題です。少なくとも大部分のユーザーが普段から求めていることではないでしょう。
では、これをなぜGoogleがSSL化を大々的に推奨し、ランキングにまで反映させるのか?というのは実際僕もそんなに腑に落ちていないこともありました。が、
SSL・非SSLで情報の有益さが違うはずはないのにこんな発表があるとお金やリソースに余裕があるところだけが(現状微細ではあるものの)有利になるわけで検索だけを考えると良いとは思えないのですが、検索だけでなく「インターネットがどうあるべきか」とかの考えなんでしょうねえ。
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2014, 8月 7
と言えば確かにそれなりに納得できますね。また、
サイト運営会社はグーグルの検索結果で上位に入りたいと考えている。このため、グーグルは検索アルゴリズムで開発者の慣行を促進したり阻止したりできる。例えば、読み込みの遅いサイトは検索結果で不利な扱いを受ける一方、質の高いサイトは上位に表示される。
とあるように、インターネット全体をSSL化の動きに促進するのであれば、Googleが自らのランキングアルゴリズムへの反映というのはサイト管理者の大きなモチベーションになりうる、という理屈も理解できます。
Q: この動きに対して、どう対応するべきですか?
SSL化することで検索結果においてどれだけ優位になるのか?が不明確なこと(少なくとも今は微小)、その中でコストやリスクを負うことになるというのはあまり手放しで推奨しにくいものです。
個人的な見解としては、皆さんがこぞって「SEOの目的で」ワサワサと導入する必要はないんじゃないでしょうかとは思っています。
ですので僕からは現時点では積極提案することはありませんが、いやいや、でもせっかくだからこれを期にSSL化しようよ!という意向であればそれはGoogleも本意でしょうし早速導入されて良いと思います。ただしURL引き継ぎの処理などに漏れのないよう、慎重に進められることをお勧めします。
読み返してみたら引用だらけですみません。また追加情報などございましたら追記いたします。
※8/8追記
こちらにより具体的なQ&Aが紹介されています。
HTTPからHTTPSへの移行で出てきた質問に回答 | 海外SEO情報ブログ
ライターに「良いコンテンツ」を書いてもらうために必要なこと
昨日に引き続き、寺田です。改めて語るまでもありませんが、コンテンツマーケティングだとかオウンドメディアといった言葉がバズワード的に流行しているように、コンテンツにどのような戦略的役割を持たせるか?はみなさんにとっても大きな課題となっていることでしょう。
しかし一方で、コンテンツの制作量が増えるほど「書いてほしかった原稿とイメージが違うかも?」「なんか、このコンテンツ…微妙。」といった、制作するライター側と依頼するディレクター側の間でズレが生じる機会も増えていきます。
コンテンツ制作の現場で日々起こりうるそのようなズレをなるべく少なくし、より良い文章を書いてもらうためにはどうしたら良いのでしょうか? 雑誌制作を10年以上続けてきた経験から「良い文章をライターに書いてもらうための方法」をみなさんと一緒に考えてみたいと思います。
人によって「良い文章」の定義が違う
意外と見落としがちですが、文章ほど人の好みが出るものは無いかもしれません。
ある意味、料理の味付けに通じるところがあります。ラーメンとかわかりやすいですね。「あそこの店のコッテリ感がたまらない」「いやいや、こっちの店は麺と絡んで…」といったように、“味覚”は人によって左右されます。文章も近いものがあります。
それでも一般的には、下記のような文章が「良い文章」の最低限を満たしていると言えるのではないでしょうか。
- 読みやすい
- わかりやすい
- 読み手に伝わる
作家の井上ひさしは、
「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、ゆかいなことをいっそうゆかいに」
と、座右の銘を語ったといいます。なんかイメージはできますね。
でも、ここで「日本語」について考え始めてしまうと、どれだけ時間があっても足りません。結論を言うと、100%発注者のイメージ通りという文章は発注者が自分で書かない限りは世の中に存在しません(想像以上という、うれしい場合はけっこうあります)。
例えば、上の文章を
「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く、面白いことを真面目に、真面目なことを愉快に、愉快なことをいっそう愉快に」
と漢字に変えてみたらどうでしょう?
パッと見て意味がわかりやすくなったと思いますが、なんだか堅い印象になってしまいましたね。同じことを書いていても文章は文体や語彙で雰囲気がけっこう変わってしまうものなのです。
つまり、文体や語彙など文章表現のレベルで「良い文章」は定義できないのです。
大事なことは文章表現よりも文章構成
話を少しビジネスの方に戻すと、Webコンテンツで重要視すべきことはターゲットユーザーに何を伝えられるか、彼らにどう行動してほしいのかという部分です。
コンテンツマーケティングで語られるように、多くのコンテンツはユーザーごとに異なる不安や需要を満足させるためのものであり、大切なことはその文章によってどれだけの「気づき」があったかという点です。
これは表現に左右される部分もありますが、それよりも何が書かれているか論理的に筋が通っているかという文章構成によって決まります。つまり、大切なことは文章のネタ(材料)です。
やってはいけない依頼方法の代表例:「とりあえず書いてみて」
ところで、これをやったら必ずライターに嫌われるという発注方法があります。
それは「とりあえず書いてみて。それに修正の指示を入れていくから」というもの。こう言われてしまうと、ライター側としても「どうせ修正されるんだから…」と100%のエネルギーを注ぎにくくなります。
そもそも「とりあえず書いて」と言われても、何を書いてほしいのかわからないですしね。必然的に納品されるコンテンツのクオリティも下がります。地雷担当者とライターの間で繰り広げられる会話というのは、だいたいこんな感じでしょう。
発注者 :とりあえずテーマは” ○○○”で書いてみて。それに修正の指示を入れていくから
ライター:はーい。わかりましたー。(どうせ修正されるんだから、サクッと書こうっと)
発注者 :コレじゃないんだよなぁ。修正。もっとユーザーを意識した原稿に…と。よし。
ライター:ユーザーって…何をどう書けって言うんだよ!? (たぶん、こういうことだろう)
発注者 :うーん。微妙だなぁ。このへんとか書き直してもらおうかー。
ライター:うわっ! 直した意味ないじゃん! もう言われた通りの仕事しかしない! 送信!!
発注者 :もらった原稿、ユーザーを意識した原稿になってないけど?
ライター:いや、指示通りユーザーを意識して書きましたよ!
発注者 :いやいや。ユーザーってさぁ…
不毛ですね。デスマーチ一直線です。さすがにここまで極端なケースは少ないと思いますが、ここでの問題点はライターと担当者、どちらも①ターゲットユーザーと、②伝えたいこと(気づいてほしいこと)の認識共有ができていないという部分にあります。
書いてみてから気づきましたが、これはライティングだけではなく、Webデザインなども全く同じことが言える気がしますね。
重要なのは依頼の事後よりも事前
「後始末より前始末」という言葉があります。これはトラブルやクレームになった後始末よりも、そうならないための事前準備をしっかりと行うことで仕事の効率化をはかった方が、結果として成果もあがりますよねという考え方です。
Webライティングにおいては少なくとも、以下の4項目は事前に共有した上で、ライターに書き始めてもらうことが大切です。
- ターゲットユーザー
- 伝えたいこと(気づいてほしいこと)
- 競合他社と差別化したい(特筆したい)点
- 上記を満たしたうえでの文章の着地点
例えば、弊社では、コンテンツ制作の際、事前にクライアントからヒアリングした内容を元にライターへ制作指示を出します。
上記の4項目はもちろん、全体でだいたい20~30項目ほどになるでしょうか。それらをディレクターが理解した上でヒアリングシートと呼ぶ製作依頼書にまとめ、ライターと打ち合わせて制作業務に入ります。
弊社は社内にライターを抱えているので、クライアントが抱える課題やサイト全体のコンテンツ戦略など依頼の背景についても顔を合わせて話をしながら、互いのイメージをすり合わせることができます。(弊社のサービスページにそれらしき図があったのでそのまま持ってきました)。
一見、ライティング業務以外に比重を置き過ぎているように思えるかもしれませんが、実はこのすり合わせこそが、文章構成(材料)だけではなく文章表現(味付け)まで含めた仕上がりの質を向上させることに大きく影響します。
例えば、あなたがもしクラウドソーシングなど外部ライターに制作を依頼する場合でも、できるだけ「文章にした依頼」と「口頭での説明」を併用することをおすすめします。
特に初めて一緒に仕事をする場合は、人によって「良い文章」の考え方は大きく異なります。例えば電話1本、数分だけ言葉を交わすことでも互いに見落としていた部分に気づけ、「後始末」に必要な時間を数十分単位で少なくすることができるはずです。
ライターのスキルを最大化するには?
ライターは機械ではありません。どれほどベテランのライターであっても、感情を害されれば納品物の質が下がることはあっても上がることはあまり期待できませんね。
逆に気持ちよく仕事に取り組んでもらうことで、期待以上の働きをしてくれる可能性も高まります。では、ライターに気持よく仕事をしてもらうためにディレクターが今すぐできることとは何でしょう?
- 最初に1~2記事を書いてもらって、互いの理解が共有できているかを確認する
- ズレていると感じた場合、どこがどのように違うのか具体的に修正依頼する
- 細かい表現についてはライターに任せる
- 原稿が納品されたら早めにチェック、遅くとも翌日には返す
- 返した原稿の修正点について電話でもいいので簡単に話す
書き出してしまえば珍しいことではないですね。メールと一緒で、早めに返事をもらえると人間誰しもうれしいものです。(5)まで当然のようにできれば、たとえ修正が多くなってしまってもライターはよろこんで次の仕事の相談に応じてくれるはずです
ライターは「育てる」意識が重要
雑誌制作の現場においては、ライターは編集者と個人の結びつきが強い存在です。お互いに「育てた(育ててもらった)」という、ある種の職人的な関係性があるからでしょうか。
これは「良い文章」という主観的な成果物を制作するための、ある意味で効率的な仕組みなのかもしれません。Webコンテンツは紙媒体に比べて単価や制作時間が軽くなる傾向があるためか、ライターとディレクターの関係もその場限りになってしまいがちです。
しかし今後企業サイトのオウンドメディア化が普及すると、コンテンツの差別化をはかるためには、より専門性の高い、或いは他と違う視点で作られた、など”他にはない”コンテンツが必要となります。その時に頼りとすべきライターチームがいるかいないかは、サイト運営戦略のキーポイントになりそうです。
チルチルとミチルではありませんが、良い文章を書いてもらうためにはまず自分のまわりを見渡してみることが大事かもしれません。一朝一夕で実現できることではありませんが、ぜひこの機会にライターとの関係を考えてみてはいかがでしょうか。
ライターさん、随時募集してます
ライターの方、弊社で一緒に仕事をしませんか?ご興味ありましたら是非ご連絡下さい。経験やスキルに応じて、ライティング、校正、編集、取材、様々なお仕事があります(結構、あります)。Webライティング実績のある方は特に大歓迎です。
コンテンツは誰のため?何のため?コンテンツマーケティングを成果に導く5つの質問
コンテンツ制作チームの寺田です。前回、コンテンツマーケティングに関してWebと雑誌という業界の違いに着目した記事を書かせてもらいましたが、多くの方から反響をいただき「コンテンツマーケティング」に対する皆さんの関心の高さを改めて実感しています。
そこで今回は、コンテンツマーケティングの思考にもとづくコンテンツ拡充策で間違ってしまいがちな5つのポイントを取り上げつつ、価値あるWebコンテンツについてより深く考えていきましょう。
コンテンツマーケティングを成果に導くための5つの質問
1. そのコンテンツは誰のために書いている?
2. そのコンテンツは何のために書いている?
3. そのコンテンツはビジネス上の成果につながる?
4. どこでユーザーとコンテンツは接点を持つ?
5. 上記を踏まえて、運営できる体制は整っている?
1. そのコンテンツは誰のために書いている?
SNSでは毎日のように「ホントっ!?」という記事やニュースがシェアされています。いわゆるバズるというやつですが、サイト運営やメディア展開に不慣れな方が話題性を重視して同じようなことを企画しても必ずと言っていいほど成果につながりません。
個人的に大好きな「前田建設ファンタジー営業部」というコンテンツがあります。ご存知の方も多いと思いますが、これはゼネコン大手の前田建設さんが、架空の部署のストーリーとしてサイト上に立ち上げた「ファンタジー営業部」の苦闘が描かれています。
URL: http://www.maeda.co.jp/fantasy/
例えば、宇宙戦艦ヤマトの発進準備に必要な基地建造を前田建設が行うとしたらどのように実現するのか? といったような奇想天外なプロジェクトがとても具体的に紹介されています。
企画も文章も非常にクオリティが高い、良質なコンテンツとなっていますが「じゃあ、ウチの商品を同じように空想ネタで…」みたいなことを考えても、絶対にうまくいきません。
仮にキャッチ感のある写真やインパクトあるタイトルコピーで瞬間的に目を引くことはできたとしても、それはあくまで一時的なこと。多くは商品を購入する「お客さん」にならず、「一見さん」で終わってしまいます。
まず大事なことは「誰のためにコンテンツがあるのか?」ということ。あなたのサイトが本当に仲良くなりたい(なるべき)ターゲットユーザーに、伝えたい内容が届くかどうかです。
2.そのコンテンツは何のために書いている?
上記と関連性の高い内容ですが、目的が明確でないコンテンツを量産してもターゲットユーザーには届きません。
届くか届かないかは単純にコンテンツひとつひとつのクオリティという問題もあるかもしれませんが、むしろ表面的な文章の品質よりも重要なのは「何のためのコンテンツなのか?」、つまり「何を伝えたいか(=ユーザーに気づいて欲しいか?)」という視点です。
前述した「ファンタジー営業部」の記事を読んでいただければ気づくと思いますが、プロジェクトが奇想天外な反面、実現するための手段は驚くほど現実的に受け取れます。「こんなことが出来るのか!」と、素人ながらに感心してしまいます。
私はダムを作るわけでもビルを建てるわけでもありませんので前田建設のターゲットユーザーではありませんが、意図は伝わっていますし、ド素人の私ですら、このコンテンツをきっかけに企業に興味を持ち、結果として好感を持っていとことは間違いありません。
3. そのコンテンツはビジネス上の成果につながる?
「これからはリンクじゃなくてコンテンツ」という文脈でホワイトハットSEOやコンテンツSEOが語られる際に、わりとありがちな話なのかもしれません。
ただ「コンテンツマーケティング」とか「コンテンツSEO」なるものを、「コンテンツをたくさん作ること」と勘違いしていると、期待するような効果はまったく得られないでしょう。必要なのは、ビジネス上の成果につながるかどうか? という視点です。
上で述べたように、ターゲットユーザーへサイトの魅力を伝えて「お客さん」になってもらうためにはいくつかのプロセスが必要です。「必要だから今すぐ買いたい!」というユーザーにしても「何でもいいから売ってくれ!」というわけではないですし。
当たり前ですが、商品の魅力を的確に伝えて「これなら悩みが解決できる!」とユーザーが納得してもらわないと購入にはつながりません。その商品が必要かどうか、自分の悩みを明確に理解していないユーザーにはなおさらですね。
参考:“ホワイトハットSEOが上手くいかない”という人へのアドバイス
4. どこでユーザーとコンテンツは接点を持つ?
先に述べた3つと比べると、これは若干テクニカルな領域です。コンテンツ戦略として、どのターゲットユーザーとどこで出会うか?は意識しておく必要があります。
それがFacebookなどSNSを流入経路に設定するコンテンツであれば、目を留めたくなるような写真は必須でしょう。シェアや拡散もされやすくなります。また検索や広告を流入チャネルに設定するのであれば、当然キーワードに応じたコンテンツマップも考えておくべきです。
大事なことは、これらのマップが何かしらの形で用意された上で、関係者の共通認識のもとでコンテンツ制作がスタートできるということです。
全体の事前設計を描いた上で、例えば最新事例を取り上げたコラム記事で外部リンク獲得やソーシャル拡散を狙い、独自ノウハウを盛り込んだQ&A記事は検索キーワードから、期間限定キャンペーンLPはリスティング広告で効果的なキーワードを、といった感じで各コンテンツの流入経路までを決めておく必要があります。
5. 上記を踏まえて、運営できる体制は整っている?
身も蓋もないのですが、上記の1~4を満たしてコンテンツマップを事前に描いていても狙い通りの成果があがるとは限りません。作ることと平行して、定めた目標に対する効果検証を行っていくような体制づくりも重要なポイントです。
この点で誤解を恐れずに言えば、大事なことは以下の2つだけです。
・コンテンツを書くのは誰か?
・コンテンツの解析と戦略を行うのは誰か?
手を動かす人と、頭を動かす人が必要ということです。小さなサイトやブログであれば担当者1人でも両方カバーできるでしょうが、ある程度の事業規模が必要な場合は、それぞれに専門の人間を置いた方が効率的です。内部リソースに限りがあるのであれば外部の協力者に一部業務を委託することも検討しても良いとは思いますが、ただし丸投げは禁物です。
まとめ
どれほどコンテンツの中身が素晴らしいものでも、それが検索流入に反映されたりやユーザー認知が高まるまではある程度の時間がどうしてもかかります。
「成功の秘訣は、成功するまで続けることだ」という名言もありますが、根気よく世の中に対して価値ある情報を発信していくことはエネルギーが必要です。
ただ、おそらく最後までこの文章にお付き合いいただいたあなたのサイトには、何かしら他にはない魅力を持った商品やサービスがあるはずです。その1点をまずは明確にして、競合他社には出来ないようなコンテンツを考えることから始めてみてはいかがでしょうか?
戦略のあるコンテンツは必ず資産としてサイトの中で効果を発揮し続け、中長期的に相当な投資対効果をもたらしてくれます。
サイトの成果に不満がある、またはコンテンツマーケティングにもとづくサイト運営を導入しようと考えている方は、ぜひ冒頭の5つの質問を投げかけてみてはいかがでしょうか。
なお、弊社でもコンテンツ戦略と関連したSEOコンサルティング、コンテンツ作成支援サービスなどサイト運営のサポートを行っています。何かお困りの際にはぜひお気軽にご相談ください。
SEOを知らないディレクターがビジネスをダメにする/Webディレクターズマニュアル中村健太氏インタビュー
唐突に始まった企画の対談モノですが反響次第では継続していくかもしれません。
ということで企画の第一弾として、Webディレクターズマニュアルの運営をはじめ、若手(?)Webディレクターとして幅広い活動をされていらっしゃる中村健太氏に、「WebディレクションとSEO」をテーマにお話頂きました。
自身の集客経験から、SEOの重要性を知る
土居:今日は「WebディレクションとSEO」というテーマでお話できればと思います。改めまして中村さん、本日はよろしくお願いします。
中村:はい、よろしくお願いします。
土居:さて、中村さんはWebディレクターの中でもかなりSEOにも精通しているイメージがあります。SEOは独学ですか?
中村:昔は個人でWebサイト作ってアフィリエイトをやっていた時期が何年間かありまして、その時にかなりSEOは勉強していました。今では通用しないような手法も結構やっていましたれどね(苦笑
やっぱりWebで集客しようとか考えていくと、何だかんだでSEOは絶対欠けてはいけないものなんですよね。ですから今でもサイトを作る時にはSEOどうしようっていうのは必ず考えていますし。
幸い、SEOに詳しい専門家の方も周りには多いですので、なるべく時代遅れにならないようにキャッチアップはするようにしています。
土居:なるほど、自分で実践していた時期があったんですね。納得です。
SEOはディレクターの必須スキル!でも知らない人が多すぎる
中村:でも逆に言えば、SEOを知らないディレクター、SEOに興味すら持っていないディレクターが多すぎる、とも思っています。だってWebディレクターがSEOある程度知ってるとか普通のことだって思いますよ。
サイトを作る上で、検索からどうやって集客するのか?とか、どうやったらサイトが検索エンジンに評価されるのか、とか、全く知らないとか考えられないとかでサイト作っちゃったら、クライアントのビジネスをダメにしちゃうじゃないですか。
ディレクションって、突き詰めれば”Webビジネスをデザインすること”ですから。
だから、知ってて普通というか、ディレクターなら必須スキルだと思うんです。デザインとかHTMLとかCSSを知ってて当たり前なのと同じくらい。
土居:確かに、欲を言えば、皆さんもうちょっと最初から考えていただければなー、と思うことはありますね。あとは中途半端な知識で大胆なことをやってしまって取り返しつかなくなったりとか、、
ただ、個人的にはWebディレクターをやりながら、SEOの技術的な領域まで全てカバーするっていうのは至難の業だとは思うんですよね。というか誰にでも出来てしまうのであればもう僕いらないですし。
中村:それはそうですよね。ただ、「ここは詳しい人に相談しておいた方が良いな」とか、例えばそういうことが考えられるだけでも全然違うと思うんです。一番だめなのは、「SEOとか分からないしこれでいっか」みたいなのとか、そもそも最初から何も考えていないとか。
まずは、SEOが必要なのかどうなのか?どこに気をつけなければいけないのか?そういうことにちゃんと考えが及ぶこと。最初はそれが大事だと思います。
SEOとWeb制作と表裏一体
中村:逆に、土居さんから見てWebディレクターに対して何か文句言いたいことありますか?
土居:文句ってわけじゃないですけど、とりあえず、「サイト作って、そのあとSEOしましょう」みたいのをWebディレクターさんが普通に言わないで、とは思いますね(汗)
中村:あー、分かります。Webの制作とSEOを完全に別物だと思ってる、っていうことですよね?でもそこでいう”SEO”って、「昔のSEO会社が作った商品の名前」みたいな感じですよね。
土居:なるほど、まさしくそういうことですよね。そして僕も最初そうでしたし、今でも多くの人たちの中でのSEOって「SEOという名前の商品」なんですよね。
中村:Webサイトを作るときには、必ず最初に「情報設計」っていうのをきちんと考えるんです。どういうコンテンツを用意してそれぞれどう配置するか、とかそれぞれの事柄をどう表現するか、とかも全部含めて。サイトを設計する上で、SEOにも大きく関わる部分ですよね。
土居:まさしく。例えばSEOではサイトを作る前に”キーワードマッピング”みたいな作業をするんですけど、簡単に言えばこういう検索する人がこういうところに辿りつけるように、みたいな全体像ですね。それが、設計段階でのSEOでの肝のひとつになります。
コンテンツ増やすとかリンク増やすだけがSEOではないんですよね。
SEOはまだまだ世間的にはイメージ良くないと思う
中村:僕個人としても、SEO会社さんとかに対してそこまで良いイメージは持っていない、というかぶっちゃけ今でも世間的にはまだまだイメージ悪いって思いますよね(苦笑)。僕もこれまで色んなSEO会社と付き合ってきて、何度か痛い目にあったこともありましたし。
ただ、だからこそ情報はどんどん発信していくべきだと思いますよ。本当はこういう内容ってWebに関わる皆が考えるべきことだと思いますし。
土居:コメントしづらいって言えばしづらいんですけどやっぱイメージは良くないんですね。ただ、僕も同感です。
業界のイメージ良くしよう!とか言うつもりはないですけど、本当はとても難易度の高いチャレンジングな業界で、頑張れば頑張るだけ価値を発揮できる市場だと思っていて、まだまだプレイヤー不足は否めないと思っています。
ですので、皆さんにもっとポジティブに興味をもって頂きたいなとは思いますね。
終わりに
土居:インタビューにご協力頂きありがとうございました。
中村さんは、去年には一躍有名になったWeb系メディアFindjob!Startupの編集長をされたり、Webディレクターズマニュアルという自身のサイトの運営をされていながら、日本ディレクション協会(通称:ディレ協)の会長とか、更に今はBITAという制作会社で受託制作のディレクションをやっていたりメディア運営をしていたりと、かなり幅広く活動されていますよね。
中村:はい、ご丁寧な紹介ありがとうございます。そんな感じで色々と活動していますね。今はBITA以外では、特にディレクション協会での活動に特に力を入れています。
そして最近はそんな中、本も出しまして。
現場のプロが教えるWebディレクションの最新常識 知らないと困るWebデザインの新ルール2
著者:一戸健宏/大串 肇/合志建彦/高瀬康次/田口真行/中村健太
監修:中村健太
ナカムラは監修・執筆し、共著としてディレ協の主力ディレクターである高瀬さん、田口さんをはじめとして本当に優秀なディレクターの方々が参加した書籍で、是非皆さんに読んで頂きたい本です。SEOの話題にも一部触れていますので、このサイトの読者の方も是非是非。
土居:執筆に関わった皆さん個人的にも存じていますが、とにかく豪華なメンバーですね、、みなさんポチっといきましょう。中村さんありがとうございました。
あとがき
中村さんはたまにお仕事で一緒になったりしますが、企画、デザイン、HTML、マーケティング、アクセス解析、プログラミング、メディア運営、、とにかく守備範囲がものすごく広いし、それでいてそれぞれの領域について理解もかなり深いし、すごいなあと思っています。
とりあえず、僕個人としましては写真うつりはもう少し気にしてみようと思いました。
こんな感じの企画も少しずつ出していければと思いますので、出て頂ける方いましたら、宣伝告知なんでもOKですので是非お声かけ下さい。この企画が第一弾で終わらないことを祈ります。
UIやユーザビリティという問題とSEOは「別物」として切り離して考える
SEOの文脈で「検索エンジンではなく、ユーザー視点でサイトを作りましょう」ということがよく言われます。SEOの観点から話をするにあたり、果たして本当にそれで良いのでしょうか。
Googleが特に重視したいこと
もし、「ユーザー重視」がユーザーの検索体験の向上、であったり、ユーザーが検索に求める価値ある情報をコンテンツとして提供する、という意味でユーザーの視点を重視するべきという話であれば、そうした観点での改善は概ねSEOの改善につながりますので正解です。
しかし、同じようにユーザー視点でのサイト改善施策として括られる「ユーザビリティやUIの改善」などの施策が直接SEOに貢献するかといえばそれは決してそうとは言い切れません。少なくとも現時点では、これらはひとまずSEOとは別の改善施策として考えておく必要があります。
Googleが重視するのはあくまでユーザーが発見できる情報の質であり、また到達したサイトの仕様によりユーザーの検索体験を著しく損ねないことです。
言いかえれば、素晴らしいUIではなく、検索者にとって価値ある情報を検索結果で提示したい、その結果として、ユーザーの検索体験をより良いものにしたい、ということです。
UIやユーザビリティの改善≠SEOの改善
例えば、ユーザーテストを繰り返し実施したりアクセス解析をもとに課題を抽出して、よりユーザーがサイト内で迷わず目的を達成しやすいように変更する、ということは多くのWebサイトの改善施策として有効です。
では、そこで挙げられた改善項目はSEOにとってプラスになる改善なのか?といえば、必ずしもそうではありません。UIとかユーザビリティを重視してサイトを改善すれば自ずとSEOがよくなるほど今のGoogleは都合良くなってくれてはいません。
従って、逆にSEOを少し妥協してでも全体の転換率を高めるかどうか、などの判断を求められる場合も多いでしょう。
例えば下図のように、自然検索流入が20%減少しても全体のコンバージョンが10%向上して総合的なROIが改善するのであればそちらを選択すべきですね、とかそういう世界です。
※さすがにここまで都合良く数字が動くわけではないにせよ、言いたいことのイメージとして。
ユーザビリティの改善がSEOの改善に繋がるケースも多くある
もちろんユーザビリティやUIの最適化を行うことで、それがSEOの改善に直結することは少なくありません。例えば、
- ユーザーに不適切な転送設定がある
- 実質的なコンテンツを持たず広告への橋渡ししかしていない
- 広告表示量がページの情報量に対して異常に多い
- ファーストビューの表示が著しく遅い
- そのページのメインとなる情報の起点がファーストビューに存在しない
などの問題は、ユーザーの検索体験を大きく損ねる要因になるでしょう。ユーザビリティ上の問題だけではなく、検索順位に直接的に悪影響を与える可能性が高いため、SEOの観点でも改善すべきポイントと言えます。
また、これとは別に、検索者や彼らの検索行動を考慮した情報設計のもとでナビゲーションを変更するなどの施策でしたら、それは多くの場合にSEOに直結する改善施策になります。
SEOを考慮する上では、検索エンジンの制約が前提にある
しかし、今の検索結果で露出を高めるための最適化を行うということは、今の検索エンジンの性能などといった制限を考慮する必要があります。今のGoogleは昔に比べ進化したとは言え、人間と同様の情報処理が行えるわけではありません。
ですので、SEOという制約の中でサイトを考えるときには、やはりクローラビリティやインデクサビリティ、アクセシビリティなどへの考慮がまだまだ必要です。
具体的には、例えば大半のユーザーにとってはサイト利用上で不要かもしれない文章を用意したり、同様に不要なリンクナビゲーションを用意することがSEO上の改善に繋がる場合もあるのです。
モバイルファーストで作られたサービスのSEOの課題
こうした課題は、特にモバイルファーストで発進したWebサービスにおいては顕著に現れます。スマートフォン向けサービスにおけるサービス設計やUI設計においてSEO要件が優先的に考慮されるケースはまずありません。
文字情報やナビゲーションも、スマホUIを重視するのであれば操作性やコンテンツの視認性を考慮して「不要な情報をできるだけ削る」というステップを踏むのが一般的でしょう。
その要件を基準にサイトを作れば、必然的に検索エンジンがインデックスできる情報量や、クロールできるURLについても制限されることになります。
最近ではよく「スマホ版のコンテンツをとりあえずそのままデスクトップ版に拡張しました」というサイトを見ることがありますが、上記のような理由でSEOには不利になります。
スマートフォン端末を優先した情報設計を行うサイトが増えても、Googleのインデックスは依然としてデスクトップを前提として形成されている、という実情が、このギャップを更に広げている気がしなくもありません。そしてそれは検索者の都合を考慮すれば自然なスタンスだと思います。
これはインターネットにおける情報探索行動が年々スマートフォンに移行していく中で、モバイルファーストで作られたWebサービスの普及が進むにつれよりいっそう顕著な課題となるでしょう。
どこまでSEOを重視するか
サービスの内容によっては、上手にUIやユーザビリティとの妥協点を見つけ、デスクトップ版とスマホ版、アプリ版などでUIとSEO要件のバランスのとれた設計をすることが可能と思いますが、そうではないケースも多々あります。
では、そういうケースではSEOに取り組む必要がないのか?といえば決してそうではありません。
そのあたりの線引きは、「この情報は(ユーザー視点で見た時に)検索結果に載るべきか?載る必要はないか?」で考えるべきです。テキスト情報があるか、ないか、とかそういう事実だけで判断するべきではありません。
検索結果に載るべき情報(=他にない付加価値を持っている情報)なのであれば、コストの許容する限り&サービスを損ねない要件においてSEOを考慮するべきと思います。
「テキスト情報が少なすぎてこれでは何とも、、」などのことも勿論あるでしょうが、それでも保持しているデータと情報そのものの性質を元に、持っている情報をページの情報やリンクナビゲーションにどのように反映させるかを考えるだけでも、改善させることはできると思います。
まとめ
いろいろなSEO系の記事のコメント欄を見て、「SEOじゃなくてユーザー視点でサイトを作ることだけ考えれば良いのに」的なコメントもちょくちょく見かけますが、検索エンジンという特殊なプラットフォームの制限を無視することは今の段階ではオススメできません。
SEO要件を考慮せずあえて無視する、が功を奏することもあるでしょうが、ある程度の知識と判断材料なしにその判断をするのであれば、それは単に検索流入を放棄することになりかねませんので、注意してください。
お知らせ
しきりにSEOの話をしてきましたが、最近、サイト改善ソリューションとしてユーザビリティ改善に特化したサイト改善サービスの強化にも力を入れています(実はユーザーテストルームなんていう専用部屋とかアイトラッキングシステムなんてものもオフィスに存在していたりします)。
その流れで、そちら系のテーマでの話題での勉強会なども行いますので、SEOだけではなくこういうところでも皆さまの支援を出来ればと思います。SEOの会社としては珍しい方向性かもしれませんが、この人たち珍しいなと思って是非お越しください。
詳細:【初心者向け】サイトパフォーマンス向上の為のユーザビリティ改善セミナー
※残席少ししかないみたいなのでお早めにお願いします。
当社のSEO事業の組織運営体制や今後の事業方針などについて
土居です。先日弊社代表の高橋のブログにおいて、弊社のSEO事業について言及する記事がありましたので、事業側としてもこのタイミングで、現時点の事業運営の中身について、或いは今後の事業方針についてなどを補足させていただきたいと思います。
※正式な組織上の事業名は「Webコンサルティング事業」であり、社内では略して「WebC」などと称されている事業部ですが、この記事では簡便のため「SEO事業」として説明していきます。
事業部の組織体制について
事業部としては30名ほどの組織で、そのうちお客様にコンサルティングに直接関わるメンバーは20名ほどです。
コンサルティングチーム
メインでお客様と関わる部隊としてコンサルティングチームが存在しており、それは3つのグループに分かれています。それぞれ総合職6~8名程度で構成されており、14年度入社新卒から社歴7年のベテラン、中途入社メンバーまで幅広いメンバーが所属しています。
それぞれのグループにはグループマネージャー、サブマネージャーが1名ずつ配置されています。大型のプロジェクトや難易度の高いSEOには必ずこのラインのメンバーが関わることになります。社内で開催しているセミナー講師なども担当しています。
また、3つのグループとは独立してチーム横断で提案支援や技術監修を行うベテランメンバーが数名おり、進捗状況や成果状況、難易度に応じてプロジェクトに参加します。
コンテンツ制作チーム
コンサルティングチームとは別に、コンテンツ企画・制作チーム(内製)があります。チーム管理者やディレクター、ライターなどで構成されております。お客様のサイトに掲載するコンテンツ制作のお手伝いや、コンテンツの企画、ディレクション、品質管理など全て内製で行っております。
技術開発チーム
またバックエンドの技術支援として弊社開発室の技術者によって構成されるSEOチームがあります。現在は事業の中心となる管理システムの構築・メンテナンスや、各種SEO業務支援ツールの開発を行っており、今は今後一般向けに公開予定のインハウスSEO支援ツールなどの開発に従事しております。
サポート、営業支援
アルバイトスタッフ含めた6名からなるサポートチームがあり、コンサルティングチームの業務推進やデータ管理などを行っています。他で1名、リード獲得のためのプロモーションを監修しています。
管理
それらを総合して私が監修を行っており、顧客獲得やアライアンス関連などの責任者が別におります。最近受注の調子が良くて活き活きしていると社内では評判です。
現場のSEOスキルについて
グループマネージャーやサブマネージャー、一部の一般メンバーは僕がずっとSEOのスキル教育を行ってきました。現時点のレベルとしては、サービスの性質としてよほどイレギュラーなものでなければ彼らの独自でほぼ間違いのない実装提案が出来ます。また、僕なんかよりも圧倒的に場数を踏んでいますので細かい知識まで含めれば僕が知らないようなことも結構知っていたりします。
最近、僕が関わることなく彼ら自身がリニューアルプロジェクトに関わらせて頂いたサイトをいくつか改めて見ていましたが、細かいところの実装まできちんと配慮されていて、僕が見て何ら文句のない仕上がりになっていてちょっと感動しました。
その他のメンバーは彼らのアシスタント業務をやりつつ、高難易度でないプロジェクトの担当などをグループマネージャー監修のもと手がけています。
その中には弊社への内定者としてインターンとして業務に関わっているメンバーが数名おり、学業の傍ら、既にWebやSEOのトレーニングを一定以上積んでいます。彼らが入社する頃には、少なくとも検索エンジンに関する話や基礎的なSEOの話は特に間違いなく出来るというレベルにはなっているはずです。
教育・育成について
ここ数年はここでとても苦労してきました。特にこの1年はお前らどんだけ研修とかグループワークやってんだとツッコミを入れたくなるくらいそこに注力しています。
リンクを使うのであればリンクを付加価値としてお金を頂けます。僕らはリンクを使わないことにしましたので、それ以外で特別な価値を出さなければなりませんが、それを事業として組織的に行っていくことは、とても大変なことだと実感しています。
育成方針
組織がある程度大きくなると、「顧客窓口は君たち」「SEOのリサーチや提案は君たち」「アクセス解析は君たち」などとどんどん分業が進みがちです。そちらの方が教育面でも実務運用面でも圧倒的に効率良くなるためです。
弊社は今のところ「とりあえずみんな全部出来るようになって」です。はっきり言って無茶苦茶です。効率は悪いし時間もかかります。自由度が高すぎて個人の管理もしづらいです。ルール化や標準化を進めにくく、かつ属人的です。
とは思っていましたが、腰据えてやってみると意外にみんな育つものだなあと実感。僕も含めて、まだまだ成長過程ではあるのですが、広く与えることでしか得られないものは多いのでしょうね。
弊社が本当に恵まれているなと思っているのは、数年かけて勉強して一人前と呼べるレベルになった人材の離脱が皆無だったことです。事業部を異動したり職種転向した人間も数名いますが、とにかく社内にいることが大きいです。これがなければ大きな転換はスキル的な問題でやり切れなかったと思います。
育成カリキュラム
関わる全ての知識を高レベルに理解することなどよほどの天才でなければ絶対無理だと思います。仮に知識が追いついたとして実体験なき知識では現場で戦えません。なぜなら知識とは基本的には理想形をベースに体系化されますが、全てが理想的に運用できるケースなどほとんど存在しないためです。
現在は3カ月タームで7つの分野での基本研修カリキュラムを組みワークショップや座学研修、実務研修、事例研究などを行っています。全員が一気に全分野の学習をするなど不可能ですから、得意分野や興味の強い分野から優先的に研修を進めています。
その他、開発室メンバーから技術研修を受けたりなどの機会も別途あります。
ただし本当に知識がノウハウとして身につくのはOJTでの実務経験をどこまで積み、成功体験を蓄積できたかに尽きます。お勉強だけ出来てもダメなわけです。
プロジェクト運用体制について
プロジェクト規模の大きさや難易度によって様々ですが、プロジェクト毎にアシスタント含め3~5名の担当者をアサインし、リサーチや提案、レポーティングなど分担して行うのが一般的です。
本当はもう少し小回り利くように少人数にも出来るのですが、どうしてもSEOの提案クオリティは担当者に依存しがちで、弊社においては能力も個人の能力に依存しがちですので、個人への依存度を下げる、という意味でこのようなスタイルを採用しています。
採用活動について
絶賛募集中です。中途採用についても随時受け付けております。新卒採用につきましては短期インターン、長期インターン含め随時募集しております。
- 中途採用:コンサルタント | 採用情報 |ヴォラーレ株式会社
- 新卒採用(短期インターン):ヴォラーレサマーインターンシップ2014
- 新卒採用(長期インターン):Webコンサルタントインターンシップ募集
もし一緒にやりたいという人いたらご連絡ください。→ヴォラーレ採用サイト
営業活動について
事業部全体の活動の中で、顧客獲得活動にかけている時間比率はどちらかと言えば少ない方だと思います。新規受注、という優先度は現状ではそこまで比重高くしておりませんが今後の組織の成長に伴い少しずつ拡大していく予定です。
基本的な顧客獲得活動
既存のお客様やお付き合いのある企業様からの追加注文やご紹介、サイトへのお問い合わせが比率としては大半です。次に挙げるセミナーを通じてのご依頼もありますが、そこまで割合としては大きくありません。
セミナー活動
セミナーにお越し頂いてその後に直接お客様として発注を頂けるケースはそんなに多くはありません。多くの企業様と情報発信を通じて接点をもっておきたい、自分たちのことを知っていただきたいというのが主目的です。
もちろんビジネス上の目的としては営業活動に一切反映させないわけにはいけませんので、「へー悪くないね」と思って頂いた暁にはどこかのタイミングで仕事を頂ける、或いは周囲の方が困っていたらご紹介頂けるととても嬉しいです。
セミナー終了後にゴリゴリ営業かけまくるんじゃないの、みたいな心配をされる方は多くいらっしゃいますが、それはもともと営業リソースを豊富に有している会社が出来ることで、それは弊社では出来ません。
電話営業
現在、弊社には「営業部」的な役割の部署がありませんので基本的には行っておりません。
過去に接触させて頂いた企業様への「最近いかがですか」的な電話アプローチをするほか、通常業務中に目に止まった「これSEOもっと頑張れるでしょ」と激しく思ったサイトの運営企業様にプッシュ型の営業をさせて頂くケースが稀にあります。
とは言えここ最近の平均事業部全体での総コール数が月間100件とかでしたので、実質ほとんどの企業様にはないと思われます。弊社からのプッシュ営業がありましたら是非心優しくアポを頂けますと幸いです。
やっていないのは電話営業が嫌いとかダメだとかそういう意味ではなく、その時間を教育側に投資したいというのが主な意図です。
今後の事業が目指す方向性について
ある程度、市況や組織状況の変化に柔軟な組織運営をしていこうと思いますが、基本的には大幅な売上シェア拡大!年々200%の急激成長!などというものを主目的に据えることはありません。組織的に無理の発生しない程度に、ただし堅実な売上成長を目指します。
企業としての売上比率は徐々にインターネットメディア事業や今後発足するであろう新たな事業に”相対的に”移っていくことになる予定です。
事業としては、売上というもの以上に、自分たちのソリューションを更に深堀りしつつ徐々に拡張し、より多くの企業様のWebの課題をもっと高いレベルで解決できる組織を目指しています。
単に技術的な視点でのSEOのアドバイザリーにとどまらず、大局でのSEO戦略設計、コンテンツマーケティング支援、アクセス解析に基づくサイト改善、ユーザーテストに基づくUI改善、広告運用支援などの周辺領域にも、ノウハウを蓄積しながら徐々に手を広げていきます。
まとめ
長くなりましたが、1年後や2年後には今よりも更に強いソリューションを提供できているイメージしか湧きませんので、今後共ご期待頂けますと幸いです。
[寄稿] 経験者が語る、インハウスWeb担当者の採用で失敗しないための3つのポイント
このメディアのメインライターになりつつある株式会社スタビライザーの小松氏による執筆。Web担当者の採用基準は、スキルセットももちろん重要ですが、将来的な成長幅や、業務やチームへのコミットメントも加味すると、やはり相応のマインドセットを有した人材は大事ですね。ということでとても納得する内容でした。
「自社のWebを担当する人で誰かいい人いませんか?」
こう聞かれることが多くなってきました。
私自身、過去8年間、自社のWeb担当者(以下、インハウスWeb担当者)を確保する為に採用面接は人事部任せではなく必ず自分で行っており、これまでに数百人以上の採用面談を行ってきました。
採用する側としては、縁があって採用した社員全員に結果を出してもらい、会社とともに成長していけるのが一番だという想いで採用活動をしているかと思います。(私自身もそうでした)
しかしながら、これまで全ての採用がうまくいったというわけではありません。
結果が出せず辞めてしまう人。
どうしても行き違ってしまう人。
スキルを発揮しきれなかった人。
非常にツライ思いもたくさんしましたし、もっと最適な人材を採用出来たのではと思うことも多々ありました。
今回はそういった経験も踏まえ、インハウスWeb担当者の採用基準についてお互いに一番結果が出せる人との出会いについてお伝えいたします。
インハウス担当者を採用するときの悩み
そもそも、インハウスWeb担当者が担当するべき業務って、一体どのようなことがあるのでしょうか?
- Web制作
- SEO
- リスティング広告運用
- アクセス解析
- アフィリエイト
- アドネットワーク
etc…
これらのWebマーケティングに関する幅広い知見に加え、さらには、自社の業界・商材に関するマーケット事情にも精通していないと思うように成果が出ません。
会社の規模によっては、部署の人数が多く、SEO専任・リスティング専任という立場の方も もちろんいらっしゃるかと思います。
ただ、多くの会社のインハウスWeb担当者は「アレもコレも。」「それが出来るならこれも。」と要求スキルが増えて行きます。
たくさんのスキルが必要だからこそ、採用の現場では非常に困った事態が起こります。
どのスキルに焦点を当てて採用すればいいか?
これが分からなくなります。
例えば、こういう状況が起こります。
- この人はSEOは強いけど、リスティングやったことないって言ってるし、どうしよう。
- リスティングやったことあるって言ってるけど、アクセス解析は苦手って言ってる。
- Webの知識は十分だけど自社の業界については未経験だ。
- スキルも業界経験も問題ないけど、年収が合わないなぁ。
などですね。なかなか悩ましいものです。
ですが、ここではっきり言います。
「スキルと業界経験が申し分なく、年収が想定範囲内の人を採用出来る」
残念ですが・・・ありえません!
もちろん、ゼロでは無いかもしれませんが、確率的にはほぼ不可能と思ったほうがいいと思います。
しかしながら、スキルや経験の観点からではなく、別な観点から見ると「スキルや業界経験は足りないけれどやってくれそう!(実際採用しても想定通り) 」という方はいらっしゃいます。
では、実際そういった方はどういった方が多いのでしょうか。
インハウスWeb担当者の採用の基準
どういう観点で採用すると良いか?ポイントは3つです。
- 素直である
- 好奇心が旺盛
- 運が良い
なぜこの3つが大事なのかご説明します。
1. 素直であること。
これは決してイエスマンのことを指している訳ではありません。 ここで言う、素直であるということは自分の意見を持っているものの相手の意見をきちんと受け入れられる人です。
Webの施策に正解はありません。過去の成功体験に基づいて行動しようと思っても 違う意見が出てくることは多々あります。 その際、自分の意見を押し通すのではなく、他人の意見を取り入れてまずやってみる素直さは必要です。
これがないと採用した後に多くの社員とぶつかることになります。一緒に仕事がしづらい状況が生まれます。
2. 好奇心が旺盛
Webに関して好奇心が旺盛であれば業界が未経験であったりスキルが足りなくてもある程度のことは 採用後でも何とかなると感じます。
逆にスキルがそこそこあっても好奇心が少ないと新しいことを覚えることもなく、やがて行き詰まります。
好奇心があると自分で調べたり、人に会って話しを聞いたり分からないことを理解しようとしますし、 この施策やったらどうるんだろ?と様々な施策を考えるようになります。
- 好奇心の限界は、情報の限界。
- 情報の限界は、思考の限界。
- 思考の限界は、行動の限界。
- 行動の限界は、結果の限界。
- 結果の限界は、自分自身の限界。
- 好奇心の限界は、自分自身の限界。
まさにそうだと思います。
3. 運が良い。
宝くじや懸賞によく当たるという意味ではありません。
運が良いと言っている人は自分の力だけでなく周りのおかげと思っている人が非常に多いです。 その人のおかげで成功したとしても周りのおかで成功しましたと素直に思っている方が多い。
逆に運が悪いと感じていている人は、他人のせいにする方が多いです。 Webの施策では失敗することもあると思います。その際、周りのせいにしていては改善出来ません。
運が悪いと思っている人は上手く行かないのは、競合のせい、予算が少ないせい、アルゴリズムが変更したせい、そもそも自社製品(サービス)が悪いせいと改善点が見いだされません。
故松下幸之助は「優秀<ツキ」と考えていたようで、ツイてる人・運の良い人を何より優先していたようです。
「わたしは運がいい」と言える人の深層心理には、「成功したのは自分の力だけじゃない」というまわりに対する 「感謝」の気持ちが必ずあるのだそうです。そういう人は逆境に陥っても他人のせいにせず、前向きにとらえることが出来ると考えていたようです。
精神論に聞こえるたかもしれませんが、意外とWeb担当者として必要なスキルです。
採用は戦略上非常に重要です。自社の採用スペックから判断するとなかなか採用出来ない人材であっても、 角度を変えてみると優秀な方は数多くいらっしゃいます。
「え…きちんとスキルを保有している人のほうがいいんじゃないの?!」
と、ここまで読んで思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら、必要なスキルというのは、「これまでどうあったか」ではなく、「これからどうなるか」という点だと思います。
特に、Webマーケティングの世界というのは日々とてつもないスピードで進化していっています。
これまでの経験というのはもちろん大切です。しかしながら、素直さ・好奇心があれば、そのスピードに追い付くことも可能です。
採用する側としては、もちろんそういった人が成長できる場を作る。というのももう一つ大切な仕事ですね。
まとめ:インハウスWeb担当者の採用基準
- 素直であること
- 好奇心旺盛であること
- 運がいいこと。
お知らせ:Web担当者向けイベント開催します
7月15日(火)、私が所属するコミュニティ「SEMカフェ」主催でWeb担当者向けの情報交換をイベント開催予定です。採用の件なども相談可能ですのでお気軽にお越しください。
“成果報酬SEO対策”のビジネスモデルの良し悪しと、これからの形
「成果報酬SEO」「成果報酬SEO対策」とかって昔からランクチェックしてるキーワードを、数年前にサービスメニューから外してここ何年か圏外にあるのがなんか気持ち悪かったのでその辺のワードでひっかかるように記事を書きます。公開から3日経って1ページ目にひっかからなかったらこの一文は恥ずかしいので消します。
成果報酬型のSEOサービスの特徴
検索結果に掲載されるランキングにもとづいて報酬が決められるタイプの契約条件です。順位が上がらなければお金はかからない、順位が上がった分だけお金がかかる、という、「このワードで上位表示したいです」というニーズを持った人にしてみたら普通に考えてこれ以上ないくらいに理にかなったサービス形態でしょう。
一般的に提供されるサービス内容
基本的には内的なチューニングを行った上でリンクによる上位表示を行うことが一般的です。多くの事業者では1KWのみの受注は行わず、周辺の掛けあわせKWなどを合わせて受注して、なるべく最低限は報酬が発生する条件を保ちます。
「1KWだけじゃなくて、色々複合語も対策しておくとCVにつながりやすくなりますよ」「1キーワードだけに焦点あてるより、複合語も含めて対策したほうが逆に上がりやすくなりますよ」「複数やれば単価下げますよ」ということでまあそれっぽい理屈は通ります。
もちろん大規模なサイトでも成果報酬型でやってる場合はあって、数百キーワードとか数千キーワードをキーワード毎に低単価で成果報酬として、上限額を設けて受注する感じでしょうか。
1ワードあたりだいたい数千円~数万円で、全部1位とかになると報酬額が数百万とか千万とかになってしまうので、それを上限200万円でカットするとか。最近はあんまりこういうのはそんなに多くないと思いますので今回の話題の対象からは外します。
成果報酬というメリット
さて、成果報酬とか成功報酬とかいうのは聞こえが良いだけではなく、普通にそれがSEOのサービスとして成立するのであれば、この上なくビジネス的には合理的なモデルだと思っています。
営業活動上のメリット
受注ハードルは低い
「上がるまでお金かかりません」なので初めてSEO会社に依頼する人とかSEOについてそこまで知らない担当者の方でも非常に導入ハードル低く始められます。
営業マンのSEOスキル教育をそこまでしなくて良い
こういうこと言うと怒られるかもしれませんが普通にそう思います。基本的には「SEOで何が重要か」「サービス内容とその価値」「他社はどういうことしてるか」「実績」「料金など諸条件」とかその辺がちゃんと語れれば相手を間違えなければ売れます。
つまりそんなにSEO詳しくなくても売れます。そのため何も知らない人でも売れてしまうという怖さもあります。しかもリンクで上がる時代はそれで十分まともな効果出ていました。
売るのは割と簡単、上げるのも割と簡単、それが拡大した結果が2000年代中盤~後半の上位表示至上主義のSEOビジネスだと勝手に思っています。世間的な需要の盛り上がりに対して、参入障壁があまりに低すぎたんだと思います。
裏方に回れるので代理店拡販がしやすいし、代理店も成果報酬だと売りやすい
リンク中心のSEOビジネスの一番のメリットって、誰でも売れるしどんなサイトにも(顧客を選ばずとも)業務を遂行できることです。コンサルティングは多くの場合、裏方ではあんまり上手く行きません(僕らが不器用なだけかもしれません)。
販売力はあるけど専門チームを持っていないとかリソースがないという企業からすれば、そういう会社が裏方に回ってくれれば、こんなに手軽に売れて粗利確保できる商売もなかったわけですね。
代理店も成果報酬という形態であれば顧客に提案することに大きなリスクを取らなくて良いという考えのもと、積極的に販売してくれたりします。
運用上のメリット
ほとんどの業務を標準化できる
初期の内的チューニングと継続的な顧客サポートを除いては基本的にはリンクの設置とメンテナンスが運用業務の大半を占めるようになります。
ですのでほとんどが自動化、或いは管理者の指導やマニュアル化によりアルバイトとか新人社員などのオペレーターで運用可能なレベルになりますので、標準化を突き詰めることでコストダウンが可能です。
また、同じ理由から、全体的な運用規模が大きくなったとしても業務拡大は比較的用意です。
クライアントに実務力やリテラシーをそこまで求めなくて良い
コンサルティングとかホワイトハットとかそういうのをやろうとすると、基本的には相手がある程度のWebやSEOの理解がある、あるいは知識はなくてもやっていくだけの意欲がある、というのが最低限の条件になります。そうでないところに売り込むとお互い不幸になります。
リンク中心、かつ成果報酬ということであれば、「全部任せるから、やってよ」でも仕事ができますし、クライアントからすれば、業者に任せたら勝手に順位があがったよ、上がるまでは一円もかからなかったよ、ってことで良いことだけです。
報酬体系上、クレームにはなりにくい
かかるのはお金だけではなくて時間による機会損失とかそういうのもありますので、単純にそうとは言い切れませんけど、ただ「上がるまでは業者側も請求できないから」というのは多くの人が納得できる理屈ですのでそういう意味では防衛線になるとは思います。
案件単位ではなくて共通のインフラに一定の投資を行える
リンクビジネスの場合、営業関係の人件費とか広告宣伝費などの販管費は別として、純粋な原価となるものは何かといいますと、
リンクベンダーを使わず自社で内製する場合
- リンク掲載用サイトを管理するための管理システムの構築&メンテナンス(※)
- ドメインを買ってサーバーを借りたりする
- サイトに掲載するコンテンツ用のテキスト
- レポートや報告書等を作る
- お客さんの対応をする
※:さすがに全部ベタで作らないでしょうしリンク一括削除とかも出来ないと大変ですし
リンクベンダーのリソースを仕入れている場合
単純に仕入れとして原価が発生します。レポート作ったりを自社でやるならその分の工数も原価となります。自社が成果報酬で販売するのであれば仕入れ先にも同様に成果報酬で依頼するか、固定費の代わりにめちゃくちゃ安くしてもらうかどちらかです。
大きくはこのあたりが原価になりますが、このように一定のインフラ投資を行い、一定の営業獲得コストで案件が取得できれば、あとは上がるキーワードが上がってそれを維持できれば投資した分を回収できる、という非常に分かりやすく優秀なビジネスモデルだと思います。
今でこそ、リンクに対しては結構気を使って運用しないといけなかったのですが、昔はほとんどが「色んなクライアントのリンクが共用で掲載されている」形式でしたので、そういう場合、一定のリンク用インフラを構築したら、それを最大まで稼働させていくことで相当な利益を取れていたはずです。
共用のリンクでいくらでも上げられた時代はSEOの営業利益率60%とか70%なんてのはザラだったと色んな人から聞きます。もちろんPL見たわけじゃないのでどこまで本当か知らないですけど。
成果報酬というスタイルのデメリット
もちろん良いことばかりではないのですね。というかそれですべてが上手くいくならみんなそうするのですがそうしないのは「上がらない」とかそういうレベルじゃなくて色々な問題があるわけです。
どちらかが損をする場合も多い、というか報酬の妥当性とか成果ポイントってそこだけ?という議論
依頼者が損をする場合
そこまで難易度の高くないワードであれば、指定ワードの上位表示ってタイトルタグのチューニングくらいで達成されることも多くあるとは思っております。しかし、掲載順位をもとに報酬が決まるということであれば、期間内の報酬はその掲載順位に従って支払う必要があります。何をしているかではなくて何位になっているかで報酬が決まるということの発注者側のデメリットはこういうところでしょうか。
あとは何ヶ月もずーっと上位表示が出来ていなくて今後もすぐには出来そうになくて、報酬発生していない状態で十分なサポートをとかいってもなかなか動きにくいのも業者側の事情としてはあり得るかなと思います。
SEO業者が損をする場合
逆に、どれだけ周辺KWでのランク改善やコンバージョン数の改善が起きていたとしても、特定ワード以外の成果は報酬には反映されません。
ランキングが上がって一定の成果報酬が安定して発生しているので、成果報酬だけどそういうとこまで真面目にやってますという会社さんはそういう場合は損します。
(というかそういう会社はおそらく成果報酬というスタイルをあまり取らないと思いますけど。)
もっと妥当な”成果”ポイントはないものか、とか考えたとしても、目に見えるSEOの改善というのを直接的に反映させるのが検索結果上のランキングだったりしますので、
トラフィックとかCV数とか言っても「これ厳密にどこまでがSEO会社の成果か難しいよね」「仮に他のプロモーションの影響でオーガニック経由CV伸びても成果報酬になるのってなんか違うよね」っていうことでだいたい話が合うことは多くありません。
お互いに結果的に損すること
「このキーワードの順位が上がる以外は割とどうでもいい」という割り切りを持って臨むのなら良いと思うのです。でももしそうでないのであれば、着眼点を必要以上に狭めることになるだけなのです。
そのキーワードの順位に直接的に関わること以外をどうでもよいとするのであれば、SEOとして行うべき施策の大半は価値のない施策となります。業者側も、報酬をもらうことを優先して考えないと商売になりませんので、見るべき視点もその周辺のみに絞られてしまいます。
するとそこで関わる人材が得られるスキルや蓄積される知見も限られます。だから何年やっても上位表示すること以外のスキルが上がらないのですね。そしてリンク使って上位表示できるできないの知見は、その1年後に使えるスキルでない可能性も高いのです。
結果としてそういう担当者とやり取りしていてもクライアント側が得られる知見は限られてしまいます。そしてその知識が正しいものという保証はどこにもありません。その場合、そこで費やした時間とお金は投資ではなくて浪費になります。
成果報酬SEOのこれから
成果報酬、とか成功報酬、とかいうのは単なる報酬条件でしかありませんので今も昔も今後もないわけですが、リンク中心の上位表示SEOが衰退するのに伴い、成果報酬型のSEOビジネスは衰退していくというのは断言できます。
あくまでも顧客にとって採算の取れ得る報酬の範囲内で単価を調整し、上位表示型SEOをビジネスとして成立させるだけのリンク用インフラの開発・運用コストは高まる一方で、更に上位表示達成率や安定性が劇的に改善することは時代の流れからほぼ見込めません。どんどんコストは膨れ上がり、売上期待値が下がるわけです。
作ったはいいけどリンク用サイトのインデックスがゴソっと消されたり、既存のリンク運用システムがあまり成果に貢献しないので一定期間で入れ替える、パターン検出のリスクヘッジとして新しいタイプのものを構築していく、など皆さんが思う以上に結構色んなコストかかるわけですね。
基本的にはGoogleはもうリンク単位ではなくてネットワーク単位でつぶしに来ますので、その検出を避けながら構築・運用しないといけないのです。外から見ている以上にめちゃくちゃ大変です。
「順位による成果報酬」というビジネスは、ほとんどの場合、リンクを駆使してある程度の上位表示成功率が維持できる前提で成り立つサービスです。昔と今は状況が違います。よほど顧客を選ばない限り、あるいは誰かに嫌われる覚悟で営業しないは上手くいかないでしょう。
上位表示が達成できない、達成しても維持できない、その場合は報酬も維持できず顧客も維持できません。どんどん受注単位のLTVが下がるわけですね。
その結果、金額や条件をよほど業者側の都合に合わせて設定しない限りは、徐々に投資回収率80%とか60%とかそれ以下の投資をし続けることになっていきます。それはパチンコとか競馬よりよほど回収期待値は低い投資です。ビジネスとして採算が取れなくなってくるので、何かしら方針を変更するなどの必要が出てくると思います。
では、どう変化していくか
「構築型」のリンクビジネスへの移行
分かりやすいリンクビジネスの移行形態はいわゆる「構築型」とか呼ばれるものです(呼ばれてるのかな?)。このサイトにリンクするために何サイト作って何リンクずつ貼っていくから1サイトあたりいくら下さい、みたいなのをパッケージなりオンデマンドで提供するようなタイプです。
リンク構築するのにかかるコストが一定でかかるので、価格設定もある程度明確にできますが、成果報酬というスタイルは逆に一定コストが確定してしまう分やりにくいです。とはいっても数年前から既にこういう形のものは多くありまして、別に新しいカタチというよりも今では割と標準的なスタイルだと思います。
ある程度コストを許容できるのであれば、大規模にリンクネットワークを展開しないのですぐにペナルティ受けないようにやることはやり方によっては今でもぶっちゃけ可能だと思います。他クライアントとの乗り合いとか量産型ネットワークはさすがにもう厳しいでしょう。
結局は「コスト合えば」というところが一番のネックかなと。で、もっと言えば、企業サイトの場合は普通にリンク集めた方がてっとりばやいですよ、という機会は多いと思います。少なくとも僕が運営者ならよほど厳しいジャンルじゃなかったら買いません。
コンサルティング系サービスへの移行
リンク中心でなくなる以上は、SEOを事業としてやるのであればリンク以外で頑張るしかありません。そうするとおのずとコンサルティングスタイルになるわけですが、そうすると特定キーワードの上位表示による成果報酬というのは業者側の都合でやりたくありません。
リンク以外でSEOやろうとすると、基本的には特定ワードの上位表示以外にやらないといけないことが腐るほどあるからです。逆に言えば、大半の業務はそのキーワードの上位表示に直接的に関わる業務と異なるところにあります。そのため、先ほどお伝えした通りに発注者、業者のどちらかが理不尽な損をしない着地点を決めるのが難しかったりします。
こうした理由で成果報酬は基本的にはあまり妥当ではないですしコンサルティングで成果報酬ってあんまり聞かないですね。条件がほんとにバチッと合うならそれでも良いでしょうけど、お互いに企業としてかなりのコミットをする前提でないとそれはやるべきではないと思います。
ただ成果報酬とかそういう以前に、リンク中心でずっとやってきた人たちがこちらに移行するのは、色々な問題があってとても大変です。移行というかもはや完全に別事業です。なので一部そういう要素を取り入れつつ、薄めていきながら教育しながら採用頑張りながら売上の移行を頑張るということです。ぶっちゃけ大変です。
以上、特に結論も何もありませんが、経験談も含めてお届けしました。
【初心者向け】クローラビリティを改善し、サイトのコンテンツを検索エンジンに正しく発見・認識させる
SEOの文脈で「クローラビリティ」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。クローラーがどのように情報を発見し、受け取るかを理解することで、サイトの改善に役立ててみて下さい。初心者向け記事として大学生の佐々木くんにまとめてもらいました。
検索エンジンの仕組み
検索エンジンは大きく分けてクロール、インデックス、ランキングの3つで成り立っています。検索エンジンはまず数兆ものWebページを「クローラー」と呼ばれるソフトウェアがリンクを辿って巡回しながら各Webページの情報を取得し、その情報をサーバーにインデックスします。
インデックスされた情報は検索エンジン独自のアルゴリズムによってランキング付けされ、そのランキングが検索結果に反映されます。
今回のテーマは「クローラビリティ」ですが、クローラビリティを改善することは、必要なコンテンツを正しく検索エンジンが発見できるようになることに直結します。数十ページのサイトが気にする必要はほとんどありませんが、比較的規模の大きなコンテンツを有しているWebサイトであれば、クローラビリティを考慮したサイトの設計は極めて重要なポイントとなります。
検索エンジンの仕組みに関しては検索エンジンの仕組みを説明しているGoogleの公式ページが説明しているので、まずはそちらをご覧頂ければと思います。
具体的なページを例に比較
検索エンジンは進化し、ユーザーと同じような目線でコンテンツを評価できるようになってきている、という話をよく聞きます。もちろん、人間が良いと思うものを検索エンジンが同じように良いと評価できるように仕組みの改良が行われていますが、現実を見ればまだまだそこには乖離があります。
ということで、当社が運営しているアプリに関する記事を例に、人間が見た場合と検索エンジンが見た場合の両方で比較してみたいと思います。
人間が見た場合
人間が見た場合はみなさんそれぞれの見方があるとは思いすが、タイトルや本文の内容を見つつ新着記事や月間PVランキングにさらっと目を通す感じかと思います。
検索エンジンが見た場合
ここではGoogleの検索エンジンを例に、Googlebotがどの様にサイトを理解しているのかをSearch Engine Spider Simulatorというツールを使って見てみます。
分かりづらいかもしれませんが、この画像の様に検索エンジンはページ内のテキスト情報のみを取得していると考えて下さい。厳密にはHTML全体を取得し、読み取れたテキスト情報をHTMLタグから分離して解析している、という方が正しいかもしれません。
※実際にGoogleのクローラーがサーバーから受け取っている情報は、ステータスコードやメタ情報などの付加情報と、HTMLファイルそのものです。このあたりの仕組みについては次の記事を参考にしてみてください。
参考:よく見るHTTPステータスコード一覧とその意味を理解する
また、次のように検索エンジンはテキストの他にリンク(link)や、キーワード(keyword)、スニペットに採用される可能性のあるディスクリプション(description)に関する情報をクローリングしてサーバーに情報をインデックスします。ここで発見され取得できたリンクURLは、クローラーの巡回リストに登録され、クロール対象URLとなります。
この様に、人間と検索エンジンではWebページの見方が全く異なる事が分かります。
例を挙げますと、alt属性という、画像の代替となるテキスト情報を入れましょうという話はよく有りますが、このようにテキスト情報としてコンテンツを見た時に、文脈として意味が通るような代替テキストを含めることが正しい、ということは理解できると思います。
例えば、意味を持たない画像情報にはalt属性はalt=”"(空っぽ=意味情報なし)として記述しないといけませんし、逆に、豊富な意味情報を持つ画像であればその意味情報をそのままalt属性に付与しないと文脈として意味が通らなくなってしまいますね。キーワードを含める含めないとかいう話ではなく、こういう使い方を心がけると良いと思います。
検索エンジンの性能とクローラビリティ
Googlebotを例に検索エンジンがサイトをどう理解するのかについて説明しましたが、検索エンジンはGoogle以外にもYahoo!、Bing、goo、Baidu、Infoseek、Ask、Lycos、CUIL!などなど数多く存在し、これらの検索エンジンは決してGoogleと同等の性能がある訳ではありません。
ユーザー体験の検索に特化したり検索ワードの関連性に特化したりと、特定の分野に強みを持つ検索エンジンも存在しますが、総合的に現時点ではやはり、Googleが最もユーザーが見つけたい情報を表示してくれている検索エンジンと言えるような気がしますね。
出典:4大検索エンジン+Cuilの性能を比較してみた
Googleはもちろん、様々な性能の検索エンジンがある中でどの検索エンジンに対しても正確にサイトの情報を理解してもらうには、「クローラビリティ」を考慮する必要があります。
クローラビリティとは
サイトにに対するクローラーの回遊性の事
引用:クローラビリティを100点に仕上げてURLを検索エンジンに正しく伝える
つまり、クローラーがどれだけWebサイトの中を巡回しやすいかの度合いを表す言葉です。クローラビリティが強固なWebサイトは、常に重要なコンテンツが検索エンジンに発見される状態を維持できますので、検索エンジンにとっても優しいサイトだと言えます。
リンクのURLが発見されて巡回リストに登録されなければそのコンテンツが検索結果に表示されることはありませんし、クローラーが読み取れるテキスト情報が不足または不適切な状態では、正しい内容を検索結果に反映できないかもしれません。
特に多くのコンテンツを有するサイト、動的にコンテンツを吐き出すような仕組みを持つWebサイトにおいては、このようにクローラーが正しく情報を発見できて内容を理解できることを前提に作らないと、せっかく公開しているコンテンツが検索結果に反映されないということになりかねません。
さて、クローラビリティを考慮する上でWebサイトを設計するには、
- クローラーがクローリングしてきた際に正しいHTTPステータスコードを検索エンジンに返す事
- URLを整理してWebサイトのもつコンテンツをクローラーに過不足なく発見させる事
- リンクには<a>タグと適切なアンカーテキストを記載する
などといった施策があります。(より詳しい内容はWeb担当者フォーラムの”クローラビリティを100点に仕上げてURLを検索エンジンに正しく伝える“や”titleタグ、metaタグおよびURLの構造 – 『検索エンジン最適化の初心者ガイド』改訂版#4-2“の記事に記載されています)
結び
今後、良質なコンテンツをより多くの人に見てもらう機会を作るには、検索エンジンの性能を過信し過ぎないのが無難ですが、もちろん検索エンジンの性能は歴史を辿ってみてもその性能は確実に高まっているので必要以上に最適化する必要は無くなってきています。
しかし、クローラビリティが軟弱だと検索エンジンによってはサイトの情報を正しく理解してもらえず評価に悪影響をもたらしたり、そもそも情報をクロールされないなど負の結果を招く原因になり得るので、性能の低いクローラーでも情報を理解出来る様に、という考えの元で最適化をする事で、より強固なクローラビリティを実現出来ると言えます。
参考:GoogleのJavaScript理解に100%頼るべきではない、JSなしでも入手できる最小限のコンテンツが必要
重要なコンテンツのクローラビリティを確保することは、検索エンジン最適化における基本的な施策であり、にも関わらずここを疎かにしていることで大きな機械損失を生んでいるサイトは決して少なくないのではないでしょうか。
ユーザーだけでなく、検索エンジンにも優しいWebサイトの構築を目指していきましょう。
ブログを更新することで得られたメリットと、逆に大変だと思っていること
土居です。2014年に入って、特に3月くらいから割とまじめにこのブログを更新しています。
目的はいくつかありますが、色んな人にこのサイトとかうちの会社のことを知ってほしいとかいうこともありますし、もちろんサービスに関する問い合わせとか個別の相談とかが増えれば嬉しいなとも思っています。トラフィックを増やすとかSEOを強化するとかいうのももちろん狙いには入ります。
あとコンテンツ大事ですよという提案してる身ですので自分たちが最低限は実践してそれなりの結果を見せていないと説得力がないよなというのもちょっとあります。
あとは、「ああこの会社はこういう感じでSEOやってるのね」という印象を持ってほしいというのがあります。少なくとも「どんな依頼内容、どんな条件でも喜んでお受けします!」とはいきませんので、ある程度は自分たちの特徴を知ってもらえると良いことがたくさんあります。
ということで、色々とメリットはありますが、一方でそんなに「みんなとにかく書いたらいいよ!」とは決して思っていません。ということで「ブログ論」みたいでどうかなとも思いましたがブログ論にならないようにこのあたりまとめてみました。
ブログを書くことでメリットと感じていること
もちろんSEOとかWebとか企業向け、っていう条件に依存する部分も大きいのですが、半分くらいは汎用的に参考にできる内容ではないかと思います。
トラフィックが増えて知ってもらえる機会が増える
まあ、これはもう言うまでもなく、というか記事を作って告知すれば人が見に来てくれますし、検索エンジンに認識されれば検索結果にも表示されるようになりますし、何にしてもトラフィックが増えます。
そして、トラフィックが増えるということはリンクやシェアも得られる可能性が増えます。誰も見てくれないコンテンツは誰からもリンクもシェアもされません。
言いかえればトラフィックが増えたら増えた分だけ、検索やらソーシャルやら色んなところからトラフィックが更に増えやすくなるということです。リンクが増えればリンクを通じたトラフィックも得られます。という正のサイクルが出来ますので通常ではトラフィックが増えることのデメリットは特にありませんね。
コンテンツを公開していくことでの直接的に最も分かりやすい成果地点はここです。実際にはブログ含めて月10~15くらい(3月以前は月2~5くらい)の地味なコンテンツ更新ですがトラフィックはこんな感じでちょっとずーーつ伸びております。
数字は自慢できるほどの規模ではありませんので内緒にしておきますが、更新を頑張り出した3月以降は検索トラフィックも検索以外トラフィックも増えていることはなんとなく分かっていただけるかと思います。
問い合わせとかセミナー参加が増える
トラフィックが増えるので、集まるユーザーが自社のターゲットと大きくズレていなければ、当然何かしらより深い接触を持つ機会も増えます。具体的にはうちで言えば、SEOのお仕事の相談とかセミナーへの参加とかです。
ここが少しずつでも目に見えて増えてくると、ビジネスインパクトという大義名分だけではなく単純なモチベーションの維持と会社として一定のコストを割く根拠付けになります。
ブログ更新においては「どういう記事が人気が出てPVを稼げるか、バズらせられるか」ではなくて「自分のサイトを見に来てほしいと思う人たちが日常的に調べそうな話題、あるいは今まさに困っていそうなこと」にスポットを当てて情報を更新していくのがおそらく誰にでも出来て、ターゲットとしたいユーザー層にリーチできて、しかも効果に繋げられる考え方です。
前者は慣れとかセンスとかにも依存する部分が多いと思いますが、後者は実際にお客さんと触れ合う機会が多い人であれば、時間さえ取れれば絶対無理!ってことはないでしょう。
僕は派手なコンテンツのプロモーションとか全く得意ではありませんので後者みたいな考え方を推奨しています。前者がダメとかでは決してありません。前者みたいなことをやるのも選択肢に入れ、やるならそういうことが得意な人に頼む方が良いと思います。
リンクがもらえるのでSEOもちょっとずつ良くなる
ただブログ記事を作って告知するだけではなくて、短期的な反響を得るだけでもなくて、「リンクをもらう」ことももちろん視野にいれないといけないのですが、一応そういうときに頭の片隅でいつも考えていることは
- 人気とか影響力のあるサイトにリンクされたい
- なるべく多様なサイトからリンクされたい
- できれば継続的にリンクを得たい
などのことです。話題とか自分たちに書けることによってどういうポイントに重きを置くかは変えています。「あーこのテーマだと多分キツイな」とか「この記事なら継続的にリンクもらえるな」とかそういうのは何となく想像しています。さすがに自分が得意な分野では6割くらいは想像通りになります。
得意な分野だと上手く言って不慣れな分野だとうまくいかないのは、読者のことをよく知ってるかどうかが分かれ目だと思っています。読者のことをある程度でもわかっていれば読者の反応は予想できますし、分かっていなければ予想するのは難しいですよね。という理屈です。
だからこういうのは自分個人の提案というよりも色々勉強したりクライアントから教えてもらったりとにかくユーザーを知ることから始めないとなかなかいい提案できないです。だからこういうコンサルはとても大変で、ジャンル問わずうまく出来る人はすごい人だと思っています。
リンク数の推移としては、ahrefsという調査ツールだとだいたいこんな感じです。
まあ特段多くはないですけど、書いた分だけ少~しずつ増えているくらいの感じでしょうか。本音を言えばもっと爆発的にガツーンと行きたいのですがまだそこまでのサイトでもなければ僕の文章力もないので仕方ないのでしょうが。
ちなみに、人気とか影響力のあるサイトに掲載されるためには、そういうサイトを運営してる人とかその周辺にリーチして読まれて「へーこいつ中々いいこと言ってんじゃん」という評価をもらえることを前提に記事を書くのですが、そのためにまずはその人が好みそうなテーマで記事を書いてみたり。話の主旨をその人の好みに合わせたり。とか少しは工夫しています。
また、多様なサイトからリンクされるには、SEO関係者しか興味ないマニアックなネタばかりを公開しても仕方ない(リーチできる属性が限られる)のでいくつか工夫が必要で。
例えば、「SEOだけどめっちゃ業者向けに書く」とか「すごい初心者向けに書く」とか「制作とかの仕事をしてる人向けに書く」とか「リスティングの人に興味持ってもらえそうな話題を書く」とか「アクセス解析とかの人に向けて書く」とか、関連業界だけどちょっとSEOの記事じゃないところに向けて書きます。
例えば
- Webサイト高速化・表示速度改善のために知っておきたい基礎知識
- よく見るHTTPステータスコード一覧とその意味を理解する
- ユニバーサルアナリティクスって何が違うの?その機能や移行方法など徹底解説
- Googleタグマネージャ 初期設定の手順、使い方まとめ
この辺りの記事はまさにそんな感じですね。
高速化、とかステータスコード、とかユニバーサルアナリティクス、とかタグマネージャ、とかその辺はSEOにも関わる話題ですが、それを本業としている人達にもリーチしやすくなります。こういう記事はトラフィックと普段もらえない層からのリンク集めが主な目的です。
公開後の情報拡散がある程度うまくいくとそれなりに反響があり、反響があると検索結果が向上して、その後そのテーマで調べてくれた人がちょくちょくリンクしてくれたりが継続的に発生します。ただこのあたりはこのブログのテーマ的にもブログとかソーシャルとかの利用者層が多いのでそうなりやすいという側面があるのは間違いないのですが。
1つのコンテンツで何十本も毎回リンクがもらえるわけではありませんが(そういうコンテンツだけを価値とするのであれば、ほとんどのコンテンツの価値が適性に評価されなくなってしまう)、5本のリンクを10回集められれば50本のリンクなので、そう考えれば難しい感じではないですね。これはいつも自然リンク集めに困っている企業さんにアドバイスしている内容でもあります。
- 情報源としてそれなりに信頼しても良さそう
- ある程度まとまって網羅された情報 or 細かく具体的なニーズにこたえる内容
- 検索結果で上位表示されている
- 見てくれる人がブログとかソーシャルメディアを日常的に利用してる
この条件が満たされることだけ考えて運営していけば割と継続的にリンクは伸ばせそうですね。先ほど紹介したような、「出遅れた感ある話題をけっこう大げさに網羅してまとめたりしてる」ような記事ってぶっちゃけこの辺が目的だったりします。断片的な情報はめちゃくちゃ多くても、網羅してる記事は割と限られているのでそこを狙ってるだけといえばそうなのですが。
本筋から外れますが一番最後の要件だけ、そのサイトのジャンルに大きく左右される要素だったりしまして。
自然リンク<<ブラックハットなリンクなキーワード市場、かつそもそも自然リンクを貼ってくれる人が比較的少ない、という条件ですと頭をひねらないとホワイトハットでは今はまだ厳しいです。
サイトの利用者そのものがリンクを貼ってくれることを期待できないのであれば、リンクを張ってくれそうな人(属性?)に焦点をあてて、その人たちに情報をリーチしていくような取り組みが必須になります。「集まる」よりも「集める」にフォーカスするわけですね。
例えば、賃貸物件の一般的なポータルサイトを立ち上げて自然なリンク集めをしようと思っても、「この物件マジ良かったよ!おすすめ!」「品川区のILDKの新築マンションは、例えばこういう物件があるようです。」なんてリンクはまず期待できませんね。
でもそういうサイトに自然リンクを集めたいのであれば、リンクのターゲットを変えて、彼らがリンクをくれる理由をあの手この手で作らないといけないのですね。特に小規模な事業者であればあるほど、この辺のリンクを取りに行く工夫と貪欲さが必要になります。
そして正直に言えば、どんなジャンルでも工夫すればある程度までは行けると思いますが、それだけで検索結果の面取り合戦でバチバチ戦えるかと言えばそれはテーマ次第かなあと思います(少なくとも僕のスキルだとそうです)。
既にある程度知ってもらえている分、営業コストは下がる
これは、「いつもブログ見させて頂いてます」とか「ちょくちょくセミナー行かせてもらってます」っていうところから始まる商談がどれだけ話が早くてお互いに助かるかというのを体験している人は分かると思いますが。
受注が決まる、だけではなく出来ること出来ないこと、得意不得意が割と明確な状態をスタートラインに仕事の話ができるので、仕事受ける受けないの話も早いということです。
相談いただくサイトも、「あーこれなら自分らが上手いことアドバイスできそう」みたいなサイトが割合として多くなります。ココらへんは表面的な数字で現れにくいのですが、確実にそういう効果もあるとは感じます。
大変だなと思っていること
ここからは、ありきたりな内容かもしれませんが。
書くのにめっちゃ時間かかる
まあ一番のネックはここですよね。僕が書く場合ですとだいたい1記事あたり3~6時間くらいです。他の人が3~4時間くらいかけて書いたものを校正するには、内容によりますが1~5時間程度です。まあどのみち平均5時間くらいかかるんですね、きっと。
大半の時間は構成考えるのと内容のチェックと、場合によっては記事を書くにあたっての調査や事実確認です。書くことが決まれば書くのはそんなに時間かかりません。
その割には記事は大したことないね、と感じる方も多いかもしれませんが、結構色々気をつけて書いたりまとめたりすると、僕だとこれくらいかかってしまったりします。完全にそれのみに集中できればもっと短縮できると思いますが他業務の合間を使って書いているのでなおさらですかね。
例えば、意見や見解なのか事実なのかの区別とか、明確な因果関係とか根拠があるのかないのかとかも分かるようにしたいです。あとは曖昧な場合とか断言できない場合はそういう表記を心がけています。「誤解を恐れずに言えば」とか言い回したまに使いますが、正直言えばかなり誤解を恐れています。
このサイトの記事全般がちょっと回りくどくて読みづらかったり補足説明だらけの文章になっているのは、文章力が欠如している以外にもそのせいもあると思います(多分)。
一応、ポリシー的なところで言えば、簡潔でキャッチーでライトで読みやすい文章よりも、ちゃんと読んでくれたら役に立つ、とか逆に誰かの迷惑にならない、みたいな文章にすることを優先しています。まあこの辺は運営者の意図次第なので僕が無駄に気にしすぎなのは間違いないと思います。「生」が付くほど真面目な性分なのが玉にキズですね。もっと言えば「は」がつくほど緻密なのも玉にキズです。
専門分野なので記事の品質を担保するのが大変
ある程度は話せる、実務ではちゃんとやってる、というのと、ブログという形式のアウトプットとして一定以上の品質で出せるというのはスキルとして全然違うと思っています。つまりそれなりの文章を安定して書き続けられる人はどこの会社も限られていると思うのです(スキルだけではなく業務的な事情も含めて)。もっとライトなテーマなら別ですけどね。
ですので社内の他の人に書いてもらう場合でも、テーマを決めたり、予め骨格を決めたりして、あとは書く人の得意分野に合わせて書いてもらって、文章とか表現でちょっと気になるところから修正したり、事実に反することが書いてないか、とか誰かが誤解してしまう表記になってないか、とかそういうところも基本的にはけっこう細かく見ます。妥当なツッコミや指摘を頂いたらその旨追記したり引用させて頂いたりします。
ということで、とにかく分担してみんなで書こうぜ!というのがそんなに簡単にできないというのもまあひとつの悩みですね。現場のメンバーはやっぱり実務を優先しないといけないのでここにリソース割きまくるとかも出来ないですし。
逆にインターン生とかに勉強がてらSEO用語集とかまとめて記事にしてもらったりはしてますし(もちろん最低限は全てチェックします)、信頼できる方に寄稿して頂いていたりもありますので、現実的な運用に耐えうる体制を組んで更新量を担保することは工夫すれば出来るとは思います。
その人(その会社)の底が知れることのデメリットも考慮する
あんまり浅い内容の記事とか変な内容の記事ばかり出してしまうと、検索を中心にトラフィックは増えていくと思いますし一時的に成果と言われるようなものが出ると思いますが、やっぱり印象とかブランドとかいう意味でいうと長期的には何かしらは損ねてしまうんだろうなとは思います。
ある意味、自分の手の内を多少明かすことなんてのは別に問題ないと思いますが、読者から見てその人(とか会社)の底が知れるというのは微妙かなあと思います。さすがにある程度のリタラシーがある読者さんであればその辺りの分別はつくでしょうし。
僕個人としては、こういう商売で「広告」という形式ではなくて「情報発信」を通じてユーザーとの接点を増やしていく以上は、こういう目にみえない「読者が受ける何かしらポジティブな印象」みたいなものを少しずつ積み重ねていくことも大事にすべきと思っているんですね。もちろんこのサイトはまだまだですので今後もそういうのを積み重ねていくために頑張ろうと思います。
逆に、トラフィックがいくらあっても、自分たちにとって重要な読者層に「こいつら、微妙だわ」って思われたら、獲得したトラフィックの価値は激減します。数字だけ見ていたら見えない部分ですので、なおさら自分たちがそうなってしまわないかビクビクしてるという側面も少しあります。ドメイン名でのエゴサーチは欠かせません。
ですので、SEOについては全ての読者に一定のリタラシ―や判断能力があるわけでは決してないテーマですので、企業としての情報発信にはそれなりの覚悟と責任を持ってやっています。特にWebコンテンツの場合はそれがずっと残ってしまい将来に渡り多くの人に見られる可能性があるのでなおさらかと。一対一でしゃべるのはそういう意味ではある程度気楽なのでいくらでもペラペラしゃべりますけどね。
ちなみに:「ブログとかでいろいろ情報公開しちゃって大丈夫?」みたいな話
そもそも本とかブログで書けるような、逆に言えば調べようとすればみんなが調べられる内容などは、ほとんどが一般論ですし手の内というほどのものでは決してないのでいくらでも放出して問題ないという認識です。受験勉強で言えば参考書読めば分かる、一般的な定理とか公式とか汎用的な解法とかが予備校や塾の重要なノウハウと言えないのと同じで。
本当に大事なのは一般論としての情報ではなく、個々のケースでの施策をどうプランニングするかと、その根拠となる知識と経験です。それは多くの場合で一般化して話せることでは決してありません。
運営してる母体やその規模、ビジネスモデル、掲載されている情報の性質、担当者のスキル、予算、時間的制限、事業的制約など色んな要素が同一でない限り、同じようなサイトでも優先して行う施策は変わるはずです。
なので一般的なこういう話題はいくらでも出して良いんじゃないかなと個人的には思います。少なくともなんの役にも立たない情報だとは思っていませんし。
まとめ
ということで、僕はSEOみたいなテーマでブログを更新する、それによって何かしらビジネス上の成果を得る、というのはけっこう大変なことだと感じています。成功例と失敗例でいえば後者が圧倒的かなと。うちもめちゃくちゃ成功しているかといえばまだまだこれからの積み重ねだと思いますし。
もちろん良い情報が増えることはとても良いことですので大歓迎ですが、SEOについては明らかに間違った情報(ちょっと違う、はもちろん、ぜんぜん違う、というレベルまで幅広く)が発信される可能性が極めて高いのと、一方でそれを誤った情報として認識できる人が少なすぎる点から、情報の流通はよりカオスになりがちなテーマだと認識しています。なので余計に気を遣います。
ただ、総合すれば、色々大変なことはあるけど、ちゃんとやれば得られるものは多いので、何だかんだやるべきで、やるならしっかりコストをかけてやるべきと思っています。ただ上記のような理由から、適当な情報をまき散らさないためにできる努力を怠らないことも、情報を積極的に出すことと同じくらい大事なことという認識でございます。
このブログもいつの間にかそろそろ40記事くらいになりますので、もっともっと成果に繋がると良いなと思います。ということで何かお仕事ありましたら是非くださいますと幸いです。
以上、今後共よろしくお願いします。
[寄稿] 品質スコアを気にするインハウス担当者、気にしないリスティング広告代理店
寄稿記事4発目。最近も少し界隈で話題になっておりました、リスティング広告の「品質スコア」に関わる問題。今回は仕組みとしての話ではなく、実際には現場で起こっている”駆け引き”に関わるお話で、共感できる方も多いのでは。スタビライザー小松氏の執筆です。
品質スコアの捉え方
最近、リスティングの品質スコアの話題をしばしば目にします。寡聞にして存知上げませんが、インハウス・代理店側双方ともに品質スコアがKPIになっていることはほとんどないと思います。
それなのに、度々話題に上る「品質スコア」って何なんでしょうか?
代理店側からは「品質スコアはこういう仕組みなんです」とか「目標達成してるから低いままで問題ない」とかの代理店側の見解を多くみかける一方、品質スコアが低くてどうすれば上がるのか、上げ方が分からず悩んでいる担当者が多くいるということもまた事実なのです。
弊社は、代理店として広告運用の代行をすることもありますが、広告主側のWebマスターとして代理店と打ち合わせすることも多々あります。この記事では、インハウス担当者、代理店の双方の視点から、品質スコアをどう捉えれば良いかについてご説明します。
※前職ではこちらに取り上げて頂きました。
実践 インハウス・リスティング広告 「丸投げ体質」から脱却するSEM成功の新条件
SEOでいう検索順位とちょっと似てる?かも
オーガニック検索で問い合わせを増やしたい、アクセス数を増やしたい場合、ほとんどの場合でSEOを実施することになりますが、この場合もSEOの順位より、自然検索経由のアクセス数、CV数を主なKPIとしている会社が多いのではないでしょうか。「順位だけ上がってもさ、全然売り上げに繋がらないじゃない」ではどの会社も困るわけですね。
SEOを外注し圏外から1ページ目下部くらいに表示され、問い合わせ(売上)もアクセス数も仮に対目標150%目標達成!となっても、目標達成して良かった。となるのは一瞬のこと。更に目標数値が高くなって、SEOに対する要求も強くなる。
そして、経営層から『目標達成したのは良かった。SEOで1ページ目下部にいてこの数値だからもっと上位に来ればもっと売り上げ上がるよね?』と言われます。担当者としてはそこで
『いや、SEOってのは特定のキーワードの順位だけじゃなく、様々なキーワードで…。』
『アクセスして来た人をCVしてもらう為、アクセス解析をして…。』
などと言ってみるものの、
『それは分かった…。それなら1位にしてから、それをすれば更にいいよね!』
と気軽に言われます。上司なのでここで無駄に争っても仕方ない訳です。
※編集者注:
もしホワイトハットなSEOを行う場合ですと、実際には、「○○とか○○のような施策を行うとまずはこういう結果が見えまして、そういうのを積み重ねることが、このキーワードでの上位表示にも繋がるんですよね」というような順序になることが多いです。ヘッドキーワードで上位にしてから周辺を強化するのではなく、外堀から強化していって最終的に中核が伸びてくるようなイメージでしょうか。
弊社のサイトも「アプリ」とかで上位表示されたのは月間1000万PV超えたくらいからでした。まあこの辺はジャンルに大きく左右されうるものですが、順番としてはそういう感じになります。サイトをどう強化していくのかイメージ出来る方であればこの辺りはすんなりかと。
品質スコアを巡る社内の会話は…
品質スコアの話題ってこれと非常によく似ています。
リスティングの運用を代理店に依頼して目標数値達成しました!という場合も喜びはつかの間、経営層からは
『それは良かった。それなら来月から同じ予算でもっとCV増やして』
『予算減らして同じ数字達成して』
のようなことを言われるようになり、更にハードルが上がるなんてことがよくあります。
しかも、どこからか品質スコアってやつを上げるとクリック単価下がるらしいという噂を聞きつけた上司から
『CV同じのまま品質スコア上げて予算下げて』
『予算同じでいいから品質スコア上げてCVもっと増やして』
などとインハウスの担当者は言われることもしばしば。
そこで、インハウス担当者としては
『品質スコアよりもユーザーのニーズに叶った広告文を…』
『デバイスやマッチタイプを工夫して…』
などと、ごくマットウなことを言ってみるものの、先ほどのSEOの例と同じく
『品質スコアを10にした上で、さらにそれやったら?』
と気軽に言われます。上司なのでここで無駄に争っても仕方ない訳です。
また、外注しないで自社で行っている場合でも、何でこのキーワードで上に出せないの?と突っ込まれることも多々あります。
『品質スコアが高いほど、広告の掲載順位を決めるオークションで有利になり、より安い費用で上位に広告を掲載することができます。』
ってはっきりとAdWordsヘルプに書いてくれちゃっているので、なおさら『品質スコアを上げないと…』などという話になる訳です。Googleも公式サイトに品質スコア上げれば安くなるって書いてあるだろ!って言われてしまったらインハウス担当者としては品質スコアなんとか改善しなきゃ、と悩むことになるのです。
そして、こういう時に代理店側に品質スコアの話が行くことが多いのです。なので、「この時点で目標達成してるので気にしないで下さい。品質スコア上がってもCV取れるとは限りませんし。」という当たり前すぎる回答が来ると、担当者としては(目標は達成しているわけですし)代理店に強く言えないのですよね…。
完全に板挟みになります。本質ではないことなのかもしれませんが、担当者が仕事をしやすい環境で仕事を出来るということも成果を出す上では大切なことだったりします。
※編集者注:
ちょっとズレるかもしれませんがSEOでも似たようなことがありまして、例えば企業向けに広告掲載の営業をしているWeb媒体さんに、「いや送客数もPV数も順調に伸びてますし、ビッグキーワードの順位にこだわっても仕方ないですよ」とか安易にいうと多くの場合、普通に怒られます。「広告の営業コストが上がったり、掲載企業からクレーム来るんだよ」と。
つまり「このキーワードで○位のサイトです」というのがビジネスにおいて(Webの本質かどうかの話ではなくて)重要なファクターだったりすることもあるわけです。あまり無責任なことは言ってはいけません。
品質スコアはクリック率と密に連動していると言われています。が、クリック率を上げる施策が必ずしもCVを取る施策につながらないこともある。ちょっと刺激的な広告文でクリック率は高いものの実態を反映せずCVRが悪化するなんてこともあります。
ユーザーの為に広告文を変えたり、マッチタイプを工夫してCV数を増やす。そういう施策を続けることで結果品質スコアに反映されてくるので、品質スコアから入っても必ずしも成果が出るとは限りません。
リスティング広告やSEOに限らず、このWebサイトは誰に見て欲しいのか?見た人にどういうアクション取って欲しいのか?を考え続けて運用しないと枝葉末節にこだわることになり、結果的に上手く行かないことが多いのではないでしょうか?
結論
リスティング広告代理店の方
目標達成しているから品質なんて全く関係ないよね!と言わず、少しだけ耳を傾けてください。。現場では色々な事情があり、インハウス担当者はちょっと困っている場合があります。
インハウス担当者の方
品質スコアが悪くても、昇給しなかったりボーナス少なかったなんてことは自身の経験ではありません。もし言われてもあまり過度に気にしないようにしましょう!
「一覧ページに掲載するリスト数は?」「内部リンクのパスってどう指定すればいいの?」などの質問にSEO現場のプロが答えます
先日schoo(スクー)さんにて、SEOの放送を行わせていただきました。SEOを勉強し始めたばかりの方、制作会社のディレクターさん、SEOを外注されているWeb担当者さんなど、「ホントはSEOのこともっと知らなきゃいけないんだけど・・・」といった方むけに、サイト改善のエッセンスをかいつまんでお話しました。
録画:http://schoo.jp/class/709/
スライド:http://www.slideshare.net/motohojitsukawa/seo-for-35748590
放送では生徒(視聴者)からコメントや質問がもらえて、ライブでやりとりしながら進められるという仕組みになっているのですが、ありがたいことに沢山の質問をいただき、ああやっぱりこういう所が気になるんだなというところが実感できました。その場で答えられなかった質問もありましたので、講義のフォローアップとして気になる人の多そうな質問をピックアップしてお答えします。
今回ピックアップした質問
技術的な質問
・個人サイト(自営店舗)を自身で運営しています。季節によってサイトを訪れるユーザーの目的となるキーワードが違うことが想定される場合、HTMLタグの対策キーワードをコロコロ変えてもいいものなのでしょうか?
・一覧ページに掲載するリスト数はどのように決めていますか?
・内部リンクをhttp:// から指定しろというSEO指示を受けたことがありますが大きな意味はあるのでしょうか?
・見出し及びリンクの「画像置換+altタグ」か「文字+CSS3装飾」の選択は’リンクの重み付け’に影響を及ぼしますか?
・descriptionの文字数の目安ありますか?
SEO会社一般に関する質問
・やはり個人でやるのと、業者に頼んでやってもらうのとでは、全く違うのでしょうか?
・良質なSEO会社の見極め方を教えてください。
・今後、Googleの仕様変更などにより、SEOの在り方やSEO事業の存続に影響はありますか?悪質なSEO業者が駆逐されるのは当然として、真面目にやっている業者はどうなのでしょうか?
ヴォラーレのSEOに関する質問
・SEOコンサルをする場合、コンテンツの提案はどんな事をしていますか?
・SEOをバリバリ頑張るのと、広告含めた予算のバランスはどう提案されてますか?
その他
・SEOにおいてschooのここが素晴らしい!というのはありますか?
・参考する書籍があれば教えて下さい。/ おすすめのSEO本はありますか?
技術的な質問
個人サイト(自営店舗)を自身で運営しています。季節によってサイトを訪れるユーザーの目的となるキーワードが違うことが想定される場合、HTMLタグの対策キーワードをコロコロ変えてもいいものなのでしょうか?
店舗サイトということは、商品を販売する小規模なECサイトか、店舗への来店をうながすような案内サイトでしょうか。実際に見てみないことにはわかりませんが、季節によってユーザーの検索ワードが代わる場合でも、特定のページに含むタグをコロコロ変えることはあまりおすすめできません。
検索エンジンの評価はURLごとに各キーワードに対してひもづけられるので、時期によってタグを変えてしまうと、各キーワードに対してどういった評価を下せばいいのか?ということが検索エンジン側で適切に判定しづらくなってしまいます。
具体的にどのような内容なのかは分かりませんが、例えば対策としては、ユーザーが検索するであろうキーワードが季節ごとに複数分かっているのであれば、それに対応するページをそれぞれ作成し、いつ、そのキーワードで検索されても対応できるようにするのが良いでしょう。毎度毎度タグを変更する必要もないですし、検索エンジンからの評価も安定します。
一覧ページに掲載するリスト数はどのように決めていますか?
特にSEO的にいくつであるのがベスト、という一般的な正解はありません。一覧ページにどれだけ個々の情報を掲載するのかによっても判断は変わるでしょう。
基本的にGoogleはページャーでつながれた一連のページはひとまとめに処理しようとしてくれます。ただしリストに掲載された個別のページへのリンクをクローラーが回りやすいかどうか、という点で言えば、あまり細かく切り分けてページャーで遷移させまくるというのはクローラビリティの観点からあまり良い状態とは言えません。
かといってあまり1ページあたりの掲載数を多くし過ぎるとページの読み込み速度に影響を与えたりスクロールして閲覧するのに苦労したりとユーザビリティに影響を与えたりもするので、「掲載して問題ない範囲で多めに」というのが一般的な判断軸としては無難かなとは思います。
内部リンクをhttp:// から指定しろというSEO指示を受けたことがありますが大きな意味はあるのでしょうか?
相対パスではなく絶対パスでリンクを指定するという話ですね。これが実際にどういう意図で指示されたものなのかは不明ですが、いくつか意味は考えられます。ここでは詳細は割愛します。
- Googleが絶対パスを推奨しているため
- サイト内でクローラーが発見するURLを統一するため
- コンテンツを自動で無断転載されたときなどにリンク飛び先のURLを自社サイトに戻すため
などでしょうか。とは言え絶対パス、相対パスによるSEOの効果の差異はほとんどのケースではほぼ皆無と考えて良くて、あくまで運用上の都合やコストなどを優先させるべきという考えで問題ありません。わざわざ全ての相対パスを絶対パスに書き換えなんていう作業は決して必要ありません。
見出し及びリンクの「画像置換+altタグ」か「文字+CSS3装飾」の選択は’リンクの重み付け’に影響を及ぼしますか?
リンク1本は1本なので、そのリンクが受け渡すパワーとしては変わらないと考えて良いと思います。また、テキスト理解という意味でのベストプラクティスを考えれば「文字+CSS3装飾」が正解ですが、画像置き換えも一般的に広く浸透している技術なので検索エンジンが問題なく処理してくれる可能性が高いと思います。
ただリンクのパワーの問題というよりは、見出し等でいちいち画像を読み込ませるのか、という意味で考えるとユーザビリティ上及びSEO上の影響が出てくる可能性がなくはないかなと思います。
結論としては、画像によるビジュアル的な表現が必要な場合には見出しに画像を使用するで全く問題ありませんが、CSSでの装飾された文字で十分なものであればテキストで記述しましょう、といった判断で良いと思います。
descriptionの文字数の目安ありますか?
meta descriptionについては特にSEO上の重要な加点になる要素ではありませんので、あくまで検索結果上での見え方を重要視すべきという考え方で良いと思います。つまり考えるべきポイントは検索されそうなキーワードが含まれるか(太字表示されるため)、であったり、内容が理解できて検索結果でクリック候補に入れてもらえるかどうか、などです。
その上で文字数については、表示文字数も考慮すれば50~100文字くらいであれば問題はないかと思います。スマートフォンの検索でのアクセスが多い場合にはスマホの検索結果表示も意識して、前半50文字程度でキーワードが含まれ内容が理解できるように工夫すると良いと思います。
SEO会社一般に関する質問
やはり個人でやるのと、業者に頼んでやってもらうのとでは、全く違うのでしょうか?
業者に頼むメリットってなんですか?という質問と捉えて回答します。まず当然頼む会社によってまったく異なりますが、色々なサイトに実務で関わった結果として得られた知識や経験の有無は大きいかなと思います。
サイトの構造をこうすべき、SEO上この施策は影響が大きい、小さい、意味が無い、逆効果、などの要件については、やはり実際にどのくらいサイトのSEOに取り組んできたか、検索エンジンの特性や動向を理解しているかによって理解レベルが変わりますので、実績のある会社に頼むのであれば「成果が出る可能性が高い」というメリットは享受できるかと思います。
特に大きなサイトのSEOを行うのであれば、忙しい担当者が聞きかじりの知識でどうにかなるほど簡単なものではありませんし、改修に費用がかかったり、現状のトラフィックに悪影響を与えるなどのリスクがある中で自分の知識だけを信じて改修に取り組んでいくというのは相当な勇気が必要だろうと思います。
もちろん中にはSEOの専門家並みとかそれ以上の知識を持つインハウスSEO担当者の方も一部いらっしゃいますが、全体から見ればごく稀なケースです。
ただもちろんコンテンツの良し悪しやその内容がより重要性を増す中で、そのサイトのサービス自体の専門家ではないSEO会社がそうした全て代行するというのは多くの場合は現実的ではないですし、そこはうまく分業するところかなと思います。
設計や仕組みづくりなど専門的な知識や経験が必要な部分に関しては必要に応じて専門家の知見を利用し、自社サービスに大きく関わるコンテンツについては社内でリソースを確保して体制を作るというのが理想的かと思います。
良質なSEO会社の見極め方を教えてください。
一般的にお答えするのは難しいです。各社とも得意・不得意が必ずあります。そして会社単位ではなく実務担当者が誰かというレベルでも大きな差が出ます。個人的には”相性が良いかどうか”というのが正直長く取り組んで結果を出すコツなのではないかなと思ったりもしていますが、もし選定しなければならない立場にあるのであれば、選ぶポイントとしては
- SEOに取り組むことによって何を実現したいのか(上位表示、何位にしたい、とかではなく、ビジネスとして何を達成したいのか)、という具体的なゴールを持つことと、それを担当者に伝えること
- それに対して「具体的な」解決策を提示してくれるかどうか
- 相手の会社の得意な領域、不得意な領域について率直な回答を求め、明確な回答を得られるか
- どのような仕事の進め方をするのか、それは現実的に上手く行きそうか
- 提案された内容に、「なんかすごそう」「プロっぽい」とかそういうレベルではなく、理解して納得して取り組む価値があると思えるか
- 取引条件が合うかどうか
こうしたことでしょうか。
※参考※
・SEO会社って何を基準に比較・選定したら良いんですか?
・[寄稿] 元インハウスSEO担当者が語る、失敗しないためのSEO会社の選び方、付き合い方
※編集者注:
全てにおいてこの会社が一番良いです!という会社は知るかぎりは思い当たりません。
ちなみに営業担当者のレベルで言えば、「実績があります」「ノウハウがあります」「最新のアルゴリズムの動向を把握していますので常に最適な状態を保てます」「○○(大手)さんのSEOやってます」「ペナルティ受けたこと一回もありません」みたいな自社の営業トークと自慢話や”フカシ”しか出来ない担当者であれば、担当者を変えてもらうか会社を変えるかはしたほうが良いかなとは思います。
今後、Googleの仕様変更などにより、SEOの在り方やSEO事業の存続に影響はありますか?悪質なSEO業者が駆逐されるのは当然として、真面目にやっている業者はどうなのでしょうか?
既にかなり影響はでてきていると思います。かつてのような人工リンク一辺倒のやり方で継続的に上位を維持できる可能性は年々低下傾向にありますので、SEO会社全般としても取り組み自体をリンク以外にシフトしなければならない状況にはあります。
同時に市場の認識も変化して、リンク中心ではない手法のSEOを行いたいという企業も少しずつですが増えてきておりまして、リンク以外のノウハウが自社にない状態では、すぐに別方向にピボットも難しいのでそうした会社は苦しいのではと思います。
逆にリンク中心のSEOで一定以上の成果をあげられる専門会社は今でも存在していますし、今後も一定数は残ると思います。ただし、それはそれでかなりの覚悟を持ってやられている会社でなければそうは出来ないと思いますので、そういう会社はかなり少数だと思います。
※編集者注:
実際には、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、最近は事業をシフトするか、撤退、事業譲渡、倒産、といった動きが目立ちます。
Googleの仕様変更によってSEO自体がしづらくなるかというと、特にそういうことではありません。仕様変更によって使えなくなった手法はたくさんありますが、逆に言えばそれだけです。
SEO上で考慮すべき項目は数えきれないほどたくさんありますし、多くの場合は優先順位も明らかです。それを一つ一つ整理して提示して、実現可能なところから実行していくだけです。
※参考※
・自然リンクを狙ってSEOの成果を出せる人は普通にスゴイと思う、という話と将来的なSEO事業の向かう先について
・Googleがアルゴリズムを変更する目的とSEOの役割
・“ホワイトハットSEOが上手くいかない”という人へのアドバイス
※編集者注:
リンク→リンク以外への転換については、個人事業や少人数の組織ならまだしも、組織規模が大きくなると更にいろんな障壁があり本当に難しいと思います。既存の販路(特に代理店への依存度が高い場合)、既存の人材スキル、スキルを持つ人材の維持(離職防止)、新規採用、教育、標準化、リンク用インフラの処理、既存サービスの顧客、ほかにも色々と大きな障壁があります。外から見ているよりも「リンク中心のSEOから、リンクを使わないSEOをお金をもらえるレベルで組織的に提供するようにシフトする」ことはそうそう簡単なものではありません。
大げさに言えば、SEO事業としてくくっていても、それぞれはビジネスモデルとしてほとんど別物です。つまり単なる方向転換、ではなく既存のビジネスを一度破壊して新たに再構築するくらいの覚悟が必要なことだと認識しています(もちろんこれはもともとの状況にも依るのでしょうけど)。
と、ここ数年は本当にこのビジネスモデルの移行をしていくにあたり僕自身も色々大変な思いをしてきましたので長々と補足しました。誰かが知ってるとか出来るとかでは全然ダメで、みんなが出来る必要がある、それがビジネスとして成立する、というのが本当に大変なことです。そしてメンバー個々人のレベルの引き上げという意味では今後も際限ないのでまだまだチャレンジングです。
ヴォラーレのSEOに関する質問
SEOコンサルをする場合、コンテンツの提案はどんな事をしていますか?
もちろんサイトによってまちまちです。ただ、面白いことをやりましょうとか流行りの手法を使いましょうとかそういうのは違うと思うのですね。一つ一つ整理して、必要なコンテンツを洗い出して作っていくように地道な提案をしています。あまり派手なことは提案しません。
例えば既成品を販売するサイトと、オーダーメイドで作って販売するサイトでは同じテーマでも必要なコンテンツは異なります。情報収集期間を長くとるサービスを紹介するサイトと、ふと困った時に探して選んで見つけて申し込むようなサービスを紹介するサイトでも、コンテンツの戦略も重要性も大きく変わります。
自分のサイトに来て欲しい人、彼らが知りたいこと、彼らに知ってほしいことをまずは明確にして、それは良質な自然リンクの獲得につながるものなのか、或いは商品を比較選定される上でのポジティブな材料と成りうるコンテンツなのか、例えばそういうことを考えながらコンテンツを考えていきます。
※参考※
・Webサイトに必要なコンテンツとSEOについて
・「ユーザー」から出発するWebコンテンツ企画の5ステップ【基本編】
・元雑誌編集者が語る、あなたの”コンテンツマーケティング”が上手くいかないワケ
SEOをバリバリ頑張るのと、広告含めた予算のバランスはどう提案されてますか?
当たり前っぽい回答ですが期待できそうな投資対効果による判断となります。
SEOに取り組み、自然検索流入を改善することで大きな成果を上げられる可能性が高い(伸びしろが大きい)のであれば、SEOに積極的に投資してもらうように提案します。分かりやすい例では、規模の大きなコンテンツなのに実装が甘いために相応な検索流入が得られていない、リスティング広告には月に500万円投資している、であれば、短期間で一気にサイトにテコ入れしてSEO側の改善をしましょうという提案が出来ます。
逆にサイトの多方面の改善で自然検索を伸ばすにはそれなりの期間やコストを要するため、そこに見合った効果をあまり見込めないのであれば、SEOはそこそこに、広告を中心としたマーケティングを優先させるべきです。常にSEOに全力投球する必要はどこにもありませんし、SEOに取り組んでも期待できる効果が全体から見て微小なのであれば、こんな面倒なことやっている場合ではないことがほとんどと思います。時間と労力ばかりかかって何も得られませんし。
※参考※
・SEO対策とリスティング広告の共通点/相違点
・SEO対策を実施するメリット
その他
SEOにおいてschooのここが素晴らしい!というのはありますか?
なんとも答えづらい質問ですが、外から見て言えるレベルの回答としては、現状でSEOはそこまで優先して意識していないのではないかな、と思います。今は、基本的に生放送を中心として、schooのアカウントor講師本人or講師の所属団体がソーシャルメディア上で拡散して集客/スクー自体のファンがサイト巡回中に放送を発見して視聴、という流れが主流かと思いますし、現状ではそれでかなり集客はできているのではないかと思います。
これまで蓄積した放送情報及び受講者の投稿によるテキストコンテンツといった独自の情報資産に加え、ユーザー参加が非常に活発なメディアになっているため新たな仕組みのユーザー投稿型のコンテンツなども促進しやすいだろうといった特性もありますので、SEOを本格的に実践することで、もっともっと検索結果での露出を改善していくことは出来ると思います。
参考する書籍があれば教えて下さい。/ おすすめのSEO本はありますか?
ということで定番の本を紹介します。下2つは最近出版されたものでお勧めです。
- 検索にガンガンヒットさせるSEOの教科書
- SEOを強化する技術 エンジニアが内側から支えるサイト設計・構築術
- いちばんやさしい新しいSEOの教本 人気講師が教える検索に強いサイトの作り方
- ネットショップSEO 2014
このあたりでしょうか。
まとめ
あまりまとまりのない感じにはなってしまいましたが、でてきた質問は現場でも割とよく聞かれるような質問であったりというところで、一つくらいは参考になる問答があればなあと思います。
ちなみに最近はこんな形でスクーさんで声をかけていただいたり、自分でもちょっと大きめにセミナーを開こうとしていたり外に向けて発信することが増えて、認知度が上がっているんだなあととても嬉しくなります。スクーさんの方は会社でチャンネルを持たせて頂いているので、また何度かやると思いますので引き続きよろしくお願いいたします。